PS4の新しいシステムソフトウェア。
ついに来る
本Blogでも、2月3日にPS4のシステムソフトウェアがver4.50になる、という予告をしたが、そのシステムバージョン4.50が本日配信となった。
今回のバージョンはSASUKEというコードネームで呼ばれるアップデートになるのだが、主となる機能改善点はPSVRでのBlu-ray 3Dコンテンツ対応や2D画質向上、さらにはPS4 Proでのブーストモードの搭載、外付けHDDをPS4の拡張ストレージ利用可能など、結構大きな機能アップが図られている。
さらにPSVRのシネマティックモードでは、従来スクリーンサイズが小や中であってもリフレシッシュレートが90fpsが上限だったが、本アップデートで最大120fpsまで向上する事となった。シネマティックモードで、既存の24fpsの市販映像を観ている分には変化はないかもしれないが、動画配信の映像などで120fpsのものがあれば、それをそのままの映像で観る事ができる。また、PS4 Pro専用の新機能としてブーストモードが実装される。これはゲームタイトルのパフォーマンス向上が図れるモードで、可変フレームレートを採用している一部のタイトルであればフレームレートをストレートに向上させ、30Hzもしくは60Hzに固定されているタイトルであれば、よりフレームレートを安定させる事ができるようになる。全てのタイトルに対応しているわけではないとしているが、恐らくそこそこのタイトル数は対応しているのではないかと思う。
それと、前述した外付けHDDのPS4対応だが、アプリケーションのインストール、PS4の本体ストレージから外付けHDDへのアプリケーション移動などができるようになる。外付けHDDのフォーマットは本体の「設定」から「周辺機器」を選び、さらにその中にある「USBストレージ機器」から行う事ができる。
他にもスクリーンショットをホーム画面や機能画面の背景に設定する機能なども追加になっていたりして、徐々にではあるが、より自由度の高いシステムソフトウェアへと変わってきている。
Proらしさ
今回のアップデートで、ようやくPlayStation4 Proらしい機能向上が行われ、より“らしさ”を感じるようになった。
実際、メインCPU(まぁ実際はAPUだが)の性能が向上しているので、これぐらいの機能向上はあっても不思議ではないのだが、実際には4K対応などもしているわけで、それらを全て機能向上させた上にフレームレートの向上が可能なだけのパワーをPS4 Proが持っている事にちょっと驚きを感じる。
まぁ、もともとのスペックでできる事はわかってはいても、実際にはPCの世界で言えばミドルレンジ以下のAPUでの性能である為、今までは結構眉唾モノかな、と思っていたが、今回のアップデートで少なくとも機能的にはできるようになる。
今からPS4を購入しようという人は、PS4 Proを視野に入れても良いように思う。
ま、金額次第ではあるが。
それ以前の問題
だが、今回のSASUKE以前の問題がある。
というか、これはPS4の問題というよりも業界全体の問題とも言えるのだが、まずもってHDRに対応するTVや液晶モニタの普及が相当に遅れているという事である。
4Kばかりが先行しているが、正直、4Kという画面サイズは見た目の大きさは確かに新鮮味を感じるのだが、コンテンツそのものに驚きをあまり感じない。
どちらかというと、ダイナミックレンジが大きく広くなるHDRの方がインパクトが強く、また見た目にも綺麗であるため、まずはHDR対応テレビやモニタなどを普及させない事には、次世代へと進んで行く事はない。
PS4やXbox Oneは、そうした業界の中でも先行しすぎている部分があり、おそらくPS4やXbox Oneが普及する事で周辺環境そのものを変えられると考えているのかも知れないが、未だそこに至っておらず、普及にはまだ時間がかかりそうな状態である。
これらの問題がクリアされるのが、何時ぐらいのタイミングになるのか? と考えると、何となくだが2020年くらいではないかと私は予測する。というのも、液晶などが爆発的に普及する時というのは、消費者が手が出やすい価格になったときであり、現在のフルHD液晶モニタが3万円くらいだとするならば、HDR対応フルHDモニタの価格が4万円くらいにならないと、普及は難しいと思う。大体それぐらいの価格になるのが、あと3年後くらいではないかと予測するのだが…
アップデートでいろいろな機能が向上するのは良いが、それに追従しきれていない周辺状況で、アップデートの恩恵を一部の人しか受けられないというのは、実にもったいない話である。
もっと業界的に推進していく活動を各メーカーにはお願いしたいところである。