MSI MPG X670E CARBON WIFIはまだまだ使えそう。
急ぐIntel、慌てないAMD
各所で来年以降に登場する新ハードウェアに関する情報が出始めている。
マザーボード関係も結構慌ただしそうで、2024年代3四半期以降に予定されているチップセットの情報が中国を中心に出始めているという。
IntelはソケットがLGA1700ソケットからLGA1851ソケットへと変わり、チップセットもIntel 800 Seriesが登場、Arrow Lake-Sと共にローンチされるという。最上位はZ890、続いてB860、H610が予定されているようで、ワークステーション向けとしてW880、ビジネス向けとしてQ870が用意されるようである。DDR5-6400メモリに対応し、48GBメモリモジュールに対応、Wi-Fi 7、5Gbit Ethernetにも対応する予定だという。
一方AMDはというと、Intelの動きに柔軟に対応する構えのようで、一応AMD 700 Seriesチップセットを投入する予定ではある。だが、ソケットは従来同様AM5を採用し、チップセットとしても大きなジャンプアップはあまり考えていないようである。
というのも、今発売しているAMD 600 Seriesチップセットはもともと次世代CPUに対応するだけの十分な機能を持っており、機能面で現行Intelチップセットを上回っている。おそらくWi-Fi 7対応や5Gbit Ethernet対応などを急がなければ現行チップセットでも十二分な性能に対応しているという事で急いでいないのかもしれない。
実際、MSI MPG X670E CARBON WIFIを使う私から考えても、十二分な機能を持ち合わせているので、今はそれら性能を持て余している状況にある。
一部、ストレージのデータ転送が止まるような挙動をするのは気に食わないが、それが何に起因しているものかが分からないので、実際には製品の組合せでこれらの問題が出ないのかもしれない。
Arrow Lake-SとZen5
これら新チップセットと対になっているのが、IntelやAMDから登場する新アーキテクチャである。
IntelはArrow Lake-Sを投入し、AMDはZen5を投入する。
登場する時期は新チップセット群と同じ2024年の第3四半期と言われているので、実に読みやすい発売スケジュールと言えるが、時期的にもう1年もない時期という事になる。
これら新アーキテクチャは、性能的には順当な性能向上となるとは思うが、機能的に大きなジャンプアップは考えにくいと言える。
チップセットにしても、革命的なジャンプアップではないので、価格は据え置きで登場するのではないかと私は予想している。
…というか、ノートPC周りのAI PCというコンセプトの方が、この時期は騒がしいのではないかと思われる。
デスクトップでこの動きが見えてくるのは、まだ先ではないかと思う。
というか、デスクトップの場合はAI専用ユニットであるNPUを使うより、ソフトウェアでどうにか出来てしまうのかもしれないが。
PCI Express 5.0
私がそれよりも気になるのは、PCI Express 5.0対応のSSDなどがもっと入手性の高い、低価格帯に進出してくる事である。
前述した新チップセットは、軒並み複数のPCI Express 5.0のM.2 SSDスロットを搭載してくるが、それに接続するSSDそのものがもっと普及帯に来ない事には、本当の意味での広がりは見えてこない。
私が使用している「MSI MPG X670E CARBON WIFI」も、CPU接続のPCI Express 5.0対応M.2 SSDスロットが2基あるが、現在は共にPCI Express 4.0対応デバイスを接続している。ひょっとしたら、ストレージのデータが止まる時があるのは、このPCI Express 4.0デバイスを接続しているからかもしれない。
ま、それは試してみないと分からないが、もっと入手しやすい価格帯で対応製品が出てきてくれれば、私のシステムも入れ替える事で一世代新しくなる。
底上げの余地がある事を考えれば、AMDが次の新チップセット投入を急いでいないというのもうなずける話である。
2023年もあと僅かというタイミングで、次々と来年の予定が見え始めている。
低迷していたハードウェア事情も、来年は活発に動いていくのかもしれない。