Twitterで出回っていた、ハイセンスな広告がある。
このセンス、理解できない人はいないと思うが、それが小学一年生という雑誌だから、ある意味始末に負えない。
twitpic
http://twitpic.com/a79zoz
・年金…きちんと払う
・円高…あげすぎない
・国会…はっきりはなす
・首相…多すぎる
・節電…つづけよう
あまりにも当たり前過ぎる言葉を、それぞれ漢字の書き方のミスに準えて説明している。
何というハイセンス!
だが、一番センスを感じるのは、左下の小学一年生のロゴ上にある一言である。
「大人がお手本。」
全くその通りである。
小学一年生という雑誌を購入するのは、おそらく子供本人ではないだろう。
つまり、購入者である大人に向けた広告なのは言うまでもない。
大人は子供のお手本。
その意識を、一体どれだけの大人たちが思っている事だろうか?
社会で、良い事と悪い事があるのは大人でなくても誰でも知っている。
しかし、喜んで子供に悪い事をさせる大人、特に親はいないだろう。
だが、大人は悪い事をしても良いというのか?
親が子供に「赤信号は渡ってはいけない」と教える事などざらにある。
だが、その親が子供の手を引いて赤信号を渡っていく…。
私は、今住んでいる土地で、この親が子供の手を引いて赤信号を渡る、という光景を何度も見ている。
大人からすれば「今車が走っていなくて安全だから渡ってもいいだろう」と気軽に考えているのかもしれない。
しかし、いつも「赤信号は分かってはいけない」と教えられている子供からすると、この親の行動は教えられている事と真逆になってしまう。
つまり、悪い事をしているのにそれでもいいんだ、という感情がそこに芽生えるか、親の言っている事に信憑性を感じなくなる。
親の言う事をきかなくなる子供が増えているとするならば、この親の行動にこそ、子供の信用を裏切る要素があると言えるのかもしれない。
全てが規律通りに社会は動かない。
そんな事は大人になれば分かる事だ。だが、それは世の中の仕組み、倫理、世間、人間等々、そういったいろいろな要素が絡み合う実社会を知っていった後の話であって、それらが分からない子供のウチから、大人の事情を見せたり押しつけたりしても、子供に理解しろという方が無理である。
潔癖であり続ける事の難しさは分かる。
だが、子供の前では大人はお手本であらねばならない。
正しい行動をする大人がいて、その大人が正しい事をしているからこそ、自分たちも正しい事をしなければならない。子供の心理はそうあって欲しいし、そうあるべきだ。
この小学一年生の広告を見た世の親はどう感じるだろうか?
いや、この中に登場する首相や政治家はどう思うだろうか?
実際、政治家の人はこの広告を見ることはないかもしれない。だが、こんな広告が世に出てくるほど、今の国政と日本社会はダメになってしまっている。
もっと目を覚まして欲しい。
何の為に日本の政治があるのか?
何の為に日本の制度があるのか?
何の為に子供に教育をしているのか?
大人はもっと目を覚まさなければならない。