本日、docomoが2011年冬~2012年春モデルとしてスマートフォン及びフィーチャーフォン(従来のケータイ端末)を24機種発表した。
従来シリーズの再編も行われ、LTE方式の“Xi”(クロッシィ)に対応した初の音声端末や、iモードユーザーの移行に向けた新サービスの提供なども併せて発表される所に、今回の発表会の注目は集まるわけだが、個人的には「ああ…時代に合わせればそうなるよね…無難だね」と思わざるを得ない内容ばかり。
極端な言い方だが、今の状況を考えればdocomoの舵取りは何がどう変化しても対応できるぞ、と幅の広い所を取っているに過ぎない。これは利点でもあり弱点でもある。そういう所でiPhoneに押される原因を自ら作っているという事に、まだ気づかないのか? と思うが、幅広く万人向けに…というのがdocomoのスタンダードスタイルなのだろうから、この辺りは実に無難かつ真っ当なのかもしれない。
そうした流れを表すかのように、シリーズの再編が行われるワケだが、従来の“PRIME”“SMART”“PRO”の3つのシリーズがなくなって、スマートフォンのラインナップとして“with”“NEXTシリーズ”の2つに分類される事となった。
“with”シリーズは、ワンセグやおサイフケータイなど日本市場向けの機能を持っているスマートフォンで、ハイエンドなモデルも含みつつも従来のサービスを取り込んで当たり障りのない機能を持たせた端末。逆に“NEXT”シリーズは、日本市場特有のガラケー機能にこだわる事なく、グローバルな機能等を持つモデルを中心としている。
詳しい内容は、公式のニュースリリースを見て貰えれば分かるだろう。
だが、もっとも私が気にしているのが、今回の発表でdocomoの山田隆持社長がコメントした内容である。
「アンドロイド主軸でやっていくが、その上でラインアップの一つとしてアイフォーンを出すのもやぶさかでない」
(毎日jpの記事より)
このコメント、どこまで信じれば良いのだ?
過去にdocomoはiPhoneに関して「発売する意思なし」とのコメントをした。
その理由はi-modeを切り捨てられないから、というものだったと思っている。
たしかにdocomoはi-mode等の機能で日本のケータイ市場を牽引してきた。そのユーザー数は2011年4月の段階で2,000万人超と、国内では絶対的多数を誇っている。
そのユーザーの全てを牽引するとなれば、確かにi-modeを組み込む余地のないiPhoneは、docomoとしては受け入れがたいハズで、i-mode中心に進める意思が絶対と言われればそれはdocomoの方針として我々ユーザーは受け入れるというものである。
だから私はその方針に合わせた形で、iPhone4をSoftBank回線で新規契約したワケだ。その時はお試し感が強かったため、docomo回線を残したままの新規回線だったが、iPhoneの使い勝手の良さから、2年縛り終了後は乗り換えそのものを検討している。
が、今回の山田隆持社長のコメントは、docomoの方針そのものの転進を意味するが如く発言ではないだろうか?
10月14日から17日のdocomoから他社へのMNP流出が通常の2.5倍あったことで、山田隆持社長は「危機感まではいかないが、営業で対抗しなくてはいけない」という意思の元、iPhoneの販売もやぶさかではない、と発言したようだが、この方針転換とも取れる内容は危機感の現れと言わずして何というのか?
こうしたブレがある事でユーザーが惑う事を意に介していない所が実にdocomoらしいとも言えるが、それ故に私はもうプレまくりである。
docomoからiPhoneが発売されるのならば、来年7月のSoftBank回線への切り替えは一時見合わせしなきゃならない。最終的にどっちにするかは別として、ハッキリした情報の元、決断したいからだ。
しかし今回のコメントにしても、Appleとの交渉があるのかどうかという事については「言えない」としているワケで、どっちなんだ? とユーザー側からすればその煮え切らない意思でまたしても振り回されるワケである。
もし、このブレまくりな意思表現で、ユーザーの流出を抑えようとしているのであるならば、それはもう逆効果だとしか言いようがない。日本で最も広いエリアを確保しているdocomoはユーザーを最も囲いやすいワケだが、それを盾に脅迫しているとしか思えないやり方だ。
もし来年7月までに、ハッキリ決まらない様であれば、私はSoftBankへの移行を辞さないワケだが、料金の問題など考えても今はSoftBank一択かな…と感じている。
docomoから明確な意思表明が出る事を期待しつつ、今はその時期を待つ限りである。