今月17日にはPS VITAが発売される。
一番最初に予約が始まった10月15日はその予約もかなり難しい状況で、競争率の高さを実感したものだが、その後追加生産分が予約開始となった時には、最初の予約が出来なかった人たちも大凡が予約できるようになり、数は潤沢に出てくる事が何となく見えてきていた。
これは生産数が相当に用意できたから…と思っていたのだが、逆に言えば広く一般層にPS VITAが浸透していない事を意味しているワケで、思った程の需要を獲得できていないのでは? という憶測に繋がる話である。
実際、今現在PS VITAはAmazon.co.jpでも予約が出来る状態。
Amazon.co.jp
PlayStation Vita 3G/Wi‐Fiモデル クリスタル・ブラック (初回限定版)
一方、PS VITA専用のメモリーカードはAmazon.co.jpでは4GBモデル以外は完売となっている。つまり、本体ばかり生産を急いだ…という事なのかもしれない。専用品なのだからこちらも相当数必要なハズなのだが…。
今までSonyの新型ゲーム機で、発売直前に予約が出来てしまう機種はなかったと私は記憶しているのだが…PS VITAは初の予約可能ゲーム機となってしまったのではないかと思う。
何故そうなのか?
私が不安に思っているのは、PS VITAは消費者にとって魅力的な製品に見えていないのではないか? という事である。
先日、PS VITAのCMが公開された事を記事にしたが、そのCMの内容からPS VITAの面白さは一切伝わらないものだった。
しかも、それが携帯ゲーム機である事すらよくわからない内容だった事は大きな問題で、おそらくあのCMを見た一般人は「何コレ?」と思う事だろう。いや、まだ「何コレ?」と気づいた人はマシかもしれない。ほとんどの人は「?」と興味を見せる以前に普通にスルーしてしまうのではないかと思う。
ネット上では、このPS VITAのCMに相当な批判が出たようだが、その辺りを考えてか、SCEも12月8日からCMを差し替えるようだが、このようなCMを作る時点で「SCE、大丈夫か?」と思ってしまうのは多分私だけではないだろう。
このような現象が起きているのは、おそらくSCEが考えているPS VITAに対する温度と、一般人の温度があまりにもかけ離れすぎているのかもしれない。
SCEはもっと冷静に考えねばならないかもしれない。
PSPの頃と違い、消費者は多数の選択肢を持つ今の時代、PS VITAを待ち望んでいる事はないという事をSCEはもっと認識した方が良いだろう。
正直、PSPでもいいや、と思う人も多数いるハズである。PSPが初登場する頃は、モバイルデバイスそのものに多くの選択肢はなかった。その中でPSPは群を抜いて高画質で魅力的なデバイスだったが、今の時代スマートフォンの性能はPSPを超え、マルチに使えるデバイスとして絶対的に君臨している。
PS VITAは確かにスマートフォンから見てもゲームに特化している分、ゲームをするには有利なデバイスだが、果たして一般消費者はそのことを知っているだろうか?
現にスマートフォンでゲームが出来てしまっている今、一般消費者から見てしまえば、PS VITAはその中の一つという立場でしかない。
しかし、PS VITA用のゲームソフトは出来は良いものの価格はスマートフォンのゲームから比べて高く、コストメリットを見いだすのが難しい。今の消費者のコスト意識はPSPの頃と大きく違うのである。
こういう状況の背景に、さらに不安を後押ししているのは、PS VITAのローンチタイトル以降のタイトルにある。
正直、キラータイトルが見えてこない。
PS VITAがスマートフォンより性能的有利を維持できる間にどれだけのキラータイトルが出てくるのか?
買う事を決めてしまっている私からしても、この不安はぬぐいきれるものではない。
逆にここにきてニンテンドー3DSは好調な様子が見て取れる。
マリオカート7の販売数は初週452,000本を超え、本体も216,000台販売されるという状態。ちなみにこの本体216,000台という数字は、価格を15,000円に値下げした週よりも多い数字である。
恐るべきはマリオカートの知名度といった所か? これがキラータイトルの威力である事を知らしめる結果と言えよう。
しかもニンテンドー3DSは来週にもモンスターハンター3(トライ)Gが控えている。さらに本体含めて売れる事が目に見えている。
果たしてPS VITAにこのマリオカート7のようなタイトルがあるだろうか?
SCEはもう少しソフトタイトルに注力した方がいいだろう。
私程度がそう思うのだから、事態はもっと深刻だと考えた方がいい。
ハード的優位性がPSPの頃から比べて高いわけではないのだから、このソフトの部分をサボってしまうと、あっという間に陳腐化してしまう。その恐怖を感じるのもそう遠い話ではないのだ。
唯一の救いはPS VITA用ソフト開発の敷居の低さだが、そのメリットをもっと広めて準備を加速させないと、あっという間にコンテンツベースが廃れてしまうかもしれない。
逆にPS VITAが欲しくてまだ予約していない、という人は今がチャンスだ。
まだ買えるのである。
この状況がいつまで続くかはハッキリとはわからない。
ひょっとしたらこの先永続して続くかもしれないし、一気に人気沸騰して入手難になるかも…可能性は低いが…。
何はともあれ、今の状況を私は安易に見ることができずにいる。
多分、私のように思っている人は他にもいるだろう。
それぐらい、今回のPS VITAの展開は“ぬるい”のである。
ローンチタイトルが弱いのが原因の一つなんでしょうね。
ハードの開発が進むのは良いけれど、サードパーティーのソフトの開発が間に合わないと、移植ものが殆んどのローンチになりがち。
でも、最近の3DSのゼルダやマリオカートの様なキラータイトルと呼べるソフトが出ると様子は変わる気がします。
私の場合は本体が欲しかったし、過去のDLタイトルやシリーズ通してプレイしてるディスガイアがあるから問題なかったけれど、他の人は何を買うんだろう?
やはり、真・かまいたちの夜なのか、はたまたピュア(に真っ黒)な紳士のゲームなのか…?
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とりあえずPS VITAの一番人気タイトルはアンチャーテッドのようですが…それがキラータイトルかといえば違うでしょう。
SCEはトロというマスコットがいるわけで、そのトロを使ったソフト展開をあまりしていないのが問題。
結局、なんだかんだと3DSでも未だにマリオとゼルダが絶大な人気を持っているわけで、そうしたお約束なソフト開発は不可欠なのではないかと。
まぁ、だからといって“トロカート”とか“トロの伝説”とか、そういうのはまた違う話なんだろうけど。
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昨日、初めてTVCM見ました。
ホントに何を伝えたいのか分からなかった…orz
キラータイトルが無いってせいもあると思うけど、セールスポイントがもやっとした感じだった。
Apple を意識して、スタイリッシュにしようとして中身の無いCMになったんのかな…?
オールマイティーにしたせいて売りが分からなくなったなら、その高性能さや画像のきれいさ、使い方なんかを宣伝すれば良いのに。
任天堂のCMは低年齢層も視野に入れてるのか、非常に分かりやすい出来。
PS3を買った時程じゃないけど、盛り上がりに欠けますねぇ。
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AppleのCMはスタイリッシュ感はあるけど、それによってわかりにくいどころか、逆にわかりやすい作りになっている。
そもそも比較になってないような気がする。
ネットでつながってみんなで遊べる事を伝えるにしても、まだPSPのCMの方がわかりやすい。
迷走だな、これは…
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