「Lenovo ThinkCentre M75q Tiny Gen2」を使って格安小型PCを構成する。
Ryzen7の小型PC
Ryzen 4000シリーズが、小型PCを自作する上で有益なAPUになるという話は、過去当Blogでも書いたことがある。
Zen2アーキテクチャかつVegaアーキテクチャのGPUを内蔵し、しかもすべてを1ダイに載せた新世代APUだが、Ryzen7 4750GEなどだと、APU単価で4万円クラスと、それなりの価格になるので、最終的には10万円超えの自作PCになるのが、唯一の問題だった。
最小構成なら何とか10万円前後で行けるか? とも考えられるが、それだとAPUもRyzen5やRyzen3に落とす必要があり、小型かつ高性能という枠組みから若干ハズレる感じがするのが問題である。
だが、ここにメーカー製PCという枠組みを加えることで、結構安く、かつ高性能なPCが作れる事に気がついた。これだと、10万円ちょっと超えたくらいの価格で、Ryzen7 4750GEの小型PCが作れてしまう。
Lenovo製
ではどのようにして実現するのか?
ここは価格.com限定割引の製品を利用させてもらう。
実はLenovoの製品の中に「価格.com限定割引」という制度で5万円以上安くできるプランが存在する。
利用するのは、価格.com限定製品の「Lenovo ThinkCentre M75q Tiny Gen2」という製品である。
検索エンジンで「価格.com Lenovo ThinkCentre M75q Tiny Gen2」と検索すると出てくる、広告下のリンクに飛ぶと、価格.comの該当製品ページへ飛ぶ。
この価格.comのページの画面真ん中あたりにある「メーカー直販モデルの売り場へ行く」というリンクをクリックすると、Lenovoの直販サイトでも価格.com限定モデルが表示されるページへと飛ぶ。
ここから該当製品を購入する事で、価格.com限定のEクーポン割引が適用され、格安で購入する事ができるのである。
だが、自作の心得がある場合、価格はもう少し必要になるが、さらにお得に高性能化する事が可能だ。
あえて最小構成にする
ではどのようにしてさらに高性能化するのかというと、このリンク先の製品ページの中から「ThinkCentre M75q-2 Tiny:価格.com限定 プレミアム」を選択し、メモリとストレージを最小構成にして購入するところから始める。
「ThinkCentre M75q-2 Tiny:価格.com限定 プレミアム」を選んでいるのは、APUがRyzen7 4750GEだからである。
この製品プランを選んだあと、メモリとストレージを最低のものに構成しなおす。これによっていくらか安くなるハズである。また、キーボードやマウスなどもメーカー直販のものを外し3,300円安くして、かわりに3,300円のUSB-C Portでも追加しておけば、今後汎用性高く使っていけるだろう。
それと、ワイヤレスLAN/Bluetoothのユニットも4,400円で追加しておく事をお薦めする。これらは同じパーツを別で購入して組み付けるより安くなるのでお買い得である。
Lenovoから購入する価格は6万円台半ばになる。メモリとストレージは最低でもこれだけの価格で購入する事ができる事自体、格安だと言える。
注意:このLenovoのサイトに記載された製品構成だが、その時々で構成に若干の変更があるようである。なので、具体的に説明してもいざその時になると構成が変わっている場合があるので、ポイントだけ説明する。とにかくメモリとストレージを最小構成にする、という事を念頭に置いてBTOすべし、という事になる。
メモリとストレージ
メモリとストレージを最小構成にしてLenovoから購入すると、次はメモリとストレージを個別に購入する事になる。
「Lenovo ThinkCentre M75q Tiny Gen2」に搭載できるメモリはSO DIMM DDR4になるので、この同規格のメモリを単体パーツとしてツクモ、ドスパラ等アキバのPCパーツショップで購入する。おそらく16GB(8GB×2)で1万円以下で購入する事ができると思う。
