個人的に今日のはちっと衝撃的な話だった。
米MicrosoftがSkypeを買収したというのである。
しかもその金額は85億ドル。日本円にして…約6,800億円(1ドル80円換算)。
何という金額のでかさか、という事はこの際無視。
世界のMicrosoftにおいて、それぐらいの金額を集める事は不可能ではないだろうから。
問題なのは、Skypeにそれだけの価値があったのか? という事と、MicrosoftがSkypeを買収して、その金額に見合うだけのビジネスができるのか? という事だ。
Skypeは5台までのPC間同士の音声通信およびビデオ通信に関しては無料サービスを展開している。
Skypeから固定電話に連絡する場合や固定電話の通信をSkypeで受ける場合、そしてそれらの留守電サービス、SMS、転送サービスが有料となる。
では、ケータイ電話の所有率が高い日本で、Skypeを有料利用する人はいったいどれだけいるというのだろうか?
いや、これは日本だけの問題でもない。世界的に大都市部ではケータイは当たり前のように使われている。それを考えると、Skypeで有利利用する人が一体どれだけになるというのか?
考えてみればわかる。
例えば、在宅勤務で常にPCの前に座って仕事をしている人がいたとする。その人は相手もまたPCを使っている人ならSkypeを利用し、そうでない人に対して通常の電話通信をSkype経由で行うとする。これなら有料サービスを利用する事になるだろうが、もし日本人なら、こういう場合であっても、電話通信はケータイを利用するのではないだろうか?
海外の場合は必ずしもそうでないかもしれないが、少なくとも日本ではケータイがSkypeの有料サービスとバッティングし、そしてそのほとんどのケースで利用されるのはケータイではないだろうか?
そう考えると、何となくではあるがSkypeはあまり儲かっていないように思えて仕方がない。
そのSkypeを85億ドルで買収した米Microsoftは、一体全体どこにそのビジネスの主幹を置くつもりなのだろうか?
Microsoftが考えているであろう、Skypeの利用方法はいくつか予測ができる。
一つはMS OfficeのアプリであるOutlookとの連携。実に妥当な所である。
他にもWindows Liveサービスとの完全統合なども考えられる。
そしてもう一つ、Windows Phone 7との連携である。
Microsoftは、ブラウザやメーラーでは世界標準となるアプリケーションを得たが、その他の通信関係では他サービスに甘んじる所が多い。
Skypeを得た事で、それらのパワーバランスが大きく変わる可能性は否定できない。
Skypeも今と同じものにとどまっているかも分からない。何かを得て何かを捨てる…そんなサービス体制になってしまうかもしれない。
だから今は何も言えないのは分かっているが、いろいろ回りくどいことを考えると、どう考えても85億ドルの投資に見合うビジネスが成立するとは考えられない。
多分、それはド素人の私だけの考えではないだろう。
専門家にしても、今回の買収が妥当だったのかどうか、疑問を呈する人もいるだろう。
買収金額が妥当だったかどうかから始まり、そもそも買収が有益だったのか? まで含めてだ。
それとも、私がSkypeは儲かっていないと思っているだけなのだろうか?
本当は莫大な利益が出ていて、そこにMicrosoftが目を付けたのだろうか?
とりあえず、現SkypeのCEOであるベイツ氏は広告に期待しているようだ。結局広告がもっともわかりやすい収益源という事なのかもしれない。
どういう展開で今後進んで行くかも含めて、MicrosoftとSkypeの動向は私にとって気になるものになるだろう。