フォステクスから自作スピーカーキット、登場。
これでハイレゾ対応
フォステクスから、「KANSPI-HiRes かんすぴハイレゾセット」が6月下旬より発売される。価格は27,000円。
これは、同社が以前発売していた、スピーカー自作キット「かんすぴ P802-S」に、ハイレゾ対応のUSB DAC「PC200USB-HR」をセットにしたもので、それぞれ単体で購入するよりは多少安く設定されている。
スピーカー部分は、専用設計の木製エンクロージャを採用し、8cm径のコーン形ウーファと、20mm径ソフトドームツイータを搭載。全体での再生周波数帯域は150Hz~40kHzとなっている。最大入力は24Wで、インピーダンスは8Ω。ツィータの振動板はUFLCソフトドームで、ウーファのコーン紙には適度な剛性と内部損失を持つ木材パルプを採用している。外形寸法は100×120×195mm(幅×奥行き×高さ)、重量は1台1.1kgとなっている。これが自作キットとしてバラで部品が梱包されている、というものである。
DAC部分は、96kHz/24bitのハイレゾ対応DACと15W×2ch(8Ω)のパワーアンプを搭載している。DACといいながら、その実アンプでもある。USBでWindowsもしくはMacと接続し、標準ドライバで動作するよう設計されている。対応スピーカーインピーダンスは4Ω~8Ωで、当然だが今回のキットに入っているスピーカーは対応可能。他にも15mW×2ch(32Ω)のステレオミニのヘッドフォン出力も備えている。ボリューム部は、大型のアルミ削り出しノブを採用しているため、見た目は結構質感がシッカリしている。外形寸法は95×86×52mm(幅×奥行×高さ)、重量は約363g。
パッシブスピーカーのみ
この「KANSPI-HiRes かんすぴハイレゾセット」を購入すれば基本的に音を出すという事に関してはすべて完結できるのだが、キットに含まれているDACは、実は単体でも発売されている。
USB DAC「PC200USB-HR」として17,800円で発売されているのだが、コイツはパワーアンプを内蔵しているため、その出力としてはステレオミニのヘッドフォン出力以外ではパッシブスピーカーを接続できるのみになっている。なのでもし単体でUSB DAC「PC200USB-HR」を購入する、という人はその点に気をつけた方が良い。
もともとヘッドフォンしか使わない、なんて人もこのUSB DAC「PC200USB-HR」ではちょっと手に余る製品になってしまうかもしれない。
そんな時は、別でアンプを省略したハイレゾ対応のDAC搭載USBボリュームコントローラ「PC100d-HR」という製品が既に発売されているので、そちらを選ぶという選択肢もある。
もっと手軽にハイレゾ
アンプを省略したハイレゾ対応のDAC搭載USBボリュームコントローラ「PC100d-HR」は、価格が9,800円と、前述のキット等と比べても随分と安い製品になる。コイツは192kHz/24bitまでの入力に対応したモデルで、前述のUSB DAC「PC200USB-HR」から比べると再生可能な周波数帯が低いのがデメリットだが、アクティブスピーカーなどにアナログ音声(RCA)経由で出力できるという特徴がある。光デジタルの入力端子を持っているため、USB DACとしての機能は持ち合わせていないが、手持ちPCのSOUND出力には最近ではS/PDIF OUTは標準で付いているため、そこから出力してやれば何ら問題ないはずだ。
もちろんステレオミニのヘッドフォン出力も持っているし、単純に音を出すだけならば問題はないのだが、注意すべきはUSB DACではないため、接続するOS側の設定でS/PDIF OUTの出力設定を192kHz/24bitにしてやる必要がある。まぁ、注意すべきポイントといってもそれだけで、それさえできていれば、S/PDIF OUTにハイレゾ音声が出力され、PC100d-HRからハイレゾの音が出てくるようになる。
ボリュームノブは、アルミでなくステンレスの削り出しではあるが、ステンレスの方が質量が大きいので、回した感じの重厚感は大きいと言える。
現在手持ちの機器によって使い分ける事になるかもしれないし、予算によって製品が変わるかも知れないが、シリーズ通して比較的安価にハイレゾを再現できるというのがこの製品群の面白い所である。
他メーカーにも格安でハイレゾ、と謳っている製品はあるが、フォステクスは音響機器メーカーとしては知名度もあるメーカーだけに、品質面では多少信頼できると思う。
価格安めで攻めたい、という人にはオススメの製品である。