また、ストレージとしてNVMe M.2 SSDも購入するが、イマドキなら1TBのNVMe M.2 SSDであっても、10,000~15,000円程度で購入する事ができるだろう。
もしこのメモリとストレージをLenovoの公式サイトで構成していたなら、これらよりもずっと高い価格で構成する事になる。なので、交換する事を前提に、メモリとストレージは別で購入して組み付けるという手段を使うのである。
回復ドライブ
ではLenovoから「Lenovo ThinkCentre M75q Tiny Gen2」を購入し、メモリとストレージを別で購入した後の話を説明する。
「Lenovo ThinkCentre M75q Tiny Gen2」はまず起動する前に、ケースカバーを外して裏面のメモリをイキナリ交換してしまう。背面にSO-DIMMスロットが2つあるので、既に刺さっているメモリを取り外し、購入したメモリと入れ替える。スロットには切り欠きがあるので、その切り欠きとメモリの切り欠きを合せて斜めに差し込み、そのままメモリを倒せばカチッとハマるようにできている。メモリの増設はこれで終了である。
次に、電源ボタンを押してPCをセットアップする。
できればセットアップの際にマイクロソフトアカウントと紐付けないで登録するのが良い。具体的には無線LANの接続を拒否し、LANポートにケーブルを接続しないでセットアップを始めればオフラインアカウントで登録できるハズである。マイクロソフトアカウントとの紐付けは、後からでもできるので、今はオフラインアカウントで進める事を推奨する。
セットアップが一通り終わったら、今度は回復ドライブの作成を行う。回復ドライブはUSBメモリ等で作成する事になるが、これは別で用意してもらいたい。
この回復ドライブを作成した後、一度PCをシャットダウンし、別購入したストレージの入れ替えを行う。
先程メモり交換をした面とは逆の面に、既に接続されたNVMe M.2 SSDが見えるはずである。
青いピン止めされたパーツを外すとNVMe M.2 SSDが取り外せるようになるので、購入したNVMe M.2 SSDと交換する。こちらもスロットに切り欠きがあり、その切り欠きを合せて斜めに差し込み、そのまま倒して青いパーツで止めれば交換終了である。
このストレージの交換が終了した後、ケースを戻して再び通電できるようにし、前面のUSBポートに先程作成した回復ドライブをセット、電源を押すと、PCはリカバリーモードとなり、回復ドライブからPCを回復させる事ができるようになる。
具体的には、回復ドライブであるUSBメモリのデータを、交換したNVMe M.2 SSDに書き込むという作業をしている。この書き込みが終了すれば、交換したストレージによる通常起動ができるようになっているハズである。
9万円程度でミドルレンジクラス
この方法で「Lenovo ThinkCentre M75q Tiny Gen2」を構成すると、価格的には10万円程度でAPU Ryzen7 4750GE&メモリ16GB&ストレージ1TB SSDというPCを作る事ができる。
8コア16スレッドのPCとしてはかなりのお買い得マシンと言えるのではないかと思う。
唯一の弱点は、GPUが多少貧弱という事ぐらいではあるが、こちらもVega 8レベルの性能なので、同価格帯のインテルCPU内蔵PCと同格かそれ以上ではないかと思う。
また、VegaアーキテクチャGPUなので、動画再生機能としてFluid Motionが利用できる。AMD公式ツールではグレーアウトしているが、Bluesky Frame Rate Converterという外部のアプリケーションを利用する事で動画補完再生機能が使えるので、動画を滑らかに見たいという人にとっては、福音かもしれない。
どちらにしても、コストパフォーマンスは相当に良いプランなので、もしデスクトップPCで何を購入しようか迷っている人は、この方法で高性能小型PCを手にする、というのもアリだと思う。
自作できないという人は…ちょっと割高になるが、Lenovoのサイトで希望の構成で購入するというのもアリかもしれない。
どちらにしても、価格.comの割引が利いているので、普通に購入するよりは安く買えるだろう。