フルサイズで最高20コマ/秒の連写が可能なハイエンド。
完全にプロ仕様
ソニーから新型の一眼デジカメが発表された。
その名は「α9」、言うまでもなくフラッグシップ機である。
コイツのスゴイところは、フルサイズセンサーでありながらAE/AF追従で最高20コマ/秒の連写を可能とするそのスピード性能にある。
フルサイズセンサーと言っても、有効2,420万画素だから、解像度だけ見れば最高解像度というわけではないが、それでもこのスピード性能は明らかに動きモノを意識した速度と言える。
また、ミラーレスカメラとしては初の積層型CMOSセンサーを搭載している。これは画素部分と回路部分を積層化し、回路部の拡張とメモリーの内蔵により読み出し速度の高速化を実現したもので、ソニーでは1型コンパクトデジタルカメラでの採用例はあったが、レンズ交換式カメラでは初の試みである。
この高速性を活かして動体歪みを抑えた電子シャッター機能を搭載しており(ソニーではこれをアンチディストーションシャッターと呼称している)、撮影シーンによっては無音・無振動での撮影が可能になっている。このあたりは電子シャッターの特徴を上手く利用していると言えるだろう。
ただ、一般的に電子シャッターを利用すると、CMOSセンサーならではの「ローリングシャッター歪み」が発生する。α9では、これを積層型CMOSセンサーの高速読み出しを利用して、CMOSセンサーの「画面内を順次露光する」という仕組みで生じる歪みを問題を感じないレベルに抑えて、問題を解決したという。
このα9もそうだが、オリンパスのE-M1 mkIIも含めて、もうミラーレスだから動きモノに弱いという時代は終わりを告げ始めたと言えるだろう。
高機能を従来サイズに集約
α9では、693点の像面位相差AFを搭載し、最大60回/秒のAE/AF演算が可能となった。おそらくこの増綿衣操作AFセンサーをCMOS内に確保する為に、解像度を有効2,420万画素に抑えたのではないかと思うが、結果的にその判断は間違ってはいないだろうと思う。
他にも瞳AFの向上や、EV-3の低輝度測距にも対応し、Aマウントレンズを使用した時の像面位相差AF追従(最高10コマ/秒連写)など、搭載した機能は多数に及ぶ。
またメモリーカードのスロットはUHS-II対応スロットと、SD(UHS-I)/メモリースティックデュオ対応スロットの2つを搭載し、RAW/JPEG振り分け、同時書き込み等いろんな使い方が可能になっている。これだけの機能を持ちながら、α9では従来機のα7IIとサイズ的にはほぼ変わらない大きさに纏めてきた。正直、ここらへんはソニーの凄さを見た気がする。
価格はオープン価格となっているが、店頭予想価格は税別50万円前後と見られている。発売は5月26日で、4月27日の10時より予約開始となる。
欲しいが…流石に手が出る価格ではないのは言う迄も無い。