もう少しでワンコインだったのだが…無念。
Raspberry Pi Pico
英Raspberry Pi財団が、国内価格550円のマイコンボード「Raspberry Pi Pico」を発表した。日本国内ではSwitchサイエンスやKSYなどが販売を予定しており、スイッチサイエンスの価格は550円になるという。
…あともうちょっとでワンコインマイコンと名乗れたのだが、実に惜しいところである。
この「Raspberry Pi Pico」は、CPUにCortex-M0という2コア/133MHzのSoCを搭載し、メモリ256KBのSRAMを搭載したマイコンボードで、従来のRaspberry Piと違い、Linux OSの搭載はできない仕様になっている。
基本はPython(MicroPython)やC/C++のプログラムを実行させて使用するもので、フラッシュメモリとして2MBを搭載、他に通信と給電を行うMicro USBポートを搭載している。
その他には、26ピンのGPIO、SPI×2、I2S×2、UART×2、12bit ADC×3、PWM×16、PIO(Programmable I/O)×8などを装備している。
温度センサーやLEDも備えているので、単機能目的の処理などは幅広く実行できると考えられる。
スイッチサイエンス
https://www.switch-science.com/catalog/6900/
価格550円の強み
Raspberry Piの目的は、プログラミング教育を全世界で可能にする事なので、ある意味、この「Raspberry Pi Pico」でも財団の目的は達成させる事はできる。
後進国では、7,000円程度のRaspberry Piでも価格的に高いと言われていて、そのため、Raspberry Pi Zeroが3,000円台で登場した。
しかし、それでも価格的にはまだ高い、という地域が存在し、さらなる低コスト化が検討されていた。
今回の「Raspberry Pi Pico」は、OSを稼働させる事はできないが、プログラムを実行させる事はできるので、プログラミング教育で利用する分には目的は達成できると言える。
また、これぐらいの規模だと、おそらくちょっとした小さな太陽光パネルでも電力供給できる可能性があるので、まさしく世界中どこでもプログラミング教育が可能になるとも言える。
大規模的な事を考えないなら、この「Raspberry Pi Pico」という選択肢は、Raspberry Pi財団の一つの回答になっているように思える。
プログラマー不足
世界的にプログラマーが不足していると言われている。
もちろん、プログラマーといってもいろんな分野や方向性があるので、全てにおいて不足しているのかはわからないが、少なくともAI関係の開発者不足は深刻なものと言われている。
AIだって元々をプログラミングしなければ意味はないわけで、この部分の人材確保はビッグデータを扱いたい企業からすると深刻なものではないかと思う。
一つの答えとしてAIにプログラミングさせる、という回答もありそうな気がするが、もしそれが可能になってしまったなら、映画にあるような人類 vs AIなんて事が起こりうる話になるかもしれない。
ま、SF的な話は別としても、AIを効率よく構成するには、やはり基礎的なプログラミング能力がなければダメなわけで、そうした人材を世界中から確保しようと思えば「Raspberry Pi Pico」のような製品は後進国に金の卵を生み出すきっかけを作る事になるかもしれない。
私は中学生の頃にプログラマーになる事を諦めた人なので、私自身にプログラマーの素質はないと思っているが、今の開発環境だと私でもできるものなのだろうか?
時代は変わったと言われているので、興味は尽きない。