2月1日、IntelはSandy Bridgeのチップセットである“Intel 6”シリーズに設計上の問題があるとしてリコールした。
既に生産は止められていて、対策品が2月下旬ごろから登場する事は発表されているが、需要を満たすのはおそらく4月以降になるのではないかと、関係者は言っている。
問題視されている現象は、SATA2.0ポートであり、時間経過で帯域品質が低下するという問題。つまりSATA3.0ポートは全く問題はないし、SATA以外の部分にも問題はない。
しかしリコールとなると当然交換等のサポートが発生するワケで、1月から人気のあったSandy Bridgeはここで一気に失速する事になる(だろう)。
Sandy Bridgeが発売となった1月初めにアキバでは一種のお祭り状態だったし、各PCベンダーもSandy Bridge搭載PCを既に発売している。ショップブランドPCにもSandy Bridgeは使われているし、これがいざすべて交換となると一体どれだけの被害総額になるのか想像も付かない状態だ。
デスクトップPCはまだマザーボード交換等で何とかできるかもしれないが、問題はノートPCだ。直付けしているケースもあるだろうから、そうなるとCPU含めて基板総取り替えなんて事にもなるだろうし、高性能機だと設計がギリギリでもあるため、バラすのもかなり大変な作業だろう。被害額も気になるが収束するまでにどれだけの時間が必要なのかも気になる所だ。
とりあえず各ベンダーはそれぞれ対応策を発表してきているが、おそらくIntelとの協議がまとまったところから発表しているという所だろう。
実際、アキバの店舗ではCPUであるSandy Bridgeの予約をキャンセルしている人もいるらしく、しばらくは様子を見ようという人がいる事を伺わせる。
となると、ここしばらく好調だった市場の流れが失速する可能性も高い。アキバの各店舗では今回の問題が尾を引かない事を祈っているのではないかと思われる。
しかし、消費者側からすれば対策品が欲しいわけで、潤沢に対策品が出回る時期まで待とうという考えは至極全うだ。
売上げ減でアキバのパーツショップが閉店…なんて事がない事を祈るばかりである。
このSandy Bridge問題で最もチャンスを得たのはAMDだろうと思う。
この時期にBulldozerコアが出てくれればまさに万々歳だったろうが、残念ながらその流れはこない。絶好のチャンスを逃したか? という感じだが、どうもPhenom関係の価格を下げてチャンスを広げる気なのかもしれない。
まぁ、それもやり方の一つといえば一つだが。
何はともあれ、私はしばらくSandy Bridgeに進まない、とした判断は結果的には良かった。
たしかに魅力的な性能を持っているし、価格的にも極端なまでに高価ではないSandy Bridgeだが、相方のチップセットがコレではどうにもならない。Intel 5シリーズとあまり変わらない性能だから、本来ならもっと安定していても不思議ではないのがIntel 6シリーズだが、意外な落とし穴だったと言わざるを得ない。
というワケで、私はビデオカードに突貫する事にする。
やはり旬のGeForce GTX 560 Tiに進むべきか?
それとも安定のRadeon HD 6870か?
まぁ、そんなに迷う事でもないのだが、Sandy Bridgeという選択肢が消えた事でこの二択に絞り込めたのは逆の意味でラッキーという事だろう。