Proは11インチが第4世代、12.9インチが第6世代となる新型、発表。
円安で厳しい
以前から発売されると噂されていた新型iPad Proが発表された。
11インチのWi-Fiモデルは124,800円から、11インチのWi-Fi+Cellular対応モデルは148,000円からとなり、12.9インチのWi-Fiモデルは172,800円から、Wi-Fi+Cellular対応モデルは196,800円から、という価格設定になっている。
それぞれのモデルはストレージ容量が128GB、256GB、512GB、1TB、2TBから選ぶ事が出来、ストレージ容量を最大の2TBにすると、11インチのWi-Fi+Cellularモデルは324,800円、12.9インチは372,800円となる。
円安という状況からかなり高めな価格設定になっているのが残念な所である。
また、iPadは搭載するストレージ量によってメモリ(RAM)容量が異なるが、ストレージが128GB~512GBモデルは8GB、1TBと2TBモデルは16GBを搭載するという違いが、今回も存在する。
M2搭載
今回のiPad Proのある意味最大の特徴は、搭載するコアがM2になったという事。M1と比べて最大15%高速化した8コアCPUと、最大35%高速化した10コアGPUを搭載する。
そしてこれはある意味全体の性能を左右しかねない違いだが、M1チップと比べて50%多い100GB/sのユニファイドメモリ帯域幅を備えている。このメモリアクセス速度の向上は、確実に全体のパフォーマンスを向上させるポイントである。
このM2を搭載した事で、ProResビデオ撮影が可能になり、トランスコードは最大3倍高速化されているという。
また、iPad OS16とApple Pencil(第2世代)を組み合わせる事で、ディスプレイから最大12mm離れたところまでApple Pencilを検知する。これにより、Apple Pencilでマークを付ける前に、マークのプレビューが得られたり、スクリブルでApple Pencilをディスプレイに近づけるとテキストフィールドが拡大化されたり、と手書き文字がより速くテキストに変換できるようになる。
もちろん、これらの機能はApple製アプリケーションに限った事ではなく、他社製のアプリケーションでも利用する事ができるので、とても便利なGood Note5などでも活用できるようになるのではないかと思われる。
その他にはWi-Fi 6Eをサポートし、5Gのミリ波にも対応しているハズだが、残念ながら日本国内では利用する事ができない。Wi-Fi 6Eは6GHz帯の認証番号が得られていないという事だろうと思われ、また5Gのミリ波に関しては対応周波数そのものが国内で利用できないものと思われる。仕様では一部の5Gミリ波周波数に対応すると紹介されているようだが…それらは国内で利用されていないものである。
基準が米国になるので、この辺りは日本ではとても残念な感じになってしまうのは致し方ないところかもしれない。
気になるのは実はiPad
iPad Proのハードウェア的な詳細についてはTech系サイトに詳しい記事があるので、そちらを見てもらいたい。
impress ケータイWatch
https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/news/1448617.html
12.9インチiPad Proのみ、Liquid Retina XDRディスプレイを搭載するなど、前モデルと同じ構成というのも多く、仕様においてはあまり変わり映えはしないかもしれない。
デザインも前モデルを踏襲しているので、変化が少ないとも言えるが、やはりM2搭載というのが一番大きな変化点であり、それがiPad OS16と組み合わさる事で、新しい体験が付いてくる、そんなイメージだと言える。
だが、今回のAppleの製品発表でもっとも注目すべきは、実はiPad Proではなく、iPadだと言える。
A14 Bionicを搭載し、0.9インチのLiquid Retinaディスプレイを搭載、ついに正面にTouch IDのホームボタンのないデザインへと変化した。
側面のトップボタンにTouch IDが搭載され、iPad Airのようなスタイルになったワケだが、iPadで初めて横向きにフロントカメラが配置され、ビデオ通話体験に特化したようなスタイルになった。
また、物理端子がUSB Type-Cとなり、Lightning端子が排除されたのも大きい。
残念だったのは、対応するApple Pencilが第1世代までだという事ぐらいで、その他のスペックで困る事はないと思われる。
ちょっとした使い方であれば、最安値の今回のiPadで十分といえる内容になったと言えるのではないだろうか。
というわけで、iPad Proはより高速化し、iPadはタブレット運用の底上げを確実に行ってきたというのが、今回の新型iPad群である。
タイミング的に史上稀に見ぬ円安というのがとても残念極まりない事で、価格的な問題はあるにせよ、満足度の高い製品ではないかと思う。