今年に入って発売されはじめた高コントラストなウルトラワイドモニタ。
Dellから新製品
2022年に入って発売が始まった有機ELパネルを採用したウルトラワイドモニタだが、この度、Dellから新製品として34型QD OLED湾曲ゲーミングモニター「AW3423DWF」が発売となった。価格は149,800円となっている。
パネルはQD OLEDパネルで34型、中間色応答速度が0.1msでリフレッシュレートは最大165Hz、解像度は3,440×1,440ドットと、スペック的には非常に良好なものとなっている。
DCI-P3を99.3%カバーし、FreeSync Premium Proに対応、VESA DisplayHDR TrueBlack 400やVESA AdaptiveSync Displayの認定を受けている。
表示色数は10億7,000万色とあるで、おそらく10bit入力可能であり、輝度は1,000cd/平方m、コントラスト比100万:1、と、表示特性に優れたOLEDの性能が遺憾なく発揮されているようである。
本機は、以前発売されていたDellの「AW3423DW」からG-Syncモジュールをなくした製品、と考えてもよいかも知れない。ただし、それ以外にもリフレッシュレートが175Hzから165Hzに変更されているので、事実上のダウングレードという言い方もできるが、ほぼ同同一機と言えるだろう。
引き締まる黒
OLEDパネルの凄さは、やはり黒が引き締まって見えるという部分ではないかと思う。
構造の問題だが、液晶パネルは黒を表示する時、バックライトを消灯するだけなので、周辺の色が黒でない場合は、バックライトの光が漏れる事があり、黒でありながらバックライトの光を取り込んでしまい、黒を浮きだたせてしまう事がある。
しかし有機ELパネルの場合は、バックライトが存在せず、光る場所そのものが光るので、混じりけのない黒が表現できる。このように黒がハッキリして見えることから、全体的にコントラストも高いように見えるのが特徴。それ故に色味がキツく見える人もいるという話も聞くが、非常にメリハリのある画になるので、液晶パネルよりも解像感の高いパネルと言える。
OLEDパネルの弱点は焼き付きになるが、これも長年の研究の成果で、昔ほど画面焼き付きは起こさないと言われている。
そういう意味では、3,440×1,440ドットの解像度を持つ「AW3423DWF」は、他の液晶パネル採用の同解像度モニタよりも満足度が高いモニタと言えるかも知れない。
まだまだ進化が必要
現在、液晶パネルからOLEDパネルへと進化したワケだが、これが現時点で考えられる終着点とは違う。
ミニLED技術やマイクロLED技術というものがこの先目指すべきものになると以前から言われているが、残念ながらまだ相当先の話になりそうである。
最近はミニLED技術をバックライトで使ってくるケースがいくらか見受けられたが、マイクロLED技術に関してはまだまだ先になるだろう。
だが、より鮮やかな画面を得るには、マイクロLED技術は避けて通れないと私は考える。この技術がもっと広く安価に出回らないと、液晶モニタで満足できる日はまだまだ来ないと思うが、LEDも半導体なだけに多くの画素が必要となれば半導体供給能力も今後は課題になってくる。
より高度な製品にはより高度な半導体が必要という時代にいよいよ突入してきたワケだが、それらの問題は簡単には解決できそうな感じはない。
何はともあれ、OLEDのウルトラワイドモニタが14万円台で購入できる時代になったのは喜ぶべきポイントかもしれない。
DELL AW3423DWF製品情報
https://dell.to/3ut7sby