6月27日の話になる。
HONDA JETの量産1号機が初飛行に成功した。
2015年にはデリバリー開始
HONDAがジェット機を開発しているという話が出たのはもう随分と前の話になる。
トヨタが同じように飛行機分野へと進出するという話が流れ、そしてスバルを傘下に入れた事で、その本気度がかなりのものだと私も当時は思ったものである。
しかし、トヨタから出てきたのはスバル開発の86(ハチロク)で飛行機ではなかった。中島飛行機(富士重工の前身)が86を製造している…そんな感じに聞こえたのは、私だけではないのではないかと思う。
しかし、HONDAは着実にジェット機開発を進めていた。
PROJECTは米国ノースカロライナ州グリーンズボロ市で進められ、現地にホンダ エアクラフト カンパニーを設立。そして設計されたジェット機はいわゆるパーソナルジェットと呼ばれる小型のものだったが、それ故に新しい技術をいくつも投入、斬新なデザインのものが発表された。
最大の特徴はそのジェットエンジンを翼の上に載せたという事。従来のようにボディに横付けすると、その補強の為にボディ内の空間が狭くなるところ、翼の上に載せることでボディ内空間を最大限、搭乗者の為に使えるようになった。
また、そのジェットエンジンも業界常識とは異なる道筋を辿った。
なんと、独自開発してしまったのである。
通常、ジェットエンジンはよほどの事がないかぎり、元々ジェットエンジンを設計・製造しているメーカーから供給を受けるものなのだが、HONDAはエンジンから設計する道を選んだ。
本田技研工業とゼネラル・エレクトリックの折半出資子会社としてGE Honda エアロ エンジンズという会社を設立、そこで新規にターボファンエンジンHF120を設計・開発した。このエンジンは2014年5月には量産エンジンとして出荷されており、量産に向けた動きは着実に進んでいる事が見て取れる。
パーソナルジェットの需要
日本ではまずあり得ない需要かもしれないが、欧米ではそうでもないようで、ホンダ エアクラフト カンパニーでは既に200機程度の受注を受けている…という記事を過去どこかで見た(と思う)。
三菱重工が国産機として開発しているMRJは、リージョナルジェット機という小型ではあるものの旅客機になるが、ホンダ エアクラフト カンパニーが開発したものは小型は小型でもパーソナルジェット。そもそもモノが異なるし、市場性としてどちらが有利かはわからない。
どのような未来絵図を思い描いてパーソナルジェットという道を選んだのかはわからないが、これからのグローバル社会を見据えて、手軽に個人で海外まで飛んでいける姿を思い浮かべたのだろうか?
日本に住んでいても週末あたりに「ちょっとスペインまで行ってくる~♪」的な感じである。
…まぁ、確かにそんな事ができれば便利かもしれないが、そういう未来絵図を思い描ける事自体がスゴイ事のように思えてならない。
何はともあれ、量産化は着実に進んでいる。
日本発…とはちょっと言いにくいかもしれないが、日本的発想を盛り込んだパーソナルジェットを皮切りに、次々と新しいものを生み出していって欲しいものである。
HONDA JET
http://www.honda.co.jp/jet/