今日、仕事でさいたまスーパーアリーナに行ってきた。
組立製品から加工までの展示会が行われていたためで、組立製品の展示会がどのように行われているのかを視察するために足を運んだワケである。
なぜ組立製品の視察が必要だったのかというと、ウチの会社が金属加工だけでなく組立製品をやっているからであり、毎回展示会に参加する際に、その組立製品をどうアピールするかというところで問題になるからである。
さいたまスーパーアリーナには初めて行くが、なんともまぁドデカい建物をよくあんなところに作ったなぁというのが印象。
運良く満車だった地下駐車場に空きができたのでそこに車を止め、1Fの展示会場を散策したが、目的である組立製品の展示方法は…期待はずれとしか言いようがなかった。
絵や写真のパネルや、それらを説明する映像などを用意しているところが大多数で、デモンストレーションをしていた所は極わずかだった。
もちろん、このような事を予測していなかったワケではない。
というのは、それらを実際に作っている会社がメーカーでなくOEM生産をしているところがほとんどだからだ。
OEM生産である以上、装置を大々的に展示する事は守秘義務に触れる可能性がある。つまり、組立製品の展示というのは、オリジナル装置にほとんど限定されてしまうのである。
そういう問題があるため、ウチの会社でも展示に困っていたわけであり、その解決策が何かしらあるのか?という事を視察に行ったわけだが、実際、どこもその問題を考慮してまともな展示をしていないというのが現状のようだった。
ま、それが分かっただけでもよかったという事なのかもしれない。
で、この展示会で得られるものがなかったのか?というとそうでもない。
私はこの会場で、世界最小のサイコロ(ダイス)を目撃したのである。
0.5mmのシャーペンの芯と比較してもダイスの方が小さいという脅威!
世界最小の6面ダイス。
それは一辺が0.3mm(300μm)であり、しかもその表面には3ミクロンの溝が100本掘られているというシロモノだった。
電子顕微鏡で見てみると、ちゃんと6面にそれぞれの数だけ穴が開けられており、それがちゃんとしたダイスである事が確認できた。
しかも、それが本当に0.3mmなのかを計るために作ったのかどうかはしらないが、難削材の一つと言われている64チタンに一目盛り10ミクロン幅を刻み込んだ定規まで用意してあり、実際にダイスが0.3mm角である事も電子顕微鏡で確認できた。
さすがにこれは驚いた。
(株)入曽精密会社
http://www.120.co.jp/iriso-s/
他にもこの会社では車やバイクの削り出し製品も作っていたりする。
HPには載っていないが、スズキのバイク“刀”をアルミ削りだしで精密に作り上げたりもしていた(HPにはスカイラインのチョロQが掲載されている)。
実際、ミクロン単位の製品を金属加工で作ってしまう技術が目の前にあるという衝撃は結構大きかった。
ミクロンの世界の金属加工が可能となると、ナノマシンの世界がそう遠い話ではない現実味を帯びてくる。
スゴイ時代になったものである。