日本ではほぼ唯一のPHSサービスを展開しているWILLCOMだが、三菱東京UFJ銀行などの取引金融機関に、1000億円規模の債務返済期限延長を求める方針を固めたらしい。
このことで、来週にも私的整理の一種で第三者機関が仲介する、事業再生ADR(裁判外紛争解決)の手続きに入るようだ。
私は住んでいる地域の問題でPHSサービスにはしていないが、大都市部が自分の生活圏であれば間違いなくPHSにしているだろう。ケータイが恐ろしいまでに普及した世の中だが、PHSの方が先進的だと未だに私は思っている。
そのWILLCOMは、現行のPHSと比較して20倍程度の通信速度を持つ無線通信サービスである“XGP”を開始する電波利用免許を取得、10月からサービスを始めるという所なのだが、現状で多額の有利子負債を抱えており、今後5年間で必要な1400億円規模の設備投資の資金調達を巡り方々の銀行との交渉が難航していたようである。
筆頭株主である米国ファンド、カーライル・グループへの追加出資要請や経営陣の刷新で事態の打開を行ったようだが、結局は調整がつかなかったのかもしれない。
今後見通しのある話を持ちながら、資金難で継続する事が困難になるという、ある意味本末転倒なような感じにも見受けられるが、このような状態になった背景には、一貫した方針がなくなってしまったからではないかと私などは思ってしまったりする。
今回のWILLCOMだけでなく、今の通信事業は結構苦しい状態が続いているのではないかと思う。好調なのは一部の機種とサービスだけであり、それ以外は多分どこも同じような厳しさの中にあるように思う。
そういう意味で、iPhoneを持つソフトバンクは強いように思う。
果たしてWILLCOMの再生は上手くいくのか?
無関係ではあるものの、個人的に気になる所である。
2009/09/19 • no comments