ホントはDTM機器ではないのだが…。
新感覚の管楽器
9月に入ったらこのネタを書こうとずっと思っていたのだが、ちょっと失念していたので、今日書く事にした。
YAMAHAから8月30日に、新感覚の管楽器が発売された。
その名は「Venova(ヴェノーヴァ)」といい、リコーダー感覚で吹くことができるサックスのような音色の楽器である。
実際、サックスを吹こうと挑戦したものの、諦めてしまった人というのは意外と多いらしい。というのは、吹くためにはそれなりの技術が必要で、当然だが相当な練習を必要とする為、そこで挫折する、というのである。
だが、それがもしリコーダー感覚だったらどうだろうか?
少なくともリコーダーは多くの人が小中学の音楽の時間に習ってきているので、取っ付き易いのは間違いない。
そこで生み出されたのがVenovaである。
リコーダーのような運指で音を出すことができるので、演奏そのものは比較的楽にできる。ただ、ソプラノサックスと同様のマウスピースに付けたリードを震わせて発音する仕組みであるため、吹くという事の満足感はサックスと同様。この部分で苦労する人もいるだろうが、それは練習して何とか体得する必要があるが、それが満足感へと繋がる為、Venovaではあえてこの仕組みを残しているらしい。
大きさも非常に小さくコンパクトだが、演奏の為の運指がリコーダーレベルなので、意外と簡単に演奏できてしまうのがこの新感覚楽器の最大の特徴である。
もしこれが…
音を聞けばわかるが、確かにリコーダーのような操作なのにサックスの音色が響いてくるというのは驚きである。
2オクターブの音域を出すことができるという事だから、この部分においてもホンモノのサックスに引けを取るような製品ではない。本体はABS樹脂で出来ていて、水洗いもOKという手軽さを持ち、長さは460mm、重量は180gと驚く程軽量なのも特徴。サックスのような「如何にも楽器です」というような大がかりな輸送手段を必要としないのも手軽なところである。
また価格も10,000円をちょっと超える程度。サックスとの差額は…言う迄も無い(現在Amazon.co.jpの価格は世間で品切れしている為高騰している)。
楽器としては実に普及しやすい特徴を持っているVenovaだが、私としてはもう一つ…いや、二つ付加価値が欲しかった。
この欲しい付加価値の二つというのは連動しているものなのだが、一つはサイレントモードが欲しいというもの。つまり、音が出ないモード、もしくは極端に小さくなるモードが欲しいという事。そしてもう一つがMIDIインターフェースとして利用できるという機能である。
そう、サイレントモードにしてMIDIインターフェースとして利用できれば、結構DTM機器としても利用価値があるように思えるのである。
どの家にも収録スタジオがあるとは限らないからこそ、サイレントモードが必要であり、これがMIDIインターフェースとしての機能を持っていれば、実に面白い電子楽器になると思う。
コイツの後継機にでも、この二つの機能を実装してくれないだろうか?
…まぁ、構造上の問題でサイレントモードは難しいかもしれないが、音楽をもっと身近にするという意味では、これらの機能はぜひとも欲しい機能ではなかろうか?
手軽に購入できる価格でもあるので、興味のある人はぜひ一度楽器店に足を運び、手に取ってみては如何だろう?