シャープから、裸眼視による3D表示が可能で2D表示/3D表示を切り替え可能な3.4型液晶ディスプレイ開発の発表があった。
3.4型という時点でピンときた人もいるだろうが、私からするとどう考えてもこれはニンテンドー3DSとバッティングするとしか思えない。
やはり噂どおり、シャープの裸眼立体視液晶を搭載するというのは間違いなさそうな話である。
シャープのニュースリリースより引用した画像だが、もちろんケータイのようなモバイル機器全般に利用する事を前提とした液晶とは思うが、この液晶そのものの仕様は以前の従来品より相当よくなっているようだ。
視差バリア方式を採用している本製品は、右目用と左目用の画像をフィルタリングするための層がどうしても必要で、従来品では解像感が低く感じられたり、クロストーク(2重像)が出たり、輝度が低くなったり、精細感を欠くといった問題点があった。しかもフィルタリング層があるため、厚みも2D液晶に比較して厚く、デザインという面で不利だった。
今回の新製品ではガラス基板上に電子回路を生成するCGシリコン技術を発展させ、さらに視差バリアを最適化、高輝度・高精細で低クロストークなディスプレイを実現したという。またスイッチパネルとタッチパネルを一体化し、モジュールの厚さは2Dタッチパネル液晶と同等に抑えた事で、ケータイやモバイル機器に利用しやすくなった。
と、仕様は公式ニュースリリースを見てもらうとして、ちょっと気になる事がある。
この裸眼立体視液晶、前述したようにどう考えてもニンテンドー3DSに使用されると思われるが、画素数がFWVGA (854×480ドット)とニンテンドーDSシリーズの256×192ドットよりも高解像度になっている。
しかも縦横比率は16:9と従来のニンテンドーDSシリーズの4:3とも異なっている。
つまり、任天堂がもしこのままのスペックを利用するとなると、ニンテンドー3DSはより高精細なワイド画面を採用する事になる可能性がある。
さらに、もしそうであるならば、バランスの関係から上画面も下画面も同じサイズの液晶を採用するだろうし、使い勝手の観点から考えて2画面とも3D液晶という可能性も。
もしそうなら、ニンテンドー3DSは従来よりまた違ったコンテンツを生み出す可能性がある。
というのは、もともとタッチパネルというだけでもゲーム業界では結構なショッキングテクノロジーだったわけで、そのタッチパネルというデバイスのおかげで新感覚のラブプラスなんてゲームが生まれたりした。
もしラブプラスが3Dになったら…
おそらく同じような事を考えている人もいるかもしれないが、これは多分、今の時点で誰も予測が付かない展開になるに違いない。
問題は3D時にタッチする感覚に違和感があるかどうかという事。もし違和感があるならば、タッチパネルの方を2Dとして、もう1画面を立体視する…なんて使い方もできるかもしれない。
ゲームプランナーやデザイナーは、今から大歓喜するしかないだろう。
もっとも、当の任天堂からはまだ仕様の発表がない。
おそらく中身としてはそんなに大きなアップデートを考えていないのだろうが、少なくとも扱える画素数に違いがでればその部分の仕様変更はしなければならないだろう。
また、画素数が増えるとすれば、当然扱うデータサイズが大きくなるわけで、そうなればROMのメモリサイズが大型化する事にもなる。いろいろな検討が必要になるだろう。
だが、もしかしたら画素数は従来のDSと同じく256×192ドットになるかもしれない。
ニンテンドー3DSという個体の為にシャープがその解像度のパネルを作る可能性もある。
なんといっても売れる数がハンパではないから、オンリー用途の為にパネルを製造する事も問題ないはずだ。
だが、個人的な意見で言えば、DSの解像度は低すぎる。できるならば854×480ドットで発売して欲しいものである。
ニンテンドーDSシリーズのソフトが上位互換で動作すると発表しているため、256×192ドットの倍の解像度で表示しても854×480ドットならお釣りがくる。まぁ、小さく表示されてしまうかもしれないが。
そのあたりはフルスクリーン対応させるとかいろいろな方法があると思われる。
任天堂さんにはぜひそのあたりを考えて頂き、3DSを設計してほしいものである。