先日、このBlogでも記事にした、コンプリートガチャ(コンプガチャ)について消費者庁が動いた…という情報が誤報だったという話が出たが、結局その後消費者庁が動き、コンプガチャは結局各社で廃止する方向で話が進んでいるようである。
その中でも“アイドルマスターシンデレラガールズ”を展開していたバンダイナムコホールディングス(実際にはその子会社になるが)は、ソーシャルゲーム関連で150億円の売上を持ち、その中でもコンプガチャでは30億~40億という売上を占めていたという。
そういう状況下で、コンプガチャ廃止の方向に向かったワケだが、おそらく単純に150億円から30~40億円が減額、という事にならないように思う。
当たり前だが、ガチャ形式そのものが否定されているわけではないからだ。ただ、中毒性という部分をコンプガチャが多分に持っている事に問題があり、そこを廃止する、という形にしかならないハズだ。ガチャ形式は実に売上に直結しやすいぐらいに購入されるケースが多いからだ。
実際、バンダイナムコホールディングスはこのコンプガチャ廃止の決定によって業績予想の変更はしないとしている。
日本経済新聞
http://j.mp/IKtxnj
ソーシャルゲームの売上がスゴイ事はよく知っているつもりだったが、実際数字で知るとものすごい事がよくわかる。
パッケージゲームで150億円を売り上げるのにどれだけのタイトルにしなければならないかを考えれば、実に恐ろしい話である。
ソーシャルゲームだったら売上が上がる…という単純な問題ではない。ソーシャルゲームであっても当然ながら人気ソフトもあればそうでないソフトもあるわけで、この150億円という金額の大部分を作り上げているタイトルは一握りではないかと考えると、このジャンルも群雄割拠しているワケで、ゲームデザイナー(当然プロデューサーやディレクターも含めて)の力量はパッケージソフトの時以上に問われているように思われる。
その中でもドル箱のコンプガチャが廃止となり、それでも業績修正はしないとなると、どういったサービス強化が行われるのかは気になる所。
前述した通り、ガチャ方式がなくなる事はないだろうが、既存の決まったアイテム販売のアイテムそのものがすべてガチャ方式になってしまったら、今度はそれ自体を問題視する事になるだろう。
となれば、魅力的なアイテムを次々投入し、それらをガチャ方式で販売する…というのが常套手段になるかもしれない。
実際、アイドルマスターに関して言えば、コンシューマ版がDLCでロングセラーを実現している為、ソーシャル系でも似たような展開を持ってくる事は容易に想像できる。ただ、それをガチャ方式にするのか、しないのか? という所がポイント。ガチャ方式なら業績修正しないという強気発言も納得と言えるかもしれない。
結局はビッグタイトルがほとんどの収益を実現している現状は変わらない。
ゲームクリエイター達はこぞってソーシャルゲームの方が売れると思っていた時期もあったかもしれないが、そこは競争世界であって、必ずしもソーシャルだから売れるという図式は当てはまらない。
今回のコンプガチャの影響は、運営サイドには一つの転換点になったかもしれないが、クリエイターサイドでは何も変わらない。
結局は選ばれるタイトルにならないといけない事実は変わらないのである。