最近、いつも聞いている音楽の質に慣れてきてしまっていて、ちょっと違った流れが欲しいなぁと思い始めた今日この頃。
しかしながら、音楽の世界というのは実に奥が深く、ちょっと良い音を求めようなら湯水の如く金がかかる世界である。
そんな事、今更言うまでもない事だが、過去に私もそれなりの音を求めてヘッドフォンアンプを導入した事がある。
購入したのはヘッドフォンアンプ機能を内蔵したDACで、AUDIOTRAKの“Dr.DAC2”という製品だ。この製品の前身であるDr.DACもネットで一時期かなり話題になった製品だ。
今現在Dr.DAC2はその後継機種であるDr.DAC2 DXに製品シフトしている。
Dr.DAC2とDr.DAC2 DXの違いは、一言で言えば光デジタル出力を持っているか持っていないかの違いしかない。それ以外の性能・仕様に一切の違いがないのは、基本性能がシッカリしているから…だと思いたいが、実際の所はどうなのかはわからない。
このDr.DAC2 DX、もう発売してかなりの期間が経過しているが、ここにきてAUDIOTRAK以外のメーカーからカスタム品が発売される事が判明した。
WiseTechというメーカーから、内蔵オペアンプを新日本無線製のMUSESシリーズへと交換したカスタマイズモデルのDr.DAC2 DXが限定販売されるというのである。
画像にも書かれているが、MUSESシリーズの中でも01、02、8820を搭載している…のだが、実はこの3種類を搭載するのは、さらに別途オプションを適用した場合である。
標準ではMUSES01をI/V変換部のオペアンプと交換のみとなっているから注意が必要だ。
実際問題、新日本無線製のMUSESシリーズが音としてどんな特性を持っているのかは私自身も聞いた事がないのでわからない。
ただ、MUSES01/02はICのリードフレームに電導性の非常に高い高純度の無酸素銅を世界で初めて採用したという実績がある。オペアンプという性質を考えれば、電導性の高い材質が使用されている事は間違いなくプラスに働いている事は間違いないだろう。
私がDr.DAC2を購入した頃は、バーブラウン(Burr-Brown)のDACが人気だった。特にOPA627BPは厳選品という事もあって高価だったし、その音の広がりも凄かった。同じOPA627でもOPA627AUというサイズの小さなDACも存在するが、どちらかといえばBPの方が人気は高かった(多分今でもBPの方が人気は高い)。その動向はYahoo!オークションを見ていれば一目瞭然だった。
しかし、2011年の今、Yahoo!オークションでOPA627を検索しても、昔のように多数ヒットする事はなくなってしまった。時代が変わったのか、それともそういう高音質を求める市場が縮小してしまったのか?
その辺りは何とも言えないが、今回のWiseTechによるカスタマイズ製品投入は、ちょっとしたプチ音楽マニアには朗報かもしれない。
最近はヘッドフォンアンプも随分と低価格化してきたが、使用しているオペアンプに似たり寄ったりなものが多く、ハッキリとした差を持った製品群とは言えない感じがする。
しかし、今回のDr.DAC2 DXカスタマイズ品は、そうした中でもかなりの変わり種になるのではないかと思う。
実際、私も手持ちのDr.DAC2のオペアンプをMUSES01に買えてみたい衝動にかられている。ただ、私にはハードウェア的知識が乏しいため、仮にMUSES01を5個用意できたとしても、ソケットに向かってどういう方向で挿してやれば良いのか分からない為、結局は考えるだけで終わってしまうのだが…。
オペアンプならBurr-Brownという固定概念の人には衝撃的なカスタマイズ製品販売かもしれないが、時代は常に変化する。MUSES搭載のDr.DAC2 DXがどれだけ売れるかはわからないが、そうした製品が投入された事を素直に喜びたい。