まぁ、一度くらいはやっておいた方がいいな、と思い、新しく望遠ズームが加わったこのタイミングで比較なるものをやってみた。
望遠ズームはやはり望遠だった
昨日、知人から譲り受けた望遠ズームレンズはM.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6 Rという、Olympus PENシリーズなどでもキットレンズとして扱われているレンズである。
筐体、マウント共に樹脂製であるため、頑丈な印象は薄いが、それ故に軽く、扱いやすいのがウリ。
35mm判換算で80mm~300mmという中望遠から望遠をカバーするレンズで、最短撮影距離が0.9mとあまり近くないのが弱点である。まぁ、望遠レンズで最短撮影距離が短いなんてレンズはほぼ存在しないとは思うが。
で、このレンズ含めて、手持ちのレンズでどんな違いが出るのか? という事を自分なりにテストしてみた。
条件は、同じ被写体、高さ2cm、長さ4.5cmくらいの陶器製の犬をそのレンズの最短撮影距離で撮影する、というタダそれだけ。
本当は被写体の表示サイズをほとんど同じにして写りの違いを模索する方が比較になるのではないかとも思ったが、私が日常で使用する場合、結局ブツ撮りの場合は寄って撮影するため、直接関与するのが最短撮影距離になるだろうと考え、この条件で撮影してみた。撮影する角度が若干異なる比較もあるが、あくまでも最短撮影距離で撮影した後の被写体の大きさ等で判断できれば問題はなかろう。
(画像クリックで原寸大画像表示。以下画像は全て同じ。なおカメラの設定は全てオート撮影)
まずはPanasonic Leica 25mm F1.4での撮影。
スペック上では最短撮影距離は0.3mとなっていて、実際それぐらいの距離を空けないとAFのピントが合わなかった。
35mm判換算で50mmという焦点距離だから、これが限界…というか、十二分な解像度と画角である。
次にM.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6 Rの望遠側、つまり35mm判換算で300mmである。
最短撮影距離が0.9mというだけあって、かなり被写体から離れないとAFのピントが合わなかった。
ただ、流石望遠である。被写体がかなり大きく表示される。写りの良さもLeicaと比較して決定的にダメという感じもしない(もちろん条件で変わるかもしれない)。屋内だと使い道がないかもしれないが、屋外ならかなり有効な使い方ができそうだ。
一方、こちらはM.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6 Rの広角側、つまり35mm判換算で80mmの絵である。最短撮影距離は0.9mぐらいであるため、最大撮影倍率が大きくならない結果がコレである。描写力としては申し分ない感じなので、これはこういうレンズと割り切って使うのが良いと思う。
多分、お子さんがいる人などが運動会で使用する際に最適な一本だと思う。
脅威の最大撮影倍率!
で、やはりコイツとも比べる必要があるだろうと、最後にM.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROで撮影してみた。
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROの望遠側、つまり35mm判換算で80mmの絵である。
見よ、この圧倒的な被写体の大きさ!
同じ80mmという焦点距離でも、最短撮影距離が0.2mという脅威の接写能力である。
最大撮影倍率0.6倍という実力がコレである。もう、文句ナシのトンデモ性能だと思う。
最後にM.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROの広角側、つまり35mm判換算で24mmである。
あまりに接近しなければならなかったため、蛍光灯の影が出来てしまうほどの接写である。
広角故に背景が結構映り込んでいる。これこそ広角らしい絵ではないだろうか。もちろん、この広角側でも最短撮影距離は0.2mなのだが、広い範囲が撮影できるが故に背景が写り、また影が写るのである。
レンズの特性の違いが面白い
こうしてみると、レンズを交換するだけでいろいろな絵が撮れる事がわかる。
人によっては、40-150mmと12-40mmの望遠側の絵が似通っているのだから、2本もいらないのでは? と思う人もいるかもしれないが、それは大きな間違いである。
今回の比較は“接写できる”事が条件であるため、この2本の結果が似通ってきているだけで、もし被写体に接近する事ができない場合は、当然焦点距離が長い40-150mmの望遠側の方が被写体を大きく撮影できる。
だからこそ、条件に合わせてレンズ交換をするのであり、こうしたレンズ交換式のカメラの面白さはこういうところにある。
改めて思うのは、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROの凄まじさであり、これでカバーできない部分を他レンズで補っていく、というのが私のスタイルになりそうだ。
ただ、単焦点レンズの良さももちろんあり、今回使用したPanasonic Leica 25mm F1.4は、その解像感がハンパない事は言う迄も無い。こうなると、人物撮影用として35mm判換算85mmの明るい単焦点レンズが是非とも欲しいところ。もしそれがダメでも45mm(35mm判換算90mm)くらいの単焦点は欲しいところである。
写真を趣味にしてみたい、という人で、レンズ交換はしないから…と高級コンデジを購入する人がいるが、もちろんそういう楽しみ方を否定するつもりはない。しかしレンズ交換によって得られる絵の違いは、実際に撮り比べるとハッキリ分かるし、印象的な一枚を撮りたいと思えば思うほど、レンズ交換式の方が深く楽しむ事ができる。
写真を趣味にしたい、という動機があるのなら、本体はそう高級でなくても良いので、レンズ交換式を是非ともお薦めしたい。ファインダーなんてなくてもこのレンズの違いは出るのだから、ぜひPENシリーズ辺りでその面白さを知って欲しい。
おかしいなぁ…同じキットレンズのズームなのにw
比較するのは酷ですが、やはりLEICA25mmとMZD12-40mmは凄いですね。
それぞれSUMMILUXとPROを冠してるだけはあります。
特に、PROレンズの汎用性、光学性能が頭一つ飛び出してる感じ。
20cmまで寄れて倍率0.6倍もあれば、簡易マクロとして十分使えるし、ズームだからフレーミングやワーキングディスタンスも調整出来るという…
明るさもズームとしては明るいF2.8だし、ズーム通して変わらないのは使い勝手良い。
強いて欠点を挙げるなら、サイズと価格か。
でも、他のマウントと比べるとF2.8通しでこのサイズはかなり小さいし軽い。
価格も性能と比較すると高くはない。
知れば知るほどOLYMPUSがこのレンズに注ぎ込んだ意気込みを感じますね。
私みたいに夜間スナップに使ったりしないならF値も十分だし(私に明るいレンズが必要なのはブラさずに撮る腕が無いからでもあるけど)、隙が無いなぁ…
安物とは言え望遠ズームも加わった事だし、当面は追加の必要無さそうですね。
自分に必要な(好みの)画角は何かを探るのもまた、楽しいものですね。
私は行き着くまでに2~3千枚掛かったけど…(^_^;)
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オリンパスのPROレンズがこの性能となると、やはり次に気になるのは9mm F1.8のPROレンズ。
こいつが歪曲収差をどう押さえ込んでくるかが気になるところ。
広角が欲しい、となれば、イヤでも視野に入ってくるレンズになると思う。
私は基本的にこれでもう望遠は不要かな、と思っているところがあるので、もう一つの狙い所としては35mm判換算で85mmって所かな、と。
どっちのレンズも、買えないくらい高い事が既に分かっているのが何ともツライ(-_-;)
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