英断だと思うが残念極まりない。
急遽、中止
2月27日から4日間に渡ってパシフィコ横浜で実施される予定だったCP+2020が、新型コロナウィルスの影響で開催中止となった。
もちろん、感染者拡大を防ぐために執った措置だが、実に残念極まりない結果である。
もともとCP+は、実際にカメラ実機を「手に取る」「ファインダーを覗く」といった、カメラならではの特性に触れる機会を狙った展示会なので、まさにウィルス感染が危惧される行為が行われるわけで、それが感染者の拡大に大いに影響する事は、考えるまでもない話である。
おそらく、新型コロナウィルスの話が出た段階で、主催側は中止を含めた対応を検討していたとは思う。
ワクチン等の対応が今後一年以上かかる、と言われる現状では、今回の措置は妥当と言わざるを得ない。
ちなみに現時点で、日程をずらしての開催の可能性に関しては考えていない、という回答が出されている。今後、製品に一般来場者が触れることができるイベントの開催を含めた展開については、やる、やらないを含めて今季の検討課題としたい、というのが、主催側の判断である。
それでも新製品
今回のCP+2020に合せて…というか、今年実施されるであろう東京オリンピックに合せて、次々と新機種が発表されている。
先日はOlympusのE-M1 Mark IIIが発売になる発表があり、2月末には冨士フィルムのX-T4が発表される予定、キヤノンからは2020年にEOS Rが発売される発表が行われた。
ミラーレスだけでなく、一眼レフ機に関してもまだまだ新型が登場する発表・発売が控えていたりするが、まずその第一弾としておひろめの場として設定されていたのがCP+2020である。
それが中止という事になる事そのものが、この業界に関してのマイナス要素であり、とても残念極まりない事なのは、言う迄も無い。
ただでさえ下火になっているこのカメラ業界をどうやって盛り上げていくか、また悩みの種が大きくなりそうである。
ただ、どんな時でも良い製品が売れるというのは世の常である。
カメラメーカーによっては、メーカーそのものの生き残りも危ぶまれるところもある状況だが、良い製品が登場すれば結果は自ずと付いてくる。コストとの兼ね合いで妥協せざるを得ない事もあるかと思うが、そこを一つ乗り越える度に、製品が一つ高みに登る、という事を十分考えて欲しいところである。
気になるX-T4
オリンパスの新型E-M1 Mark IIIが先日発表となり、この2月に発売となるが、そのスペックに落胆する人も多かったと思う。
これであと3年戦っていかねばならない事を考えると、どこまでファームウェアアップで他機種と戦っていけるのか不安になるワケだが、一番の問題はそのセンサーが3年前のスペックとあまり変わっていないという事と、EVFがイマドキの他機種フラッグシップ機からみて見劣りするという事に起因していると思う。
順当なマイナーチェンジだとする人もいるが、ハードウェア的に進化がないと、どうしてもファームウェアアップだけでは限界が訪れる。これは間違いのない話である。
それを考えると、一部のフラッグシップ機を扱う層は、他マウントへの流出という事態になる可能性は否定できない。
実際、私も今は冨士フィルムのX-T4が気になっているぐらいである。
もちろん、私はオリンパス機が好きである。これは事実なのだが、フルサイズ機が台頭する現状でマイクロフォーサーズが一線で生き残って行くには、フルサイズセンサー機と同等以上の機能を追い求めていかないと苦しい部分がどうしても出てしまう。
センサーの小ささ故、いろんな部分に制約が出てしまい、有利なのは小型軽量であるという事だけ(だけといってもそれが重要なのだが)、という状況では、新型の持つハードウェア的な機能や性能は、とても大きな意味を持つ。
そういう意味では、冨士フィルムのX-T4はまだ分からない事が多い反面、期待できる部分が多く、また制約もオリンパスほどではない事が有利に働く。
今月末、どういった仕様のX-T4が登場するか、期待MAXである。
そのX-T4の発表をCP+2020で、と思っていた矢先の中止である。
やむを得ない事とは言え、実に残念な話である。