オリンパスが以前に発表していた交換レンズを使用した新しいカメラのカタチ。
オープンプラットフォームで…
SonyのQX1はある意味衝撃的なカメラのカタチをもたらした。
どうみてもカメラのカタチではなく、レンズ本体そのままのスタイルでカメラを成立させてしまっていた。
このカタチ、私的にはアリなカタチだと思ったが、古くからのカメラファンからすると、これはもうカメラというものではなく、新しい何かでしかない、といった印象を持った人もいたかもしれない。
私が、このカタチはアリだと思ったのは、ミラーレスの本来のカタチはこうなるだろう、と思っていたからである。ミラーレスとなったカメラは、もはやペンタプリズムは不要だし、場合によってはメカニカルシャッターすら不要で、必要なのは撮像センサーとデータを記録する部分だけではないかと思うのである。
その撮像センサーにしても、超高感度センサーにしてしまえば、当然フラッシュだって不要。必要なのはオートフォーカスのメカニズムとセンサーのデータを記録する部分、そしてそれをストレージに記録する部分ではないかと思う。
それほどまでに電子的にシェイプできてしまうのが、ミラーレスであり、それを行き着く所まで追い込んでいくと、ソニーのQX1みたいなカタチになるのだろうと思ったのである。
この私の考えはあながち間違っていなかったのだろう。オリンパスも同じような発想の下、新製品を投入する意思を前回のフォトキナで披露した。
そしてそのプロトタイプが公開となった。
どうもスマートフォンと連動するタイプのようで、ソニーのQX1と同じようなスタイルになりそうである。
これでm4/3で空撮も可能に
一応、今回公開となったものはプロトタイプのようで、公式サイトでも「PROTOTYPE」と記載されている。
その仕様は、以下。
- レンズマウント:マイクロフォーサーズ
- センサー:4/3LiveMOS
- 画素数:有効1600万画素
- ワイヤレス接続:Wi-Fi
Wi-FiでiOS、Androidと接続 - 静止画、静止画の連写、動画の撮影が可能
- 光学/デジタルズーム、各種撮影パラメータの設定可
- RAWまたはJPEG形式で静止画を保存可
- マイクロフォーサーズレンズが交換可能
コントロールはiOSもしくはAndroid上から可能であり、完全に無線での操作ができるようだ。
となると、ラジコンヘリに搭載して空撮するのもそんなに難しい話ではないようだ。
しかもそのコントロールでは光学/デジタルズームなども可能だというから、MZD 12-40mm F2.8 PROレンズなんかを接続したら、広角から中望遠、しかも近接撮影も可能とかなり幅広い撮影ができそうである。
…ま、落としたらシャレにならん話になるが(爆)
問題は手ぶれ補正か?
このOpen Platform Camera Project(OPC Project)における、今回の試作品で唯一気になるのが、手ぶれ補正である。
固定された状況で撮影するならそもそも手ぶれ補正は不要だが、空撮の為にラジコンヘリなどに搭載する場合は、やはり手ぶれ補正は欲しい所。
レンズ内手ぶれ補正のあるPanasonic製レンズを使えるようにするのか、それともこのOPCの本体に手ぶれ補正を入れてしまうかしないと、その機能が使えない。
オリンパスにはレンズ内に手ぶれ補正機能をもったレンズがない(ハズ)。だから、もしこのOPCに手ぶれ補正を用意するとなると本体に組み込むしかないワケだが、それだと本体の大きさが大きくなりすぎて、おそらく意図しているであろう大きさに本体が収まらなくなる可能性がある。この辺り、実に悩ましい話である。
まぁ、まだこのプロジェクトは始まったばかり。
3DプリンタでこのPROTOTYPEの接合部分を作る事ができるようで、組み込む為のアイディアは無限大と言える。
こういう広まり方から、プロが想像していなかった使い方が提案できれば、デジカメの新しい使い方が見えてくるかも知れない。
実に面白い試みであり、期待したい部分である。