2月28日にOM-D E-M10が発売となった。E-M1を持つ私ではあるが、E-M10にも気になる所があり、入門機と言われてはいるものの名機と呼べる要素を持つカメラと思えた。
画像処理はE-M1譲り
E-M10は入門機と言えどOM-Dシリーズに属するカメラ。それ故、価格的にディスクリートされた機能がありつつ、押さえるところは押さえた、そんなカメラである。
特筆したいのは、そのサイズで実に小さい。
幅119.1mm・高さ82.3mm・厚さ45.9mmというサイズは、ズームコンパクト機のSTYLUS 1の幅116.2mm・高さ87mm・厚さ 56.5mmと比較してもレンズ交換式としては格段に小さいと言える。
この小ささが機動性を支えている事は言うまでもなく、手軽に持ち出してスナップを撮るという目的に合致していると言える。
また、この小さなサイズにE-M5並の操作性を備えているのも特筆すべき点。
ちゃんとフロントダイヤルとリアダイヤルの2ダイヤルを装備し、Fn1、Fn2のファンクションボタンも2つ装備するという充実ぶり。入門機でこれだけの操作性を持っているカメラも珍しいのではないかと思えてくる。
EVFは144万画素で倍率0.57倍と、E-M5と同じ画素数ながら、そのタイムラグは0.007秒とかなり高速化されている。E-M1がタイムラグ0.029秒だから、それから比べてもかなり高速化されている。但し、これにはトリックがあってタイムラグ0.007秒で表示するモードは結構画質を落としているからこそ実現できている数値である。ちなみにこれは、つい最近高速EVFで注目された富士フィルムのX-T1も同様らしい。
ま、EVFはSTYLUS 1と同等と考えて問題はないと言える。
E-M10が特に特筆すべきなのは、画像処理エンジンがE-M1と同じ『TruePic VII』を搭載しているという事。STYLUS 1はE-M5と同じ『TruePic VI』だったが、E-M10は最新のエンジンを搭載してきた。この辺りはやはりレンズ交換式らしい対応である。
現在のレンズ交換式カメラはほとんどがローパスフィルターレス化しており、E-M10も同じくローパスフィルターレス化されている為、それに最適化された処理エンジンを持ってきた、という所だろう。
入門機でありながら、フラッグシップと同じ処理エンジンで撮影できるという事は相当な御買得感と言える。ま、デジタルならではの特典である。
手ぶれ補正は3軸VCM駆動式で、3.5段分の効果を持たせている。これは流石にフラッグシップと同じというわけではなく、E-M1は5軸VCM駆動式で5段分の効果がある。ただし、もともとのカメラが小さい事もあり、ホールド性がかなり良いため、実際は3軸で何ら問題ないとも言える。
今までOM-Dシリーズが蓄積してきた実績がこの入門機を生んだとも言える、実に名機と呼べるエントリー機と言えるだろう。
比較明合成がイイ感じ
E-M1になく、E-M10で搭載された、実に羨ましい機能がライブコンポジットという機能。
一種のアートフィルターとも言える機能かもしれないが、その構造がアートフィルターとは異なっていて、複数の画像をカメラ内で合成し1枚の画像を作り込んでいく機能である。
具体的には、星空や夜景を撮る際に、露出オーバーになってしまうシーンでも全体は希望の露出にしたまま、その露出より明るい部分のみを複数の画像を合成してしまうという機能だ。
画像を見ればわかりやすいのだが、長時間露光がより撮影しやすい…というか、そんな感じの画像になる。
これで街の夜景を撮影すれば、行き交う車のヘッドライトの奇跡が光の帯となって綺麗に撮影できる。星空なら星の奇跡が同心円状に撮影できる。
このライブコンポジット機能はE-M10から搭載された機能であるため、E-M1やE-M5にも搭載されていない。
プログラムの追加で実現できる機能でもあるため、ファームウェアアップでぜひE-M1やE-M5にも追加して欲しい機能である。
というか、オリンパスさんお願いしますm(_ _)m
追加されたレンズ
今回のE-M10の発売に際して、マイクロフォーサーズ用レンズが追加された。
E-M10のレンズキットに同梱される「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ」は、電動ズームを搭載したパンケーキズームレンズ。
カメラ本体の電源をON/OFFすると自動的に伸縮する沈胴式レンズで、収納時の薄さは22.5mmというから、まさにパンケーキレンズ。
ズームは鏡筒部にあるズームリングを回して操作するため、レバー式よりは操作しやすいと思うのだが、まぁそれは人によってそれぞれかもしれない。
スペックとしても、非球面レンズ3枚、EDレンズ1枚、スーパーHRレンズ1枚を採用した7群8枚という結構豪華な仕様。
可搬性の高いレンズながら、美しい絵が得られるレンズと言える。
