エアコンを暖房に使わないと決めた時点で困難が待ち受ける。
母親への配慮
老朽化が進みすぎた我が家において、母の介護を自宅で行うというのは、最初から困難を極める事はわかっていた事である。
ベッドから動けない母親が家電をコントロールできるようにと、スマートリモコンのNature Remoを導入し、そのNature Remoを声でコントロールできように、AmazonのEchoを導入してAlexaに命令する形で家電をコントロールできるようにしたものの、一つ大きな課題がこの冬にぶち当たってきた。
これは当初からわかっていた事だが、ウチでは冬場、エアコンを暖房として使用する事はまずあり得ない。理由は、家が古すぎて機密性が低く、エアコンを暖房として使用した時点で電気代がとんでもない事になる事がわかっているという事である。
たった2部屋しかない状況で、電気代が4万円を超えるようになるだろう事は容易に想像が付く。
そこで、冬場は石油ストーブを使用する事にしていて、残念ながらこれらは今の所スマート化する事はできない状況にある。何故なら…リモコンがないから。
石油ファンヒーターにすればリモコン付きのものもあるので、Nature Remoでスマート化する事はできるかもしれないが、母親がファンヒーターを嫌っていたため、今は石油ストーブを冬場は常設している。
こんな状態において、スマート化されていない石油ストーブを点けっぱなしにして、私が仕事に行く、という事が出来ずにいる。
というのも、母親は自分がベッドから出られないので、操作不能な石油ストーブを点けて行く事を拒否しているのだ。もちろん火災を嫌っての話である。
ベッドの中で布団に入っていれば、布団には電気毛布は準備してあるので、比較的暖かいのだが、それでも部屋内の空気は冷たく、今日もNature Remoで室内温度を確認したら、10℃しかなかった。
幾ら何でも、この室温では1月や2月を乗り切るのは不安である。
リモコン付き石油ファンヒーター
で、今ちょっと考えているのが、リモコン付きの石油ファンヒーターである。
大きさはそんなに大きなものでなくてもよい。能力は小さくても、リモコンさえ付いていれば、手元で機能のON・OFFが可能になる。
Nature RemoはIRリモコンさえあれば、機能を割り当てられるし、割り当てした際にシーンを登録すればAlexaでコントロールする事もできる。
あとは母親がストーブからファンヒーターへの乗り換えを受け入れればそれで良い、といったところである。
まぁ、一番の課題はココなのだが。
母親がストーブを好み、ファンヒーターを嫌うのは、ファンヒーターは部屋の感想を助長するという事と、お湯を沸かせないという事に起因する。
だがそれは母親が自分で部屋の中を動けていた時の話である。
部屋内を暖めるという目的の為に、この対策は前向きに考えていきたいと思っている。
Nature Remoの活用
家電をスマート化してきた事で、Nature Remoの便利さがよく分かってきた。
AmazonのEchoでは、基本Alexa対応製品しかコントロールする事ができない。しかしEchoとNature Remoを連動させてやると、Nature Remoで操作できるIRリモコンを持つ家電をAlexaでコントロールする事ができるようになり、幅が一気に広がる。
Nature Remoの弱点は、IRリモコンによる操作なので、赤外線が届かない家電は操作できないという事。逆にEchoは無線LAN(Wi-Fi)が届けば基本的に障害物があろうがなかろうが関係なく操作できる。
このように聞くと、Wi-Fiで操作できるAlexa対応家電は、Nature Remoよりも便利に聞こえるかも知れないが、時にAlexa対応家電でも、全ての操作をAlexaでできるとは限らない。たとえば、アイリスオーヤマのシーリングライトは、常夜灯を点ける機能があるが、コイツはAlexaではコントロールできない。が、Nature Remoにリモコンを登録してやると、Alexaではコントロールできない常夜灯の機能をNature Remoのシーンに登録する事でAlexaでコントロールできるようになる。
我が家では、シーリングライトをAlexa直で操作する時は以下のように命令する。
「Alexa、明かりを点けて」とか「Alexa、明かりを消して」とかである。また明かりの照度を変更したい時は「Alexa、明かり50%」なんて言えば50%の照度にしてくれる。
だが「Alexa、常夜灯をつけて」と言っても、Alexaは反応しない。
なのでシーリングライトのIRリモコンをNature Remoに登録して常夜灯のボタンを操作するシーンを追加すると、Alexaではこんな命令にできる。
「Alexa、常夜灯つけて」
アイリスオーヤマのシーリングライトの常夜灯は、照明のOFF機能と連動していて、照明OFFの時に常夜灯だけ点けるという事ができない。使い方がちょっと特殊になるので、このシーンを自動化できる状況は限定的ではあるが、最後に照明を消す代わりにこの常夜灯機能を呼び出せば、照明を消して常夜灯を点けるという事が可能になる。
これはAlexaだけを使って実現できる機能ではないという事に気づき、今はNature Remoを経由して使用している。
このように、AlexaにNature Remoを連動させる事で、多種多様な事ができるという事に気づいたので、今はNature Remoを活用してスマート化を進めているとところである。
正直、母親の介護という状況にならなかったら、興味はありつつも自宅のスマート化などしていなかったと思う。
石油ファンヒーターをNature Remoで操作できるようにした場合、一つ問題があるとすれば、ファンヒーターの前にモノを置かないというルールが徹底できるという条件が付く。
火災が発生する可能性がゼロではないので、この状況を確認できるWebカメラを石油ストーブ前に設置して連動させて使うのが本来なら望ましいのかもしれない。
…そういうのも、検討してみようか?