Intel入ってるiMacの2020年版が登場。
第10世代Core搭載
Appleが4日(現地時間)、CPUとGPUを最新世代に刷新した27インチiMacを発表、発売した。
今回発表したのは27インチモデルのみで、21.5インチモデルは変更されていない。
発表された27インチiMacは、第10世代Coreプロセッサとなり、6コアと8コアに加えて10コアが選択肢に追加されている。この10コアのCore i9は、ブーストクロック時には5.0GHzで駆動し、2019年モデルのiMacと比較してクリエイティブ系アプリケーションで25~65%高速化する、としている。
メモリも従来より2倍搭載可能となり、最大128GBを選択する事ができるようになった。
搭載するGPUは、RDNAアーキテクチャのRadeon Pro 5000シリーズを搭載し、最上位のGPUでは16GBのビデオメモリを搭載したものを選択可能となった。
他にも、全モデルがSSDを標準搭載とし、最大3.4GB/sの転送速度を実現、容量も最大で8TBを搭載可能となった。また、MacBook ProではおなじみのApple T2セキュリティチップを搭載している。
組み合わされるディスプレイは、従来と同じ5,120×2,880ドット表示のRetina 5Kだが、ディスプレイ表面の処理として、Pro Display XDRでも採用されているNano-textureガラスをオプションで選択可能になった。これにより、低反射率による映り込みの減少と鮮明な画質、コントラストを実現できるとしている。
他にインターフェースとしてThunderbolt3×2、USB×4、ギガビットEthernet、SDXCカードスロット、1080p対応インカメラ、Wi-Fi5対応無線LAN、Bluetooth5.0、音声入出力を備える。
ギガビットEthernetは、オプションで10Gbit Ethernetに変更する事もできる。
残念なのは無線LANがWi-Fi6対応でない事ぐらいで、他は前年モデルと比較して順当に性能向上モデルになったと言える。
このタイミングでIntelコア
iMacが近日に登場するかもしれない…そんな噂はいろいろあったが、この発売時期は実に微妙だと言える。
WWDC 2020でApple SiliconへMacのCPUが今後移行していく事を発表したが、その後の噂では今年の10月にはそのApple Silicon搭載Macの情報が出てくるという噂もある。
その2ヶ月前の今のタイミングで、Intelコア搭載のiMacを発表する、という事が、結果的にApple Siliconへの不安を呼び起こす事になりかねないわけで、Apple側の意図がまるで見えてこない。
Apple Siliconの出来が良ければ、今、Intelコア搭載のiMacを発売するよりは、Apple Silicon搭載iMacを発売する方がユーザーフレンドリーな感じがするが、このタイミングで27インチiMacを発売したという事は、重作業ではIntelコアの方が向いている結果が出た、と考えると、今回21.5インチiMacが発売されなかった事もうなずけてしまう。
もちろんこれは私の予想でしかないが、何となくx86コアの方が、重作業に有利なのではないか? という気がしてくる。元々、パフォーマンスはx86系の方が高く、ただ省電力性はARMに比べて弱いというのが通説なので、その結果がそのまま反映していると考えると、今回の流れにも納得というものである。
IntelコアiMacは購入すべきか?
正直、今このタイミングのIntelコア搭載iMacは購入すべきモデルか? と聞かれたら、ほとんどの人は迷うような気がする。何故なら、Apple Siliconの実態が見えてこないからだ。
私も、結局はIntelコア搭載のMacBook Proを購入したが、その理由は仮想OSとしてのWindowsを起動させる可能性を欲したからだ。Intelコアなら、Windowsは普通に動作させられるが、ARMベースのApple Siliconではx86コードを走らせるのが難しい事から、仮想Windowsを動作させられるかわからない。
なので、今回の27インチiMac 2020も、Windowsを動作させる必要があるなら、買う価値はある。まして、搭載するGPUはRadeon Pro 5700XT、しかもビデオメモリ16GBという構成を選べるので、Windows上でもかなりの性能を発揮する事ができると思われる。Parallelsという仮想OSを走らせるソフトでなくても、BootCampでも良い。それなら、普通にWindowsを動作させている事と同じになる。
ただ、純然たるMacだけの事で考えると、前述した重作業での活躍を期待する事になる。Apple Siliconの処理能力がもしIntelコアを超えるようなら…選択ミスとなる可能性も出てくる。
ただ、PCの性能というのは、年々高性能化していくので、これを気にしすぎてしまうと買い時がなくなってしまう。
今回の27インチiMacを購入するかどうかは、Intelコアの特性を活かしやすいWindowsとの親和性を最優先に考えるかどうかで選ぶ方が無難だと思う。
ふと不思議に思ったのは、どうしてAppleはRyzenを搭載したモデルを検討しなかったのだろうか? という事である。
実際には検討していたのかもしれないが、最終的にApple Siliconを選んだわけで、Ryzen搭載Macは実現しなかった。今後登場するか? となると、おそらく登場する事はない。
Renoirコアを搭載したMacBookとか、Ryzen9 3950Xを搭載した16コアiMacとか…そういう選択肢もあったのではないかと思うのだが…不思議なものである。