文具マニア…って程ではないが、文房具やオフィスサプライなんかに興味のある私にとって、この筆鉛筆なる鉛筆の存在を知ったとき、多少なりとも衝撃を受けた。
というのも、この鉛筆、いわゆるJIS規格で定められた鉛筆の硬度である、9Hから6Bまでの17段階に存在しない、10Bというとんでもない柔らかさの鉛筆だからだ。
6Bの鉛筆を初めて見た時にも「やわらかいっ!」と感じたのだが、要するにそれ以上の柔らかさなワケであり、どんだけ減りが早いのよ…と使わなくてもその消耗する姿が想像できてしまうくらいである。
この筆鉛筆、その名前の通り、筆のようなトメ、ハネ、ハライが書けてしまう。というのも、その芯の太さが通常の約2倍である4mmもあるのだ。
柔らかくて太い。
この双方の特性が、トメ、ハネ、ハライを可能にしているのである。
ちなみに、筆鉛筆そのものの外径は通常の鉛筆と同じであるため、普通の鉛筆削りで削る事が出来る。
この筆鉛筆、製造元は鉛筆の老舗である三菱鉛筆なのだが、その三菱鉛筆のホームページの製品情報には掲載されていない。何でも、地域限定のローカル文房具だそうで、店頭では群馬県と埼玉県でしか買う事ができないそうである。
ネットで通販は出来るみたいだが、何故群馬県と埼玉県なのだろうか?
いろいろ調べて見たところ、どうも埼玉県や岡山県など、一部の県では学校の授業で“硬筆書写”というものがあるらしい。で、その授業で使用する鉛筆としてトメ、ハネ、ハライが出来る専用鉛筆を元々販売していたらしい。それで今回特別に10Bというとんでもない規格の鉛筆を販売する事となったらしい。
…岡山県で販売されていない理由は今一つわからないが、まぁ地域限定で行われていた授業に合わせた地域特産物であり、それの新型が出た…という感じで捉えればいいのではないかと思う。
ちなみにこれだけ太いと、絵画のデッサンにも使えそうである。減りは早いが、濃淡の表現はできるし、何より微妙な書き味の全てを表現できるだけのポテンシャルがある。
ただ、デッサン向けには、三菱鉛筆より“ハイユニアートセット”という鉛筆商品が全国の文具店や画材屋さんで販売されていて、その中に10Bの鉛筆がある。…筆鉛筆と何が違うのかはわからないが、多分どちらも同じではないかと思う。
この筆鉛筆、ネット通販では1本380円くらいで売られているようだが、その価格だけの価値があるかどうかは…多分使う人によって決まる。
昨今は鉛筆はあまり使われなくなり、ほとんどがシャープペンシルだったりするのだが、鉛筆には鉛筆の良さがあり、その鉛筆の長所をうまく取り入れていたのがホルダーだと私は思っている。
クルトガを知ってから私もホルダーは使わなくなったが、ホルダーの書き味はかなり絶妙で、多分筆鉛筆にかなり違いものがあるのではないかと思う。ただ筆鉛筆はホルダーよりも芯が軟らかいため、その柔らかさを活かした使い方で真価を発揮すると思われる。
しかし…実にニッチな商品である。
目の付け所が…ぜんぜんシャープではないが、面白いと思った。
こ、硬筆書写って特殊な授業だったんだ・・・。
岡山でも埼玉でもやってたから、普通だと思ってたorz
そういや、東京ではやらなかったなー
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ああ、確かに埼玉在住の人からすれば“あたりまえ”と思うのが普通かw
ちなみに石川県にはありませんでしたね。
というか、たぶんやってるところは少数派だと思います。
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