もう1本のレンズ「M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8」は35mm換算で50mm相当という標準単焦点レンズ。標準といいながら、オリンパスのマイクロフォーサーズ用レンズとしては今までラインナップに加わっていなかったレンズである。
ブツ撮りに最適とも言える仕様のレンズだけに、私も欲しいなぁと思えるレンズだが、既発売の「M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8」という35mm換算90mm相当のレンズもあり、それと迷ってしまう。
ちなみにPanasonicから同じく35mm換算50mm相当かつF1.4というレンズが出ているが、ライカブランドのレンズであるため、価格は相当に高い。とても手が出せるレンズではないため、今回のこのレンズの登場は非常にありがたい。
他にも新しいマクロコンバーターやフィッシュアイボディキャップレンズなども発売され、アクセサリーも増強された。
OM-Dシリーズに入門機が増えた事で、より一層製品群に分厚さが加わったと言える。
オリンパスのミラーレスにはPENシリーズという手軽なカメラも存在しているが、個人的にはやはりカメラはファインダーを覗いてナンボだと思う。
背面の液晶モニターで手軽に撮影するのも悪くないが、それならば何も交換レンズである必要はあまりないように思う。
レンズの特性を使って特色ある絵を撮るならば、やはりファインダー越しの映像で絵作りする方が楽しい、と私は思うのだが…。
ま、興味のある人はぜひこのE-M10から入り、奥深い世界を楽しんでもらいたい。
私もE-M1を持ち出していろいろ撮影しないとね。
そろそろストラップとバッグが届く頃なのだから…。
遂に来ましたかー。
レンズキットで9万オーバーなんで私には予算外でしたが、スペックやデザインはかなり良いですよね。
ライブコンポジットも天体マニアには受けそうな機能だし、後発なだけに実に豪華。
最近ミラーレスの進化と展開がやたら速いですよね。オリンパスもOM-Dシリーズにはこれでもかって技術投入してくるし。
やはり、コンデジのシェアがスマホに奪われた分、高級機に力を入れているって世間の評価通りなんですかね?
まぁ、その分フラッグシップ機の価格はどんどん上がっていく気もしますがw
それにしても、E-M10は小さいですねぇ。レンズ交換式なのにstylus1と大差ないとは。
OM-Dシリーズのデザインも良いし、やはりEVFを標準装備してるのが良いですねー。
出来の良い末弟が出来て、長兄としては嬉しいやら羨ましいやらですなw
従兄弟のstylusシリーズは小さい子ばかりなんで旗振って応援してます (^_^)/~~~
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E-M10はホントに入門機としては良いアイテムでないかと思う。
E-M5の良いところとE-M1の良いところを上手く吸収しつつコストを押さえられるところは押さえたという感じなので、価格の割に高性能だと思います。
STYLUS 1からのステップアップとして一台どうです?w
カメラを趣味にしてる人は、レンズ交換式のサブ機としてSTYLUS 1を使っている人も多いので、そういう使い方へシフトしてみては?www
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正直、金があったら欲しいですw
でもまぁ、現実的にはstylus1を使いこなして、それでも欲しいと感じるほどカメラを趣味として使うと判断してからですかね。今のミラーレスの勢いだと、今後も進化していきそうだし。
ボディはフラットタイプは好きじゃないんで、ゴツくてもグリップありで、メカニカルなデザインのが好きです。ファインダーは必須、予算に乏しいので素子のサイズは小さめで(交換レンズ破産防止)。
…てな感じで好みを挙げると結構絞れますかね。
勿論好みの話で、購入対象じゃナイデスヨ?w
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撮像素子が小さいモノなら、PENTAX Qシリーズ、Nikon 1シリーズ、マイクロフォーサーズぐらいが選択肢になるでしょう。
でもそこに『ファインダー必須』という項目を加え、さらにそのファインダーは『別体式不可』という事であれば、もうマイクロフォーサーズしか選択肢がないんじゃないかな?(Nikon 1 V1、V2は候補に含まれるけど)。
総合的に見て、その入手性や価格など、いろいろな側面から見てもやはりマイクロフォーサーズが最適だと思います。
というわけで、お待ちしておりますので、いつでもどうぞ(爆)
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