放送って意味だけど身近になったな…。
ニコ生
一応…ニコ生を放送できる環境は作ってある。
特に「ゲーム実況」を可能にする為の環境を整備していて、HDMIによるフルHD、60fps再生を放送できる状態にしてある。
これは、声を大にして言えないがDHCPによる保護が行われている映像であっても放送できる環境で、HDCPを切る事ができるPS4のゲーム映像のみならず、それができないPS3の映像をHDMIで放送できるという事でもある。
この映像には当然だが映像と音声が含まれていて、HDMIに含まれている音声とPC内で再生している音声、そしてマイクという外部入力からの音声をPC内でミキシングしてブロードキャスティングする、という仕組みで成り立っている。
このミキシングという処理は、この構成上PC内のソフトウェアによって実現可能にしているのだが、当然だがそうなるとPC負荷が高くなる事は言う迄も無い。
私がこのHDMIという接続に拘った理由はただ一つ、映像のクリアさを追求した結果である。
フレームレートももちろん重要だが、映像がクリアでないと放送していてもスッキリしないものになる。これは私が一人の視聴者として、他人の放送を観ていて感じる事なのだが、眠い映像ほど観ていてスッキリしないものはない。細かすぎて読みにくいならまだ許せても、ぼやけていてハッキリしないというのはどうにも耐えられないのである。
その結果がHDMI映像をブロードキャスティングする、という結論であり、あえてDHCP信号を除去して放送するという手段を執った理由である。
そこまでして揃えた環境だが、実際はニコ生をやっているのかというと、実はほとんどやっていない。
今までテスト放送として3回ほど行っただけで、それ以降はできていないのが現状である。
放送しない理由は、放送しないのではなくできない、というのが正しく、単に私がさぼっているだけの事である。
だが、放送したくないのとは違っていて、いつでも簡単に放送できるならやりたいとは思っているのである。
環境にまだ不満足
HDMI映像による放送環境を準備してあったとしても、実の所まだそれで満足していないというのが私の本音である。
映像はそれで整ったのだが、問題は音声にある。
HDMI信号の中に含まれている音声データは良いとしても、自分の声を入力するマイクや、全体のミキシングに対してまだ満足しているわけではないのである。
前述したように、ミキシングという処理はPC内のソフトウェアで行っている関係から、どうしてもPC負荷が上がってしまっている。
また、マイクはPCのアナログ音声入力端子へと入力しているので、一応安価なコンデンサマイクを使ってはいるものの、クリアな音声といえるかといえば、まだまだ手の入れようがある環境である。
以前のテスト放送では、テストに付き合って貰った人からは映像も音声も十分クリア…と言われたは言われたが、マイクに関しては自分が満足出来る環境ではないので、できればミキシングと同時に解決したい課題だと思っている。
ウェブブロードキャスティング
音響メーカーが、ここ数年でウェブブロードキャスティングを意識した民生用の機材を発売する例が増えている。
もともとはUstreamが爆発的にヒットした頃から、そうした環境が求められてはいたのだが、実際に民生用として製品が発売される頃にはUstreamは失速、YouTubeとニコ生を対象とした製品としてそうした求められた製品が発売されるという事態が進んでいる。
この今年8月上旬にもTASCAMからMiNiSTUDIOシリーズというニコニコとタイアップしたミキサーが発売された。ライブ配信に特価した「MiNiSTUDIO PERSONAL US-32」と音声コンテンツ制作にも使える「MiNiSTUDIO CREATOR US-42」が発売され、それぞれ価格は13,000円前後と18,000円前後と比較的手の届きやすい価格で発売されている。
似たような製品がYAMAHAからも発売されていて「AG03」と「AG06」という同じような構成の製品が発売されていて、価格もほぼ同価格帯である。「AG03」は初音ミクとのコラボモデルも存在し、ライブ配信で「歌ってみた」を意識した製品となっている。
