iPadの4Gモデルが名称変更となった。
今までiPadは2種類のモデルをそれぞれ“iPad Wi-Fi版”と“iPad 4G(iPad2では3G)+Wi-Fi版”という感じでモデル分けしていたが、今回の新型iPadは4G(LTE)だけでく3Gにも対応していて、4Gという言葉が正確でなくなっていた。
そこで今回、iPad 4G+Wi-Fi版の事を新たに“iPad Wi-Fi+Cellular”という名称に変更すると発表した。要するにWi-Fi回線とケータイ回線を通信回線として使用できる、という事を明確化させた、という事である。
今回の名称変更で世界的に理解しやすい名称にした、とAppleは思っているのかも知れない。しかし、実際私としてはあまり変わりないなとしか思えていない。
もっと根本的な部分の名称変更が必要だと思うのである。というのは、その“iPad”という名称である。
iPad2までは世代数が名称に書かれていたわけだが、今回の新型iPadは、The iPadという事をより強調したかったのか、iPad、という名称に留まっている。
つまり、何世代目のiPadなのか? という事が商品名から分からないのである。
iPhoneに関して言えば、現時点でもiPhone4Sという、名前だけで世代が判別出来るワケだが、iPadは今の時点では初代なのか新型なのかが分からない。唯一判別が付くのはiPad2のみである。
Appleサイドからすると、このスタイルのタブレット端末の覇者たらんとしてiPadという名前を固有商品名からジャンル名にしたいという思惑があるのだろうが、消費者からすればわかりにくい事この上ない。
4Gとか3Gとか言う以前に、商品名に誤解を受けそうな部分を持っているという事を、Appleはもっと自覚してほしい所である。
このiPadという、ただそれだけの名称で購入する場合、今の段階ではAppleストア等で購入する場合には混乱は起きない。というのは、現時点でAppleストアで購入する事のできる個体は新型iPadか、16GB版のiPad2に限られる為だ。
しかし、これが次の世代になった時、つまり16GB版iPad2が商品から消え、次の新型iPadと既存iPadが混在した時にどうなるか?
恐らく混乱を来す事は間違いない。というか、それはAppleにも予測できる事であり、次の新製品が出る時は旧製品の販売を一切しないつもりかもしれない。
Appleストアならそれでもいいかもしれないが、例えばオークションなどでは現時点でもiPadという名前で混乱するケースが多い。
今は初代iPad、iPad2、iPad(もしくは新型iPad)などと区別されているが、次の世代が出てきた段階でオークションサイトでは更なる混乱が訪れる事は間違いない。
こうした新型iPadの名称に対し、欧米ではiPad3という名称が固定されてきているらしい。
やはりわかりにくい、という意味でiPad3という名称が使われているようだ。
実際、オークションサイトでもiPad3という名前で商品登録している人もかなりいる。わかりやすさで言えばコチラの方が確実だ。
そう考えると、Appleの今回の名称変更は明らかに見当違いの名称変更ではないかと思えてくる。
意味のない名称変更を行って、本当に消費者が望んでいる名称変更をしない。
Appleはその辺りをどう考えているのだろうか?
ま、何とも思っていないかもしれないが…。