ニンテンドー3DSが発売された直後あたり。
私はキラータイトルの一つがNEWラブプラスだと思っていた。
実際、初動が悪かったニンテンドー3DSを牽引した一つのソフトであったとは思うが、実の所発売後の動向を見てもNEWラブプラスがキラータイトルとして君臨していたかというと、残念ながら草々のうちにその座を別タイトルに明け渡していた。
2月14日のイベントに間に合わせる為…なのか、それとも当時連携していた雑誌や各種イベント関連との関係で、未完成ながら発売せざるをえなかったのか、詳しい話はわからないが、発売されたNEWラブプラスのバグは酷いモノだった。
その後、修正プログラムが配信されたものの、それでも人気は戻らず、ソフトとしては完全に沈静化してしまった。
この問題でラブプラスというコンテンツがダメになったのか? というとそうでもない。現在GREEで展開している“ラブプラスcollection”は、プレイ人口も決して少なくなく、3人だったヒロインも雪乃玲という新ヒロイン1人が増えて、結構な盛り上がりを見せていると言える。
コンテンツそのものは否定されていないのに、またバグ修正のプログラムが配信されたにも関わらず3DS版の人気が戻る事がなかったのは、偏にインターフェース等の改悪があったため、と言える。
とにかく動きがモッサリしているようで、おそらく基本プログラムの仕様の問題が大きいのかも知れない。恋愛シミュレーションという、人の心を扱う題材のゲームは、そうしたインターフェースに気持ちよさがないと、作品自体を好意的に受け入れる事が難しくなる。これは私の経験則でも同じ事が言える。
そんな状況だから、私はいずれラブプラスの新作がそう遠くないウチに登場するだろうと思っていた。コンテンツには元気があるのだから、その後の一手を打ってこないワケがない。
そしてゲーム雑誌に発表されたのが3DS版NEWラブプラス+である。
“原点回帰を目指して恋する日々、再始動”
見出しにそう書かれた記事には、修学旅行がテーマだと書かれている。
GREEのラブプラスcollectionに登場している雪乃玲は登場しない、とされていて、時間軸やキャラクター、舞台などは前作をそのまま引き継ぐ形になっている。
そう考えると、事実上のリメイクとしか言いようがない。
コンテンツとしての人気は不動だから、それはそれでよいのかも知れないが、いつまでも同じ手が通用するという気持ちは捨てた方が良いように思う。
新キャラ投入もアリだし、プラットフォームを換えてみるというのも手だと思う。
特に、前作ではプログラム上に問題を抱えた為に、ハードのスペックを引き出す事ができないでいた。3Dモデリングデータを扱うのなら、PS VITAやその他のプラットフォームの方が楽なようにも思える。まぁ、前回のプログラム問題を解決したのだから3DSがもっともこれてたというのなら、それはそれで良いのだが。
ラブプラスのコンテンツとしての強さと脆さは、なんとなく遙か以前にマルチメディア展開のコンテンツとして生み出された“センチメンタルグラフティ”をふと思い浮かべる。
ま、センチの場合はもっと酷いゲームの出来だったワケだが、ゲーム発売前のコンテンツの強さたるや、尋常でないものがあった。
ラブプラスは最初のゲームの出来は決して悪くはなかったから、コンテンツとしての出来はその1作目のインパクトとゲーム性、そしてキャラクターによって支えられている。それが3作目で大きくステップアップするハズが、大きく躓いたワケである。
そうした躓きを振り返り、2014年の暖かくなるちょっと前、感覚的にまた2月14日という日付けが見えてくるのだが、その辺りに“NEWラブプラス+”が登場するとしている。
ラブプラスというコンテンツが好きな人であれば、ここでリベンジして欲しい気持ちはあるだろう。コンテンツとしてココでキッチリ押さえてくれば、再びコンテンツは元気を取り戻すはずだ。
そういう意味では、焼き直しのように思える次作にも期待したくなる気持ちも理解できないではない。
前述したが、私はラブプラス系はPS VITAでの発売が向いているように思う。
背面タッチパッドと画面タッチ、そしてグラフィック性能、それらを考えると、PS VITAの方がラブプラスの繊細な表現はよりユーザーが求めるものになるように思える。
PSPの頃はタッチするという操作が不可能だったが、PS VITAではそれも可能になっているし、音声入力にしてもPS VITAにだってマイク入力は付いている。だから3DSに出来てPS VITAにできない事といえば3D表示と2画面表示だけと言える。これら二つが、ラブプラスというコンテンツにどれだけ重要かという事を吟味すれば、PS VITAへのプラットフォーム変更もアリだと思える。普及台数はPS VITAの方が少ないが、それでもPS VITAも価格改訂後は結構な普及台数になっているワケで、コンテンツも死んでいないのだから、従来本数くらいの望みは持てるだろうと推測できる。
必要なのはイメージ払拭であり、プラットフォーム変更はそうした固定イメージを一気に覆す一つのチャンスではないかと思うのだが…。
何はともあれ、もう一度3SDでリベンジしてくる事は間違いない。
コンテンツをより大きくするためにも、ぜひとも頑張ってもらいたいものである。