Mini-ITXで5面メッシュのPCケースとは、高性能を追い求めろと言っているようなもの。
メッシュのミニタワー
CORSAIRから、Mini-ITX対応のPCケース「iCUE 2000D RGB AIRFLOW」及び「iCUE 2000D AIRFLOW」が発表された。国内での取扱いは5月27日からで、カラーはそれぞれ白および黒があるので、計4種のバリエーションという事になる。
元々が内蔵ファンがRGB対応か否かという違いのみなので、PCケースとしてはほぼ同じものと見て良いのだが、価格的にはRGBファン仕様の「iCUE 2000D RGB AIRFLOW」は税込29,980円前後、「iCUE 2000D AIRFLOW」が税込20,280円前後となる。
見た目に派手さを求めれば、9,700円ほど高く付くが、インパクトは強い。
ボトム以外の5面にメッシュパネルを採用していて、冷却ファンはフロント120mm×3、リア120mm×2、ラジエータートレイ140mm×2または120mm×3で、120mmファンなら計8台搭載可能というエアフロー最優先で設計されたPCケースになる。
「ICUE 2000D RGB AIRFLOW」には、フロントに厚さ15mmの120mm RGBファン「iCUE AF120 RGB SLIM」が標準で付属という違いがある。価格差はこの差だと思えばいいだろう。
小さくても水冷で攻める
本製品はサイズとしては幅200mm、奥行き271mm、高さ458mmと、随分と高さのある筐体になっている。それ故、中に結構なサイズのラジエーターが内蔵できるようになっている。
つまりMini-ITXで水冷PCとする事を想定していて、しかもそのラジエーターサイズは最長360mmを搭載する事ができる。
それに合わせたグラフィックスカードの搭載スペースは365mmが最大となるので、結構な大きさのビデオカードを内蔵する事ができる。
Core i9-13900KやRyzen9 7950Xなどを搭載しつつ、GeForce RTX 4090なども搭載可能な感じに見えるが、問題は電源まわりにある。
搭載可能な電源は最大130mmのSFX/SFX-Lの電源ユニットなので、その規格内で最大の電源を搭載して、あとはその容量からビデオカードと相談するしかない。
それでもかなり高性能なCPUとGPUを共存させられるはずである。
あと、CPUクーラーの全高は90mmとなっているので、それに対応できる水冷ヘッドであれば問題無く搭載できる。
制限はあるが、結構な自由度になるのではないかと思われる。
小さいけれど出来る事は同じ
Mini-ITXというフォームファクタは、PCとしては小さい分類ではあるが、できる事そのものは実はあまり変わらない。
拡張性とか、冷却能力とか、ケースの大きいPCとの差別化はもちろん存在はするが、制限さえ何とかクリアできれば、できる事そのものに大きな違いはない。
このMini-ITXというフォームファクタは、PCケースにある程度の拡張性と伸び代があると、できる事が一気に拡大する。熱問題でハイエンド製品が使えないという制約が一気に解消されるのである。
そういう意味では、部屋の中でPCが占有する場所を小さくしたい人は、Mini-ITXで自作するという道は一つの方法でもあるので、ぜひ高性能かつ省スペースというPCを実現したい人はこのケースに注目してみてはどうだろうか?