現時点で史上最強だが…。
Xbox Scorpio
以前、MicrosoftがXbox Scorpioと呼んでいたXbox Oneの高性能版がE3 2017で発表された。あくまでも高性能版であって次世代機ではない、と言う部分はPS4 Proと同じだが、Xbox One Xは明らかにPS4 Proより上位にくるハードウェアである事は間違いない。
PS4 ProもXbox One Xも基本的にx86系PCと同じハードウェアなワケだが、Xbox One XはAMD系コアを採用しているというのは旧Xbox Oneと同じ。だが、採用しているコアそのものの性能は明らかに進化したものを搭載し、中でもCPUコア内に内蔵されたGPUは、コンピュートユニットを40基搭載し、さらにGDDR5メモリを12GB搭載した事で、ライバルであるPS4 Proよりもより高性能な6T FLOPSに達する映像性能を持つ。
ハードウェア性能で言えば間違いなくPS4 Proを超えるワケで、MicrosoftはE3 2017でもその部分を特に強調している。まぁ、売り込みとしては当然の事だ。
4Kネイティブ対応&HDRが可能なハードウェアであるため、搭載する光学ドライブもUHD Blu-ray対応のドライブで、同規格のBlu-ray映像メディアの再生にも対応する。これらを武器に、市場をPS4に圧倒された状況を覆すべく、今後は展開していくつもりなのだろうが、残念な事に日本国内ではまだいつ発売になるかなどの情報は明らかにされていない。
個人的には、PS4系の市場を覆すのはもう無理だろうと思うが、Microsoftは頑なにPS4系の市場を切り崩す方向でXbox One Xを世界展開しようとしている。
まぁ、独占されている市場より、争っている市場の方が面白いから、Xbox One Xが奮戦してくれる事を実は望んでいたりもするのだが、ハードウェアだけあっても市場をとる事はできない。Sony側はその辺りをよく分かっていて、今回のE3 2017では、PS4のソフトウェアの拡充を重点にアピールしている。
両者の差はハードで勝負するMicrosoftとソフトで勝負するSonyという図式で今回のE3 2017は成り立っている。
巨大な冷却機構
今回のE3 2017では、Xbox One Xの分解した状態のものが展示されている。
それを見ると、Xbox One Xの内部には巨大な冷却機構が内蔵されている事が見て分かる。今回のXbox One Xは、Microsoftによると今までの中で一番小さなXboxでありながら、もっとも強力な性能を持つと伝えている。
それだけの性能を小さな筐体に押し込むとなると、当然熱の処理が問題になる。
この巨大な冷却機構はまさしくその熱対策からきたものだが、内蔵しているヒートシンクは内部に液体が入っており、その相変化に伴う熱移動を活かして効率的な冷却を可能にしているものだという。
それぐらいのものを入れないと処理できないほどの発熱があるハード、という事なのだろう。
その熱問題と引き替えに手にした性能は、まさしくコンシューマ機として最高の性能なわけだが、この性能をもったハードが、世界的にどれだけ販売されるのか、とても気になる所でもある。
とりあえず、MicrosoftのPS4 Pro対抗機が明らかになったことで、PS4陣営は今後ディフェンディングチャンピオンとして市場を守る立場になる。
数多いコンテンツで圧倒する方向を見せているが、それらソフトの発売時期が不明瞭なものも多い。
この両者の戦いの今後が気になるところである。