今まで利用できなかったものがようやく可能に。これで救われる命が増えるか?
Series 4以降
AppleがApple Watch Series4以降が搭載する心電図アプリケーション機能について、国内向けの提供を開始すると予告した。今後公開されるiOS 14.4以降及びwatchOS 7.3以降で適用され利用可能となるようだ。
このApple Watchによる心電図アプリケーション機能は、本体裏にあるクリスタルとDigital Crownの電極を利用して、第Ⅰ誘導心電図に類似した心電図を記録できるもので、心拍リズムを心房細動、洞調律、低心拍数、高心拍数、判定不能に分類する。この分類された記録結果はiPhoneのヘルスケアアプリ内に保管され、PDF形式で医師と共有化する事もできる。
また、Apple Watch Series3以降では、不規則な心拍を通知する機能が利用可能となる。光学式心拍センサーを通じてbackgroundでユーザーの心拍リズムをチェックして、心房細動の兆候を検出するとユーザーに通知するという機能である。
日本では、これらの機能が医療機器として認定されていなかったため、今まで機能として実装してはいたが、利用する事ができなかった。
ようやく国内の医療機器アプリとして認定された、という事なのだろう。
海外では、このApple Watchの機能によって一命を取り留めたという人もいるので、利用出来る事の意味はとても大きいと思うが、ようやく、といったところである。
Series6ではSpO2も
昨年発売された、Apple Watch Series6では、血中酸素濃度を計測できるSpO2機能を実装していた。こちらは、4つのLEDクラスタとフォトダイオードによって血球酸素濃度を計測可能にしており、アプリと連動させて利用可能となっている。
このSpO2機能は、昨今とても注目されている。
理由は新型コロナに感染した人は、血中酸素濃度が下がるからである。この血中酸素濃度の計測を続ける事で、重症化するのかどうかの判断がしやすくなると言われていて、最近はこのSpO2が単体で飛ぶように売れているらしい。
医療機器認定されたものである場合、1個20,000円は下らない製品なので、それを購入するよりはApple Watch Series6を購入した方がいろいろ利用幅が広がるとは思うが、このApple Watch Series6のSpO2機能は、利用者の声に幅がありすぎるところがあり、正確性を疑う人も中にはいるようだ。
Appleも、この不安定な機能については理解しているようで「あくまでも医療用ではなく、一般的なフィットネスとウェルネスの目的で設計している」としている。
なのであくまでも参考値にしかならない機能ではあるが、それでも参考値にはなるワケで、利用しない手はない。
広がる医療機器
スマートフォンのアプリケーションで医療機器として利用出来るものが増えている。
理由は、スマートフォンにはいろいろなセンサーが内蔵されていて、そのセンサーを利用していろいろな計測を行う事で、健康に関するデータが観測できるとみられている。
スマートウォッチは体と密着している事から、余計にその傾向が強く、ウェアラブルデバイスとして考えた時、もっとも医療と結びつきの強い機器になる。
私は思うが、スマートウォッチが今よりもっと処理能力が高くなり、同時にあらゆるセンサーを内臓し、スマートフォンやスマートグラスと連携できるようになると、人々は常に医療機器を身に付けて生活する時代になっていくのではないだろうか?
現時点では、表示デバイスがスマートフォンやスマートウォッチにほぼ限定されてしまっているが、スマートグラスが使える様になると、データは拡張現実的に表示させる事ができる。未来のような話だが、現時点でそうとう近いレベルに来ているのが現代だと私は思う。
医療機関の病床が足りないとされる今は、近い将来、在宅医療が当たり前になると言われているだけに、こうした医療機器に通じるデバイスとアプリケーションは今後まだまだ進化し、より確実なものになっていくのではないかと思う。
というわけで、健康に留意したい人はApple Watchを導入する事をお薦めする。
思わぬ効果が得られる事もありうるので、気になる人はチェックしてみると良いだろう。
|