Web会議アカウント1つに対して複数の映像を扱いたい時の解決策に便利。
最大4系統の入力対応
サンワサプライから、最大4系統の映像入力に対応したUSB接続のHDMIキャプチャユニット「400-MEDI038」がサンワサプライの直販限定で発売された。価格はオープン価格だが、直販サイトで29,800円(税込)となっている。直販限定なのだから、オープン価格というのも変な話と思うのだが…。
サンワダイレクト 楽天市場店
https://item.rakuten.co.jp/sanwadirect/400-medi038/
複数台のビデオカメラやHDMIで接続できる機器を使ってWeb会議などをする際、従来なら台数分のアカウントで仮想会議室に入室して接続する必要があるが、この「400-MEDI038」は最大4台のHDMIソースを1つに纏め、複数の画面分割モードをPC上で実現し、1つのアカウントで複数台のソースを表示できるようになる。
具体的には、本装置に接続した4つのHDMIソースを、4分割モード、マルチ画面モード、ピクチャー in ピクチャーモード等に本機を使って合成し、複数映像を1画面として構成、PC映像としてキャプチャする事で、1つのアカウントで複数映像を実現している。
もちろん、1画面を大きく表示して瞬時に切り替えるといった使い方もできる。
また、本機には外部のディスプレイに映像を出力するHDMIポートも用意されているので、キャプチャしたPC以外でも合成した映像は確認できる。
PCへの接続では、UVCに対応しているため、ドライバ不要でウェブカメラとして認識される。
接続インターフェースはUSB3.0で、扱える映像はフルHDまでとなる。対応するビデオフォーマットはYUY2、Motion JPEGで、音声はPCMとなる。
残念ながら、USBからの電源供給ではなく、専用のアダプタから電力供給する必要はあるが、使い方から考えれば特に大きな問題にはならないだろう。
配信なら別の手段があるが…
配信をするとなると、もともと入力ソースが複数あってもアカウントは一つで済むので、配信ソフト上で映像ソースをいろいろ構成して映す事はできるが、ZOOMやSkypeなどのWebツールの場合、そうした複数の映像ソースに対応する事を想定していないので、そもそもそうした機能が搭載されていない。
だが、Webミーティングでそうした複数の映像を扱おうと思えば、別のアカウントを取ってそれで参加する事になるが、ここで問題になるのが通信帯域である。
イマドキの通信環境なら、同一施設での2台程度のWebミーティングにかかる通信負荷ぐらいは何ら問題はないだろうが、最近はWebミーティングが各所で実施される関係から、同一施設での通信台数が劇的に増えていて、思った以上のトラフィックになっている場合がある。そうした時、複数アカウントでの通信をするよりも、1つのアカウントで複数の映像を扱える方がトラフィック的には軽くでき、それでいて複数の映像を参加者に見せる事ができる。これは通常のテレワーク等ではあまり起きない事かもしれないが、企業などでは起き得る現象である。
システムを複雑にせずに
この「400-MEDI038」を使った複数映像をWebミーティングに使用したりする方法は、ある意味ソフトウェアでいろいろ設定するという複雑さから解放され、ハードウェアという眼に見えるモノで解決するという、非常にわかりやすい仕組みと言える。
ソフトウェアで設定して利用するというのは手軽で良いのだが、時にわかりにくさを伴う。ハードウェアは実際に人間が手に取って理解できる物理的なものなので、「400-MEDI038」のように実際にモノをケーブルで繫いで、物理スイッチを操作したりして構成する方がわかりやすい。
「400-MEDI038」であれば、正面のモード切り替えスイッチを押すだけで、4画面までの表示方法を切り替えて扱えるので、Webミーティングツールの設定は単純にカメラを「400-MEDI038」に設定するだけで良い。
このわかりやすさは、PCに詳しくない人であれば非常に重要ではないかと思う。
YouTubeなどの配信をしている人であれば、大した問題ではないかもしれないが、全ての人が同じという事はない。そうした理解度の格差がある中でのWebミーティングの必要性の高まりに、正直困っている人も多いのではないかと思う。
「400-MEDI038」は、そうした困っている人に向けて、より簡単に複数映像ソースを扱えるツールとして重宝するように思う。
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