マイナポイントが本日から始まったが、事前申し込みは想定の1割未満と実に低調な滑り出しだったようである。
マイナンバー交付率19.3%
本日から始まったマイナポイントだが、事前申し込みは想定の1割未満と実に低調な開始となった。
そもそもマイナポイント事業とは、2020年9月1日から2021年3月31日までの間に、登録した電子マネーやスマホ決済、クレジットカード支払いなどを利用した際、その額の25%分、最大5,000円分のポイントを還元する、という事業で、総務省ではキャッシュレス決済の拡大を見込んで4,000万人の利用を見込み、2,000億円の予算を用意した事業である。
ところが、前述のように低調な申し込み率で、8月30日の時点で376万人しか申し込んでいないという状況のようである。
そもそも、このマイナポイント事業を申し込むには、マイナンバーカードが必要なのだが、このマイナンバーカードの交付率は8月30日の段階で19.3%と低い状況で、この交付率であればマイナポイント事業の申し込みも伸び悩むのは言う迄も無い話である。
このマイナンバーカードだが、手続きに手間がかかるのが交付率の低さを物語っており、交付までに約1ヶ月、原則本人が市区町村の窓口まで受け取りに行く必要があるシロモノである事から、交付率が伸びない理由を挙げればいろいろ出てくる。
国からしてみれば、マイナンバーカードは戸籍レベルで重要な個人情報を扱うものになるので、悪用される事があってはならない、とセキュリティを高めた仕様にしている。
ところがこのセキュリティの高さが、同時に交付率を下げてしまっているところがあり、何かを立てれば他が立たない、という悪循環を生み出している。
日本ならではの問題
そしてもう一つ、マイナポイント事業が認知されない理由の一つに、日本においてキャッシュレス決済が根付かないというのも理由の一つだと私は思っている。
各社がQRコード決済を始めた頃は、還元率も高く、非常に活発な動きを見せたのだが、その還元率が低くなった昨今では、積極的にキャッシュレス決済を使っていこうという人も減り始めている。
そもそも、QRコード決済の種類が爆発的に増えた事で、利用者からすると何を使って良いのかわからない、といった問題も出た事もある。
また、実際に使ってみたところで、iDやQUICPayの便利さがQRコード決済の便利さを上回ったりする事もあり、あえてQRコード決済でなくても良い、という風潮も見られてきた。
こうした動きは、実は海外では甘利見られない傾向で、海外では比較的安定してキャッシュレス決済が当たり前になりつつある。
これには日本独特の理由もある、と私は見ている。
それは、日本円の紙幣及び硬貨の信頼度の高さである。
海外でキャッシュレス決済が意外と早く浸透したのは、その紙幣や貨幣の信頼度が低いからである。偽札や偽硬貨が氾濫すると、そもそもお金の取引の信用度が上がらないのだが、キャッシュレス決済は、その偽札や偽硬貨の出てくる出番がないので、安心して取引が出来る。また、スマホさえ確実に管理しておけば、盗難の恐れも少ない。
これが海外でキャッシュレス決済が早く広まった理由なのだという。
であるなら、偽札や偽硬貨の心配が極限にまで低い日本においては、そのまま紙幣や硬貨を使っている方が、目の前で管理が出来るし、わかりやすい。
しかも日本では盗難の恐れも諸外国から比べれば低いわけで、現金を使わない理由が見当たらないのである。
そんな状況でキャッシュレス決済を広めようとしたならば、それこそポイント還元率を上げてお得にしないと広まらない。しかも一度広まったとしても、その還元率を下げてしまうと途端に離れてしまう。これでは普及率が上がろうハズがない。
もっと便利に使えるように
そうなると、マイナンバーカードの交付率を上げるには、マイナンバーカードでできる事、便利になる事をもっと増やさないと、そもそもマイナンバーカードを申請しようとはならない。
それこそ、マイナンバーカードで選挙のネット投票が出来るとか、役所の手続きのほぼ全てが出来る様になるとか、ネットにおいて本人確認を必要とする全てのものにマイナンバーカードでできるようにするとか、日常で利用する個人特定のプロセスをマイナンバーカード前提のものに切り替えるぐらいの利便性がないと、マイナンバーカードを積極的に使おうなどという話にはなりにくい。
仮に、もしこれらが実現したとして、マイナンバーカード利用者が増えてきたならば、そこにキャッシュレス決済を結びつけて支払いも自動化した方が良い、という世間の流れが生まれてくる。今の普及のさせ方は、ある意味逆の事をしている、と私は思っている。
我が家は先行型
と言うわけで、我が家では既にマイナンバーカードも取得し、マイナポイントの申請も終わらせたので、残ったのはマイナンバーカードで保険証の変わりができる申請のみという事になる。
こちらも近いうちにやってしまおうと思っている。マイナポータルのトップページから、その申し込みができるので、ウチの母親の分ふくめてやるつもりでいる。
マイナポータルトップページ
https://myna.go.jp/SCK0101_01_001/SCK0101_01_001_InitDiscsys.form
いずれ電子化の波は訪れる。
今のウチに慣れておく事で、次のビッグウェーブが来た時にすんなり手続きできるよう、今のウチにできる事はやっておこうと思う。