AMDのスケジュールに変更があるらしい。元々噂でしかない話ではあるが。
Zen3+はキャンセル?
次期Ryzen 6000シリーズと噂されていたZen3+、コードネーム“Warhol”だが、存在そのものがキャンセルされたらしい、という情報が流れていらしい。
複数からの情報という事で、その話によるとAMDはデスクトップCPUのロードマップから“Warhol”を削除、その次になるZen4“Raphael”に注力する事になるとの事。
個人的に、今の半導体不足の事を考えると、昨年発売したRyzen 5000シリーズも満足に普及していない状況を考えれば、そもそもZen3+を投入する意味があるのか? という考えに行き着くのは真っ当な話ではないかと思う。
当Blogでも私が過去に書いたが、Ryzen 5000シリーズが浸透する前に次世代コアの開発が完了、発売されたなら、誰もRyzen 5000シリーズをその時になって買うハズがないのである。少なくとも、私ならその状況で過去のアーキテクチャでPCを組みたいとは思わない(あえて過去のアーキテクチャを選ぶ理由があれば別だが)。
もちろん、この予測はライバルであるIntelの動向によっても変わってくるのだが、現時点でIntelはAMDの性能にようやく並んだという状況で、ワットパフォーマンスでは全然追いついていない。AMDとしては、まだ十二分に対応できる性能でしかないので、ここで次世代コアを投入する意味は非常に薄いと言わざるを得ない。
なので、今回の流れてきた情報は、ある意味「妥当な判断」としても受け入れられる内容であり、開発と市場普及の面で考えれば、納得のできる話ではないかと思う。
だが、企業は利益を出して運営されていくものなので、その空白の時間、もしくはその空白の時間を費やした結果として何をアウトプットするのか、という面で考えれば、次期開発コアを一つキャンセルした、というだけには止まれないハズだ。
となると、デスクトップCPUではキャンセルしたとしても、APUではZen3とZen4の中間に位置するコアが登場するのかもしれない。ちなみにこちらは噂では“Rembrandt”と呼ばれているもので、コチラはキャンセルとなるような話は出ていない。“Rembrandt”はZen3+とRDNA2を組み合わせたAPUでN6製造プロセスで製造されると噂されているコアである。
元々存在しない
と、ここまでの説明で“Warhol”がキャンセルになって、Zen4まで次世代は待ちにはいるのか、と安直に考えてはいけない。
もっと大前提の話となるが、これらはあくまでも噂でしかない。話を遡ると、大前提としてAMDから公式に“Zen3+”や“Warhol”といった話は一切出てきていないのである。
つまり、元々存在しないプラン、というワケである。
ただ、今までのRyzenの開発状況の流れを見ていくと、大がかりなアーキテクチャ変更が入る前には、製造プロセスのアップデートもしくは小改良が加えられたコアが登場しているので、大部分の人々がZen3の次にはZen3+は存在するだろう、と予測した結果で噂が出てきている。そしてその噂は、今まで外れていない。
ハズレてはいなが、公式からは一度も言われた事がない。
それが事実である。
だから、今回の噂は元々の噂にさらに別の噂が乗っかってきた、というのが正しい見方である。
普通に考えれば、N7製造プロセスで製造されたRyzen 5000シリーズ(Zen3)の次に人々が期待するのは、N5製造プロセスで製造されたZen4コアである。問題は、この2つの製品の間に存在する開発期間がどれぐらいになるか? という事であり、そこが思った程期間が空かないようなら、Zen3+は必要性がない事になる。
今回のケースでは、期間はそれなりに空くが、それは世間的に半導体不足が続いている事か原因で、その理由からZen3の普及を妨げている、という特殊な事情に陥っている。
この特殊な事情をどのように受け止めるか、で次のプランの判断が変わるワケである。
Zen4の登場時期
この“Warhol”キャンセルの噂に後追いで、Zen4アーキテクチャ“Raphael”の登場時期についての噂が出てきた。
なんと、2022年9~10月に発表され、10~11月にローンチだというのである。
Zen3であるRyzen 5000シリーズがローンチされたのは、2020年11月の事なので、この噂が真実であるなら、Zen3からZen4への間は2年という事になる。
Intelは、何かしらの小改良を重ね、毎年更新してくる事を考えると、さすがに2年は間が空きすぎと言える。
噂でしかないが、前述の“Warhol”ことZen3+が登場する、という噂がキャンセルでなければ、その穴埋め的な対策と読めるが、今回の噂ではキャンセルされた、という事だから、デスクトップCPUは更新されない、或いはクロックアップ版が出てくるか、程度の動きしかないかもしれない。
となると、この2年の間にAMDが投入する開発品となると、前述の“Rembrandt”というAPUという事になるが、これも噂の中身を見てみればCPU部分はZen3+とされているので、この辺りにまだ謎が残りそうである。
何はともあれ、AMDのロードマップが全く見えてこない事で、私としてはメインPCの更新時期を完全に見失ってしまった。
欲しい時が買い時、というPC購入の鉄則があるが、それにしても今の状況は先が見えなさすぎである。
CPUでコレなのだから、より入手難のGPUは一体どうなる事やら…。
参考サイト:北森瓦版
https://northwood.blog.fc2.com/blog-entry-10896.html
https://northwood.blog.fc2.com/blog-entry-10898.html