DELLから2,560×1,080ドット表示対応29型液晶ディスプレイ“U2913WM”が発売された。価格は39,980円。
この価格が高いか安いかは人によって感じ方が違うだろうが、いわゆるWUXGA解像度を上回る、ウルトラワイドな解像度を持つディスプレイが、4万円という価格を切って登場する事の意味はそれなりに大きいと思っている。
液晶パネルスペックは非光沢のAH IPSを採用し、sRGBカバー率99%以上の色域を持っている。最大表示色数は1,670万色、応答速度が8ms(中間色)、輝度が300cd/平方m、コントラスト比は1,000:1(最大200万:1)、視野角が上下/左右とも178度と、解像度以外で言えば特に真新しいものはない。故にこの製品の最大のポイントはこの解像度にあり、そこに魅力を感じなければこの製品の優位性はあまりないと言える。
ただ21:9という劇場スクリーンに近いアスペクト比を持っている為、映像作品を見る分には見応えのあるディスプレイかもしれない。それにこの横方向の広さを使った場合、作業性として、人によっては大きな恩恵があるかもしれない。
お隣の韓国では他メーカーでも発表があったが国内販売はこの製品が最初となる。
ちなみにこれが韓国LGが発表した、同じく2,560×1,080ドット表示対応29型液晶ディスプレイ“UltraWide Monitor EA93”で、コチラはDELL製品よりも上位製品となると思われる。というのも、色域はsRGBを100%カバーし、機能面で4画面分割表示、ハードウェアキャリブレーション機能を搭載する為である。ちなみに価格はまだ不明。
これらウルトラワイドモニターは、言うまでもなくフルHDモニターを2画面で使用している環境を、シングルモニターで賄う事を一つの目的としている。
横方向は1,920ドットの1.334倍だが、縦方向は従来のフルHDと同じ1,080ドットであるため、純粋に横方向へ作業範囲を広げる使い方になる。こうして数字にしてみると、思っているよりも横方向に大きいわけではない事がわかる。
そう考えると、この解像度のモニターよりも、2,560×1,600ドットとか2,560×1,440ドットといったモニターを利用する方がまだ使い勝手が良いように思えてくる。
どちらにしても、今主流のWUXGAやフルHDの解像度に満足できない人たちのアイテムである事に違いはなく、その人達の次のステップへの一つの選択肢になるアイテムである。
スペックと価格が見合っていると思う人は、さらなるステージに進んでみてはいかがだろうか?