前々から買わねばと思っていたMDR-EX500SLを買った。
型番じゃわからないという人もいるだろうが(画像見ればわかるか…)、インナーヘッドホンである。
このMDR-EX500SL(以下EX500SL)は、名機と言われたMDR-EX90SL(以下EX90SL)の後継機という位置づけらしいが、ドライバーユニットは耳穴に対して平行に配置されている。何でこんな形にと思うかもしれないが、ドライバーユニットを大きくしようとすると結果的にそういう置き方がベストだったという事らしい。
EX90SLは耳穴に対して直角にドライバーユニットを配置していたから、イヤーピースを耳の奥まで入れにくいという弊害があった。
余裕のあるドライバーユニットを使おうと思えば大きさは大きくなるだろうから、耳穴にイヤーピースを確実にセットするためには、耳穴に対して平行に配置されるのは自然な結果だと言える。
Blog右サイドに商品紹介しているが(’09/3/14現在)、EX500SLは白モデルも存在する。
ただ、白モデルはちょっとチープに見えるかもしれない(個人の主観によるが)。
音質だが、これは商品紹介のコメントにも書いたとおり。
コストパフォーマンスが非常に優れたモデルである。
Amazon.cp.jpで購入すると、7,640円。
この価格でこれだけの音質を得られるモデルは珍しいと思っている。
高音から低音までの再生域は非常に広いが、EX500SLはダイナミック密閉型のオーディオテクニカのART Monitor A700よりも低音域が強い。
…まぁ、カナル型とフルハウジング型を比較するのも間違っているのかもしれないが、比較してしまえるほどEX500SLの音の素性はイイ感じである。
EX500SLは高音域はちょっと硬めの音が出て、中音域が極端に弱くなく、それでいて低音域が強めに出ている。
私は聞き比べていないが、EX90SLよりも中音域がハッキリ出ているという感想を持っている人が多いようである。
また、上位機種のEX700SLはカナル型とは思えないほど強烈な低音を出す事で有名だが、EX500SLはそれに近い沈み込みがある…が、決して主張しすぎという感じではなく、私が聞くところでは結構フラットな感じがする。
ただEX90SLと聞き比べた人によるとフラットな特性という面で見ればEX90SLの方がフラットだという。要するにEX90SLはモニター系、EX500SLはイマドキの音楽(J-POPなど)向けと言えるかもしれない。
音の事なので、聞いてみないと個人的な反応はわからないと思う。
EX500SLは私が聞けば価格以上の音を出す。
だが、人によっては下位機種のMDR-EX300SLと変わらないかもしれない。
EX300SLはAmazon.co.jpで約4,200円弱。
EX500SLとは3,200円くらいの価格差だが、その価格差を体感できるかどうかは、聞いてみないと分からない。
ただ、素性の良い音を聞き続けていると、自然と耳は肥えてくる。
そうなったとき、おそらくEX500SLとEX300SLの差が出てくるハズだ。
ちょっとでも背伸びしたい…と思うなら、ココは迷わずEX500SLをセレクトした方がいいだろう。損はしないと思う。
ちなみに。
先日、糸井重里氏のサイト、通称“ほぼ日”に書かれていた話で、イチローがiPodで音楽を聴きながら歩いていた時の話が出ていた。
糸井重里氏が見た話だと「iPod標準のヘッドホンを使っていた」らしい(本人も確実にそうだと言い切れないと言っている)。
10,000円も出せば標準品よりずっとイイ音のヘッドホンがあるのだから、イチローにはぜひそういうのを使って欲しいと言っていた。
iPodの標準ヘッドホンは決してモノとして悪いものではない(今はどうなんだろう…昔はそうだった)が、別売のものと比較すれば、結果は言うまでもない。
糸井重里氏が言うように最近の10,000円クラスのインナーヘッドホンは性能的にも段違いに良い音が出るようになった。
もちろん、上位に行こうと思えばもっと良い音が出るモデルは存在するが、コストパフォーマンス面で見れば10,000円クラスのインナーヘッドホンは抜群の性能と価格を実現していると思う。
世界のイチローには高級なインナーヘッドホンを使って欲しいという気持ちもあるが、せめて10,000円クラスのインナーヘッドホンをオススメしたい。
音に興味のない人もいるだろうが、違いは確実にある。
入ってくる音に耳は慣れていくため、できれば良いものを使った方がいいだろう。
そういう意味でもEX500SLはオススメできる逸品である。