今年も懲りずにこの時期がやってきた。毎年、知名度を上げようとあらゆる企業が一発ネタを仕込んでくる。
この流れ、やはり今後も続くのか?
窓の社は原点回帰
私が、このエイプリルフールネタを一番最初に見て知ったのは、impressグループの窓の杜で展開していた「イソプレス 窓の社」である。
窓の杜という、フリーソフト情報サイトをベースに、あり得ないIT系情報をネタとして展開していたサイトで、年々そのネタの収拾が付かない方向に流れていた。
今年は原点回帰したようで、実におとなしく収まっている。
が、やはりというか、当然というか、4月9日にサポートが終了するXP問題をそのネタとして持ってきているあたりは、実に抜かりのない展開とも言える。
XPの代表的壁紙である「草原」が焼け野原になる…たしかに終了だわ、コレw
というか、XPの画面全体が燃え崩れる…なんて効果をWindows Updateに入れてしまえば、OSの乗り換えもスムーズにできるというものだが…。流石に公式でそれはできないかw
どっちにしても、XP問題は世界中のネット問題とも直結する話だから、どこかで攻勢に出るような動きを見せてもいいように思う。
もちろん、WindowsXPという商品の顧客に対しての行動だから、あからさまにやらかすと大問題になるのは当然だが、そもそもインターネットは公共のもの(実はホントは公共のものでなく、アメリカ軍部のもの)なのだから、その上で問題を起こすような環境で使用し続けるのは他者への迷惑行為に等しいという認識を、ユーザー側はもっと知るべきではないかと思う。
…ま、私も人に言えた義理ではないので、あまり大きな声では言えないのだが。
話は戻るが、窓の社はもっと他のエイプリルフールネタとリンクしても良いと思う。
今回はフェンリルのSleipnir for MS-DOSとリンクされていたが、Googleのスマートフォンマジックハンドとリンクしてもいいだろうし、セガのMEGAne DRIVEとリンクしても良かったように思う。
今はネットワークで繋がるのが当たり前の時代だから、こういったネタも単体で展開するのではなく、いろいろとリンクさせる方が効果的だと思う。
…ま、impress側も商売でこんな事ができるワケもなく、そこに人員は割けないとは思うが。
この発想はなかった!
今回のネタで私が今の所一番スゲェ…と思ったのは講談社のネタ。
ウェアラブルすぎる電子書籍端末「Kebo」が面白すぎて、バカさ爆発な感じである。
「Kebo」は腕時計型の端末で、腕の体毛を静電気により励起させることでマンガや電子書籍を描画するというデバイスで、その初回特典として「KeUpX5」が付いてくる。
これを使えば毛が生えて解毛度も飛躍的アップ間違いなしというから笑える。
何だよ、解毛度ってwww
それと、これも斜め上に行きすぎてて見たくなかったなぁ…というのが「筋これ」…。
もちろん元ネタは「艦隊これくしょん」の「艦これ」なワケだが、筋肉系男子を筋息子、つまり「すじむす」と読ませるあたりは強引すぎて、どーなのよ? と思う。
そして、この「艦これ」をベースにしたエイプリルフールネタサイトは他にもある。
今の話題だから仕方が無いといえば仕方が無いが、独自性を狙うなら流行モノにだけ乗るというのは逆に目立たないかもしれない。
繰り返される冗談と狂宴
おそらく、今後のエイプリルフールはずっとこんな感じで続いていくのではないかと思う。
そして一つ言える事は、儲かっている会社とそうでない会社で、この取組の規模が変わると言う事。
もちろん、予算をかけた大がかりなものだけが面白いとは言わない。こういうのはセンスが光る方が良いわけで、その善し悪しを問うつもりはない。
ただ、儲かっている会社ほど宣伝として活用しようと予算を投じてくる事は間違いないだろう。話題をとれればその時点で宣伝としては成功なのだから。
こういう宣伝の仕方は実にCMっぽい。ともすれば、CMコンサルティングを生業とする人達も、このエイプリールフールの攻略をコンサルのプログラムの中に組み込んでくる、なんて事もあるかもしれない。
他国ではどうかわからないが、少なくとも日本では、ネットによる単一の話題が波及効果で広がっていく事は今までにも多数あったわけで、こうした冗談と狂宴から生まれた話題がトレンドになる事はあり得る話なのだから。
とりあえず、私が取り上げたサイトなどは氷山の一角にもなっていない。
サイト上にはまとめサイトもあるので、エイプリルフールというたった一日の為に練りに練ったネタを公開しているサイトは山のようにあるので、いろいろ見て楽しむのが良いだろう。
中には感心してしまうようなネタもあるかもしれないし、冗談のようなアイテムをでっち上げているサイトもあるが…そういうでっち上げアイテムが本当に形になるなんて事もあるかもしれない。
そういう夢のある目で残り少ない4月バカの時間を過ごすのも良いだろう。