もう既に他人事ではないレベルだという危機感をどれだけの人が持っているのか?
感染者率だけではダメ
新型コロナの感染者が急増している。
今出ているコロナ感染者は、ほとんどが年末に忘年会やクリスマス等、人が集まる機会が多数あった時期に感染した可能性のある人たちだとは思うが、人が多く集まる、というただその一点でこのように感染者が増加する、という事を証明した結果ではないかと思う。
当然、人が集まるだけでは感染はしないが、人が集まればそこで話す機会も増えるだろうし、そこで飲食すればさらに感染する可能性は増大する。人が集まって何もしない、なんて事はないわけで、人が集まるというただそれだけの事でも感染者は増えるという事実がそこにあるわけである。
ただ、世界に目を向けると、不思議と日本よりずっと感染者数は多く、その国の人口から考える感染者率は日本よりずっと高いままである。しかし、そうした国は医療崩壊を起こしているかというと、起きそうな状態ではあるものの、日本よりは切迫していないようにも見える。
逆に日本は感染者率は世界の国々よりも低いにも拘わらず、もう医療崩壊がすぐそこまで来ているかのような状態になっている。
何故なのか?
日本は、世界的に見ても医療の充実した国と言われていたにも拘わらず、この新型コロナの感染爆発によって、世界のどこよりも早く医療崩壊が起きそうな状態になってきている。
言われてきた事と実際がここまで釣り合わないというのには何か理由があるように思える。
義務がない
日本の医療機関はその約8割が民間病院である。この比率は諸外国よりも高く、しかも日本の医療制度は医療機関の自主的な判断を尊重する。そのような状況の中、感染症の患者を受入れる義務というものは存在せず、法的に問題になるような事もない。だから都道府県は病院に対する監督権限を持ち得ていても、その病院に対して病床を用意するよう指示や命令する事ができない、というのが日本の医療の現状だったりする。
つまり、行政はあくまでも病院に対して“協力要請”はできるものの、強制力を以て対応するという事ができないのである。
また、かろうじてコロナ患者を受入れている公的病院等でも、徐々にでは有るが病床は増えてきている。しかし、問題は病床は増えても医療従事者が増えるわけではない、という事である。
民間病院の医療従事者と公的病院の医療従事者で、その負担に大きく隔たりがあるのも、その病院が患者を受入れるかどうかの違いに直結している。
もし、医師や看護師をローテーションできたなら…おそらく今よりは医療従事者の負担は分散され、医療崩壊から多少は脱する事はできるかもしれない。しかし、今の所、そんなローテーションが行われるような対策が進んでいる感じは全くない。
しかし、そう遠くない時期に、そうした医療従事者の問題を解決しないと、医療崩壊に近づく一方で脱する事などできようハズがない。おそらくそれは当事者がもっとも理解している事だろうと思う。
まだまだ続く
このような問題は、正直、私が言うまでもなく、専門家はもうわかっている事である。その専門家達が最善を尽くすしか方法がないワケで、そこに英断とされる判断・決断が望まれるわけである。
ワクチンも登場し始めているが、そのワクチンが投与されるまでにはもう少し時間がかかるのもまた事実。ある専門家は、ワクチンが投与され始めれば、日本なら1年ほどでコロナは終息に向かい、2年でほぼ正常に戻ると言っているが、おそらくそんなに簡単に収まる事はないだろう。
理由は変異種の存在であり、そもそも新型コロナの実態調査がまだ終わっていないという事である。
今の所、変異種にもワクチンは大凡効くだろう、としているが、それも予想されているだけの事であって、実際問題はまだわからない。
そもそも新型コロナウィルスは、どういった症状が出るものなのかも、まだハッキリ断定できていない。一応、今の所風邪のような症状や味覚・嗅覚障害などが出るとしているが、本当のところはどこまでの症状が出るのかなどは、まだ未解決である。
こうしたわからない状況が続いている以上、この新型コロナウィルス問題はまだ当分は終わらないとみた方がいい。
自粛という事で、いろいろ精神的に滅入っている人も多いかも知れないが、日本は今、考えている以上に危険な状態にあると私は思っている。
私自身はいつもの行動が引き籠もりなので、いくつかの気をつけるべき生活を続けていれば、自粛モード並にリスクは小さいものと言えるが、周辺に患者が出ればそこからリスクは一気に増大する。
自粛すべきところは自粛する、といった事が出来ないと、経済云々の話以前の問題である。
まさしく今、命の選択を迫られているように思えるのは私だけだろうか?
参考:東洋経済オンライン
https://toyokeizai.net/articles/-/402702