介護で有用だという事など気づきもしなかった。
食材加工
介護を要する母の食事は、私以上に困難を極める。
喉も細くなり、噛む力もほぼないとなると、口にできるものは自ずと通りのよいものばかりになるだけでなく、その食材すら限られる。
そのままの状態であれば、根野菜などはまずもって無理で、ここ最近はほうれん草ばかりが母の野菜事情になってしまっていた。
だが、栄養素の観点から考えても、緑黄色野菜や根野菜など普通では硬い食感のものも撮る必要があるわけで、そうした食事に関してはデイサービスのお弁当に頼らざるを得ない状況と思い込んでいた。
だが、週6日入って貰っている介護ヘルパーさんの一人に、ミルサーかミキサーを用意してくれれば…と言われた。
そうすれば、硬い人参などをカンタンにみじん切り以下のものにする事ができるので、料理の幅も広がるというのである。
なるほど。
食材の加工方法として、すりつぶしたり粉末状にしたり、ペースト状にする事をすっかり失念していた。
我が家では長い間、そうした機器を使用してこなかったので、存在すら忘れていたというのが本当のところである。
というわけで、早速購入である。
バッテリー駆動
最近のそうした食品加工機器の事情をあまり調べていなかったのだが、昨今はこういう機器にもバッテリーが搭載され、コードレスで運用できるものが多い様だ。
バッテリー駆動なら、あらかじめ充電さえしておけば、台所のどこででも使えるので、介護ヘルパーさん達も使いやすいだろうと思われる。
なので購入するならバッテリー駆動のもの…と絞り込んだのだが、バッテリー駆動のものでは一つ問題がある事に気づいた。
それは出力が小さいものがあり、時に人参を処理する事ができないものがある、というのである。モーターが弱すぎるのが原因らしい。
なので、バッテリー駆動でも100w以上の出力のものを基準として考えると、案外選べる製品が少ないという事に気づいた。また、出力が大きくなると、やはり大きさもそれなりの大きさになるようで、手の平サイズのものはほぼダメだという事になるようだ。
で、購入したのがコレ。
Wallfireというブランドのフードプロセッサーである。
おそらく中国製だろうとは思うが、電子はかりと一体化したものである。
刻む、潰す、砕く、練る、混ぜる、おろす、泡立てる、の動作ができるもののようで、さらににんにくの皮むきができるらしい。
おそらく、カッターの刃の使い分けで機能が変わるのだろうが、ほとんどは四枚刃ブレードをつけて使用すると思われる。
とりあえず準備はしたので、後は介護ヘルパーさんに実際に使ってもらって、母の食事事情を解決していく事にする。
ミキサーとミルサー
さて、私が購入した製品は「フードプロセッサー」なんて洒落た名称だったが、実際にはミキサーとかミルサーと呼ばれるものがこの手の製品である。
で、問題なのが、ミキサーとミルサーの違いである。
コレ、案外と違いを知っている人は少ないように思う。
ミキサーとは刃がついたカッターで食材をすりつぶすようにしてペースト状にする事を目的としたもので、ミルサーは乾物を粉末状にする事を目的としたものである。
なのでミルサーはカッターに刃がついておらず、プロペラを高速回転させて食材を粉砕していくものであり、ミキサーとは勝手が違うものになる。
ジューサーというものもあるが、ジューサーはジュース化する事を目的としたものなので、食材の水分だけを絞り採るものである。ミキサーに近いが、ミキサーは食物繊維を含む食材ごと液状にするため、厳密に言えばジューサーとは異なるものになる。
ちなみにフードプロセッサーとミキサーも違う。ミキサーとジューサーの間にフードプロセッサーが入るような感じで、ミキサーより滑らかになるが、ジューサーほど液状にならないというのがフードプロセッサーである。
…もうここまで細分化する必要があるのか? と思えるが、この違いで食を楽しんでいるのが人間なので、こうした分化が必要だったのだろう。
というわけで、久々に食品機器を導入した。
私が活用することはあまりないとは思うが、使い方をマスターできれば、ひょっとして…。