先日GoogleからNexus 7というタブレット端末が発売された。
私も知人が購入し、タブレットの良さを実感している頃だと思うが、私は既にAppleの第3世代iPad(以下iPad3と記載)を所有しているわけだが、Nexus 7とは大きさも全く異なるものであるため、個人的にもNexus 7は気になる存在である。
そんな、私がちょっとNexus 7を考えてみた。
Nexus 7は7型のIPSパネルを採用した、手帳サイズのタブレット端末であり、おそらく今世間でもっともトレンド的なサイズの端末である。
iPad3は9.7インチパネルであるため、大きさ的にはタブレットとして見やすいが携帯するのにはノートPCを持つような感覚でいないと運用が難しい。というのも、私は先日iPad3を持ち運ぶ為のカバンを買ったぐらいである。ビジネスバッグだとカバンが大きすぎるし、だからといってスマートフォンのようにポケットに入るモノでもない。それがiPad3の立ち位置である。
しかし7インチサイズだと、大きめのポケットには入ってしまうし、仮にポケットは無理でも手帳を持ち運ぶ間隔で運用が出来てしまう。
このサイズの違いが最も大きいと言える。
性能的な事は特に問題にはならないと考えている。
iPad3のApple A5XコアとNexus 7のNVIDIA Tegra
3では、そもそもデュアルコアとクァッドコアという違いがあるし、NVIDIA Tegra
3には負荷がかからない時に使用する簡易コアである“コンパニオンプロセッサ”が搭載されている為、省電力性も大きく違うだろうが、そもそもiPad3で
も処理が遅いと思った事がないため、現時点で性能的な差というものはないのではないかと考えられる。
iPad3は、GPUに関してはクァッドコア化しており、その描画能力はNexus 7を超えていると私は思っている。何しろ表示できる解像度に違いがありすぎるにも関わらず、ストレスなく表示できているiPad3なのだから、そのグラフィックス能力は疑う余地がない。
ただ、CPU処理に関してはデュアルコアとクァッドコアの違いが出るだろうと思うが、マルチコアを使い切るのはプログラム的に難しい所がある為、現時点のモバイルOSでは案外差が出にくいのかもしれない。
中身としてアプリケーションでいうなら、現時点で私の判断はiOSの完全勝利…と言いたい所なのだが、iOS6でそれが言えなくなってしまった。
一番問題なのは、Googleのお家芸であるマップである。Googleはこのマップに蓄えられている情報量で圧倒的優位に立っている。Appleは今回何をトチ狂ったか独自マップを搭載し、マップの使いやすさを反転させてしまった。
なので、マップアプリケーションではNexus 7はiPad3より使い勝手は良いと言えるが、その他のOSとしての使いやすさや展開しているアプリケーションではiOSが優位と考える。
まぁ、これはスマートフォンでもAndroidを使っている人であればNexus 7が使いやすいという事になるだろうし、たまたま私がiPhoneの経験者であったが故にiPad3の方が使いやすいと言っているに過ぎない。
つまり、タブレット端末の前準備としてスマートフォンを利用しているならば、その同じプラットフォームでタブレットを使用するのが一番使いやすい、と言える。
ただ、そうした中でクラウドサービスの使い勝手で言うならば、これはGoogleが圧倒的に強いと私は思っている。
というのは、iPhoneやiPadを使っていて、スケジュールとして連動しているのは実はGoogleカレンダーであり、使っているメールはGmail
だし、しかも今地図が使えなくなってしまったので利用するのがGoogleマップだったりするし…と、そのほとんどがGoogleのサービスに依存してい
る事がよく分かる。
また、iPadアプリの中でもGoogle Driveと連動するアプリも多く、私がビジネス用途で使用している“Good Reader”もGoogle Drive上のファイルでPCとiPad3のデータを同期している。
もちろんAppleも独自の方向性にレールを引いているとは思うが、Googleはこのあたりに一日の長とでもいうべきか、先行していると思う。
デバイスとして先行したAppleと、サービスで先行したGoogleの両雄が目指すモノは実は非常に似通っているのかもしれないが、そのアプローチが真逆である関係で、Googleが内部からiPadを浸食している状態になっている。
そういう状況で考えると、Googleの直接的な支援が入るNexus 7は、これから先が楽しみな端末ではないかと思っている。
あとはAppleがこの切り崩しにどれだけのサービスの投入をしてくるのか…それが気になる所である。