ソフトバンクから開放されるiPhone

　正確に言うとそういう意味とはちょっと異なる。
　既に知っている人も多いと思うが今現在ソフトバンク回線でしか利用できないiPhone＆iPadが、ソフトバンク回線以外でも利用出来るようになる。
　これは何もDocomoやauがiPhone＆iPadを発売するというわけでなく、日本通信がmicroSIMカードの提供を開始する事で、それぞれの回線でiPhone＆iPadが利用出来るようになるというもの。
　日本通信はMVNOに区分される会社で、MVNOとは“携帯電話などの無線通信インフラを他社から借り受けてサービスを提供している事業者”のことを言う。別名“仮想移動体サービス事業者”とも言われる。
　つまり、Docomoやau、ソフトバンクの回線を借り、そこに付帯サービスを付けてそれを商品としている、という事である。
　日本通信と契約すれば、Docomoの回線を利用してiPhone＆iPadが使用できるわけであるから、今までソフトバンク回線だから繋がらない、といった所に住んでいる人でもiPhone＆iPadが3G回線で利用出来るようになるわけである。

　今はまだ国内ではiPhone＆iPadのSIMロックフリー端末は発売されていないが、この日本通信のサービスに伴い、SIMロックフリー版のiPhone＆iPadが国内で提供されるようになる。

　おそらく、これによってiPhone＆iPadの普及は今よりも進む事になるとは思うが、それと同時に問題となるのは3G回線の混線である。トラフィックが著しく増大する事は間違いないだろうし、そこら辺が解決しなければ、イギリスなどのようにiPhone＆iPadに限ってはパケット定額制が無くなる可能性もある。
　ただ、3G回線でどうしてもiPhone＆iPadを使いたいと思っている人は、既にモバイルWi-Fiルータなどをり利用してるだろうし、今回の日本通信のサービス開始で大きな動きがあるとするなら、企業が法人契約でまとめて利用するというスタイルなどが主力になるのではないかと思ったりする。
　ま、実際はどうなのかはわからないが…。
　ただ、個人的には日本通信のようなサービスより、直接DocomoやauがSIMロックフリー版iPhone＆iPadを取り扱って欲しいと思っている。
　今現在のDocomoやauのサービスを受けながらiPhone＆iPadを利用出来るスタイルが最も望ましいわけで、今回の日本通信の手法は亜流でしかないように思えてならない。
　もちろん、SIMロックフリーへの動向としてはそれでも大きな一歩に違いないとは思うが、ガラパゴスケータイと呼ばれる日本独自の携帯電話市場が真の自由化へと向かうためには、さらに一歩踏み込んでいく必要があるだろう。
　とりあえず日本通信が提供する今回のサービスの詳細が決まった段階で、iPhone＆iPadを使いたくても使えなかった人たちの動向が一つ変わると思う。
　今はとりあえず詳細発表を待つしかない。
　気になる人は心して待て。