世界最大級のデジタル関連の展示会であるInternational CESが、1月10日~13日(現地時間)、米国ネバダ州ラスベガスで開催される。現地時間なので今夜あたりから開催されるワケだが、その中で富士フイルムがとうとうミラーレスに参入する第一号機を発表する。
それが“FUJIFILM X-Pro1”で、FUJIFILM X100、FUJIFILM X10、FUJIFILM X-S1に続くプレミアムライン「Xシリーズ」の新製品となる。
個人的に気になる機能として、装着レンズにあわせて光学系が自動で変倍する“Hybrid Multi Viewfinder”を搭載しており、倍率は広角時0.37倍、標準時0.6倍の2段階となっている。
そして目玉となる他ミラーレス機との違いだが、なんとセンサーサイズがAPS-Csサイズ相当で撮像素子は有効1,630万画素となる。小型なミラーレス機としてはかなりハイスペックな部類に入ると言える。
レンズマウントは“FUJIFILM X-Pro1”オリジナルのX-Mountとなり、最初に用意されるレンズはXF 18mm F2 R(27mm相当)、XF 35mm F1.4 R(53mm相当)、XF
60mm F2.4 R Macro(90mm相当)の3本となる。いずれもXF FUJINONレンズというブランドネームで発売されるレンズで、高画質をウリにする本体に合わせた新設計レンズである。
スタイリングがレトロっぽい所に魅力を感じる人も多いかもしれない。古き良き時代のカメラを最新のテクノロジーでお手軽な交換レンズ式デジカメとした、という感じだ。
ミラーレス機もデジカメである以上、後発モデルはその性能において他より有利になりがちだが、これがコンパクトデジカメだとそこで終わってしまう。レンズ交換式カメラは、ただひたすら後発であれば良いのではなく、先行したモデルはそのレンズの豊富さを武器にする事ができる。
マイクロフォーサーズ機である、オリンパス系やパナソニック系は互いに使用する事のできるレンズの豊富さが武器だし、またその他のメーカーにしても、従来発売している一眼レフデジカメのレンズを変換マウントで使用できるというメリットもある。
そういう意味では、今回の“FUJIFILM X-Pro1”は、後発で性能も高いが、まだまだこれからの一眼デジカメという事になるだろう。
この“FUJIFILM X-Pro1”の登場で、国内主要メーカーでミラーレス機を投入していないのは、これでキヤノンとカシオぐらいではないかと思う。
カシオが交換レンズ式に進出してくるかどうかはかなり微妙ではあるが、キヤノンがまだ登場してきていないのがちょっと不気味である。
どんな仕様のミラーレス機を投入するのか、今からかなり気になる所だが、キヤノンのミラーレス機は今の時点で少なくともEFマウントのレンズを多数持っているため、変換マウントで幅広いレンズが使える事は間違いない。
だが、他社の様に専用マウントを用意してくるだろう事は予測できる。一体どんな特性のマウントとレンズを用意してくるのか…。
高機能なミラーレス機であればもちろんそれに越した事はないが、カメラも使ってナンボの製品である。自分が持ち運びたいと感じるデザインとスペックを持っていないと、全く意味をなさない。
今の時点で私の場合はNikon1 V1を筆頭に、次点としてオリンパスPEN E-P3、PENTAX Qという順位付けになる。
どれも魅力的なミラーレス機ではあるが、はたしてキヤノンはどの位置に飛び込んでくるのやら…今から楽しみである。