コレ、人によってはMacBook Proがいらないのでは?
順当に性能向上
Appleが3月4日に発表した新型MacBook Airだが、プレスリリースでも「最も最速なIntelベースのMacBook Airより最大13倍高速」と謳っていた。
Intelベースという事はx86アーキテクチャの事だから、AppleのARMペースのMシリーズと比較する事自体がオカシイと思えるレベルで性能が異なるわけで、近々で発売されたM2搭載のMacBook Airと比較してどの程度の性能向上なのかが気になるという人の方が多いのではないかと思う。
Appleがなぜ人々が求めるM2搭載型と比較したデータを提示しないのか、となると、おそらく数字的インパクトが薄いからだろう、と考えられるわけだが、それにしたって大きな数字を見せたいからとIntelベースのコアとの比較を提示してくるというのは、些か消費者に寄り添った発表ではないな、と個人的には思っていた。
ただ、M1ベースのモデルとの比較は最大で60%高速になっている、という事は提示していたので、2020年発表の製品との比較はとりあえずできたわけだが、それにしたって3年程度の期間が開いたデータである。
M1搭載のMacBook Airを所有している人の買い替えを促すつもりで、そのデータを公表したのか? とも思えなくもないが、3年でM1モデルより160%の性能になったという事は、行ってみれば順当に性能向上しているとも言えるワケで、私はこのデータだけ提示しても何ら問題のない戦略ではないかと思える。
ま、それでもAppleがIntelベースの製品との比較データを持ってきたという事は、本格的にIntelコア搭載製品のサポートを辞めたいんだろうな、という思惑が見て取れる。
メーカーとしては、できれば古い機種のサポートは切り上げたいところだろうから、その意図があってこのようなデータを示したのだろうとは思う。
M2と比較してどうなのか?
Appleが提示していないものの、ネットの世界ではM2搭載MacBook Air(2023年15インチモデル)との比較ベンチマークが既に出回っていた。
15インチモデルで、昨年登場した機種であり、M2搭載メモリ16GBのモデルであるようだ。
それと比較されているのが、今回の新型「Mac15,13」と識別子がつけられたモデルで、これが今回発表された15インチモデルのものを示している。
で、その性能比較だが…Geekbench 6.2.2の比較で、シングルコアで2,610⇒3,157、マルチコアで10,120⇒12,020という性能。
シングルコアで約20%、マルチコアで約18%スコアが伸びている結果だった。
しかも…どうもこの数値、MacBook ProのM3搭載モデルとほぼ同じスコアになっているという。
ま、搭載しているコアが同じM3だから、当たり前といえば当たり前だが、MacBook Proで、M3 ProやM3 Maxといったコアを搭載せず、M3コアを搭載したモデルで使用している人であれば、場合によってはMacBook Airとあまり変わらない運用方法になってしまう可能性がある。
もっとも、MacBook ProはUSB Type-Cコネクタ数がMacBook Airよりも多いので、その点で使い勝手は上とは言えるが、単純なコア性能だけで言えば同等の事ができてしまうのが、今回の新型MacBook Airと言える。
性能だけならお買い得
このベンチマーク結果を見るに、性能的な話だけで言えば新型MacBook Airは結構お買い得と言える。
拡張性に関してはUSB Type-Cが2口しかなくHDMIポートやSDカードスロットがないので、そこが弱点ではあるものの、USBハブを使う事に躊躇いが無ければ、補う事はできる。
あとは、液晶パネルの品質に多少違いはあるが…これらを気にする人でなければ、今回のMacBook Airで十分な性能を得られるだろう。
残念だが、現時点でもまだIntelコアやAMDコアではAppleのM3に匹敵する電力効率は得られていないので、ブロ並の動画編集とかでなければ今回の新型MacBook Airは実に魅力的な製品になり得ると思う。
あとは…OSの、というか、使う側のインターフェースの理解や習熟、使い勝手の問題だけだろう。
Macに抵抗がなければ実にパフォーマンスの高い逸品だと思う。
2024年はAIというものがキーワードになる。
Appleも今回の新型MacBook Airの発表時に、AIに関するであろうコメントをプレスリリースに載せている。M3はAI処理のパワーも十分という事なので、買い替え時期が来ている人にはお勧めできる製品ではないかと思う。