MacBook ProのOSをBig Surにしたところ、問題が出た。
動作が重い
先日、13インチMacBook Pro 2020 Intelコア版のOSをBig Surにアップデートした事を記事にしたが、アップデート時にも進捗が見えなくて焦れた事もあれば、その後のアップデート状況は動作も良好という話をした。
しかし、全てに於いて全く問題なし、という状況にはならなかったようだ。
Macにインストールしているメーラーである「Thunderbird」の動作が異様に遅い事に気がついたのである。
Thunderbird以外のアプリケーションでは、セキュリティソフトのESET CYBER Security Proが起動できないという問題がわかっていて、それ以外だとParallels Desktop16含めて問題なく動作している。
ESET CYBER Security Proは、公式サイトで未対応である事が既に判明していたのだが、本日付でリアルタイムファイルシステム保護機能だけが動作するbeta版が提供されている。但し、このbeta版をインストールした後は、おそらく正規版がリリースされても自動でアップデートされない可能性がある為、私は今の所正式版を待つ事にしたのだが、どうしてもESETでセキュリティを保護したいという人は、リアルタイムファイルシステム保護機能に限定されているが、beta版を導入する事をオススメする。
ESET サポート情報
https://eset-support.canon-its.jp/faq/show/17538?site_domain=private
Thunderbirdに関しても、とりあえず調べたところ、公式では日本語での説明が無かったのでわからなかったが、日本語サイトの各所でbeta版の84.0b1をインストールする事で問題無く動作する情報が見つかった。
公式では78.5.0版がBig Sur公開後に発表された最新版だが、このバージョンでは動作の重さを解決するには至っていない。
一日でも早く動作改善させたいのであれば、84.0b1をインストールして対応するしかないが、この場合、正式リリースが出た時に正式版で自動アップデートが効かない可能性があるので、そこはbeta版を扱うという意味で注意が必要である。
Thunderbird 84.0b1
http://ftp.mozilla.org/pub/thunderbird/releases/84.0b1/
まだまだ不安定
macOS Big Surだが、やはりまだまだ不安定の域を出たとは言い難い状況と言える。
私の2020年発売モデルぐらい新しいMacだと、Appleも比較的検証もしっかりしていると考えられるが、古くなればなるほど、Appleの検証は行き届いていない感じがする。
ただ、不具合報告の中に2019年に発売されたモデルが含まれていたりと、必ずしも新しめのMacだから大丈夫という事はないのも事実で、何がトリガーになっているのかが見えていない。
ただ、無事インストールできた人の操作感を確認すると、ほとんどの人がサクサク動作し、今までよりも効率良く作業できる、という話をする。
特に動画編集をしている人は、SSDへのアクセスが高速化している事を感じられるほどだというので、OSとしては良く出来たバージョンだと言えるかも知れない。
なので、後は不具合が出る部分をどう吸収するか、という所が課題なワケだが、Macもここ数年でいろいろなバージョンで複数の機種を発売している事から、構成される部品での製造機種に結構な幅がある。Windowsと比較するとそれらは圧倒的に少ないわけだが、MacはWindowsよりもブラックボックスが多いので、こういう対応には苦労する事は容易に想像出来る。
問題は文鎮化したMac
一番厄介なのは、文鎮化したMacをどうやって復帰させるか、という事である。
Appleからすると、これがもっとも頭の痛い話ではないかと思う。仮に復帰できたとしても、保存されていたデータはまず戻す事などできないだろうが、まずは無反応であるものを何かしらの反応がある状態にする事が先決である。
先日、Appleから公式に対処法が公開された。
古いMacBook Pro(Retina、13インチ、Late 2013もしくは同Mid 2014)に、macOS Big Surをインストールする場合において、インストールできないというエラーが表示されたり、起動直後に画面が黒くなり、円に斜線のアイコンが表示されたりする場合、以下の手順を試して欲しい、との事であった。
1.電源ボタンを最低10秒間長押しして電源を切る
2.USB機器やSDカードといったあらゆる周辺機器を外す
3.SMCをリセットする(Shift+Control+Optionボタンを押しながら電源ボタンを10秒間長押しし、その後普通に起動する)
4.NVRAMをリセットする(電源を入れてからOption+Command+P+Rを20秒間長押ししてからキーを放す
SMCをリセットし、NVRAMをリセットした段階である程度の問題が解決する、という事なのかもしれないが、これでも問題が解決しない場合はサポートに問合せるようにAppleは呼びかけている。
…詳しい人なら、既に問合せしていると思うのだが、おそらくこれだけで解決できる人が多いだろうという想定なのかも知れない。
ThunderbirdとESET CYBER Security Proの問題が解決すると、私の場合はほぼ問題はないと考えられる。
今回のOS更新はこの程度で何とかなったが、今後は今よりも難易度は上がっていくだろう。
CPUの切り替え期にOSが切り替わるというのは、年単位でいろいろなトラブルが発生するというのは過去、PowerPCからIntelコアへ切り替わった時に経験している人も多いと思うので、十分注意されたし。