この2つのメーカーから発売されている機器には、共通の特徴がある。
それがループバック機能で、PCの音声をUSB経由でミキサーに入力し、ミキサーで合成した音声をUSB経由で再びPC内に取り込み、そのままブロードキャスティングできる。
また、共にXLR端子が搭載されているため、いわゆるファンタム電源が必要なコンデンサマイクや、ギターアンプからの出力も接続できる。
こうした機能をもつミキサーは、単純に言うと私がPC内でソフトウェア的に構築した仕組みをハードウェア的に実現したもの、と言い換える事ができる。
ただ、私の環境ではファンタム電源を必要とするコンデンサマイクの接続やギターアンプ出力を接続する事ができないというだけの事である。
だが…実はこのファンタム電源が必要なコンデンサマイクという所がとても大きな意味を持つ。
マイク
前述したように、私は自分の環境においてマイクの音声がまだまだ準備が足りていないと感じている。コンデンサマイクを使用しているといっても、それは安価なエレクトレットコンデンサマイクであり、所謂精度の高いコンデンサマイクとは違い、電源も非常に低い電圧で駆動するタイプである。
しかし、本当に良い音で実況した声を放送しようとするならば、コンデンサマイクという高い直流電圧の供給を必要とするマイクを使用する他ない。
このために48vという電圧を供給する方式がファンタム電源と呼ばれる電源であり、コンデンサマイクのXLR端子に+48vという電圧を付加できるミキサーが必要になる。前述の2メーカーから発売されているウェブブロードキャスティングに対応する機器も、この接続に対応した製品である。
なので、私の場合は前述のミキサーとコンデンサマイクを準備すれば、概ね満足できる環境が構築できると考えられる。
ただ…問題はそのコンデンサマイクに何を選ぶか? という事である。
ダイナミックマイクでも最近はとても良い音のする製品は存在するのだが、安定はやはりコンデンサマイクである。しかし、コンデンサマイクは安価になると前述のエレクトレットコンデンサマイクになってしまい、ファンタム電源を必要とするコンデンサマイクとなると、結構な値段がするというのは、この業界の常識みたいな話である。
魅惑のペンシルマイク
私が長年欲しいと思っているコンデンサマイクがある。
ドイツのメーカーであるAKG(アーカーゲーと読む)から発売されている「C747 V11」という製品である。ペンシルマイクと呼ばれるこの「C747 V11」は、そのカタチはまさしくペンシルで、細い棒状の形状をしている。
このマイクはプロ御用達のマイクでもあり、報道にも使われるマイクである。非常に指向性の高いマイクで、その音は実に繊細に取り込む事で有名なマイクである。
まぁ…値段もかなり高価なものなのだが、これが準備できれば文句は一切ない。このC747を購入しないまでも、ファンタム電源で動作するコンデンサマイクなら、家庭内で使用する性能として申し分ないし、私が考える環境は問題なく構築する事ができるだろう。
となると、どっちにしても私にはミキサーが必要であり、それはできればループバック機能を持った特定のミキサーという事になる。
昔、アナログミキサーを真剣に検討した事があるのだが、当然ループバック機能は持っていなかったし、もっと音楽製作用途の強い製品だった。それだけに入力数は2系統より多かったし、見た目もちょっとプロ用っぽい感じの製品だった。
しかし、前述の製品群は実用途に適した機能中心の製品であるため、より使いやすく、またわかりやすい。そうした機能を集約した製品として近年発売されたのだから、当然と言えば当然である。
というわけで、個人的にはTASCAMの「MiNiSTUDIO CREATOR US-42」が導入できればな、と思っている。もっと本格的にミキサーが欲しいとなれば変わるかも知れないが、ウェブブロードキャスティングが目的であれば十二分な性能である事は間違いない。
あとは…組み合わせるマイクだが、これはいろいろと性能評価したいところである。C747 V11ならその必要も無いのだが…。