ついにこの時が来てしまった。
S660最終バージョン
3月12日、HONDAはS660を2022年3月に生産終了すると発表し、同時に最後の特別仕様車「S660 Modulo X Version」を新たに設定して発売した。
グレードは1つのみの設定で6速MTのみとなる。価格は315万400円。
ベースモデルは当然S660だが、モデューロのチューニングを行っているモデルで、最終モデルである「Version Z」の名が与えられた。
ちなみにこの「Version Z」は先代の同型モデルであるBeatでも使われたモデル名である。
S660は2シーター・オープンスポーツモデルとミッドシップレイアウトの軽自動車だが、その作りは既に軽自動車というよりは小型スポーツという車。
2020年1月に2度目のマイナーチェンジが行われ、質感が高められたが、その約1年後に生産終了となった。
今まで販売してきた台数は累計で約3万台。
軽自動車とは思えない価格設定にもかかわらず、3万台が売れたというのがむしろスゴイところというべきか。
今回の「Version Z」は、特別色としてソニックグレー・パールが新たに設定され、もう1色のプレミアムスターホワイトとの2色構成で販売される。
他にも、前後Hマーク、車名エンブレム、専用リアエンブレムがシルバーメッキからブラッククローム調へ変更されていたり、専用のアクティブスポイラー(ガーニーフラップ付)をブラック塗装にしていたり、アルミホイールの塗装もステルスブラックに変更したりと、変更点は多く、あくまでも特別というスタイルを貫いた仕様である。
基本はModulo X
その他、インテリアに関しても「Version Z」専用のコンソールが用意されていたり、専用シートセンターバッグが付いていたり、ドアライニングパネルがラックススェードと合皮製に変更されていたりと、特別なものが用意されている。
最後に相応しい高級感あふれる内装に変えられているわけだが、足回りやエンジンなどは基本的にModulo Xから変更されていない。
Modulo Xは相当に練り込まれて作られているので、そもそもこの仕様が特別であり、至高だという判断なのだろう。
一応、生産は2022年3月まで、となっているが、受注が2022年3月までに生産可能な台数に達した場合はその時点で生産は終了となる。月産台数が公表されていないので、具体的にいつまでに注文すれば購入できる、という事が確約できないので、欲しいという人は急ぐしかない。
HONDA S660
https://www.honda.co.jp/S660/ (現在リンク切れ)
全体の6割が6速MT
S660はその登場当初からCVTと6速MTの2つのモデルで販売している。
私などが購入するとなると間違いなく6速MTを選ぶのだが、今は免許取得の際にAT限定で取得する人もいたりするので、案外とCVTも売られていたりする。
S660に関して言えば、6速MTを選んだユーザーは全体の6割という事で、半分以上の人はマニュアル操作を選んでいる。
スポーツタイプの車は、自分で操る事の楽しさを感じるのが王道だと私は思うので、もっとMT率が高いと思っていたのだが、時代はもうCVTに相当傾いていたようだ。
このような特別感のある車は、今の時代にはなかなか発売されたりしない。それはイマドキの車を見ればわかる通り、ほとんどの車が共通パッケージで作られるようになっている為でもある。
別にそれが悪いという話ではないのだが、共通パッケージでしかモノを作らなくなった製造メーカーは、特別なものが作れなくなる傾向がある。HONDAにはぜひとも技術力維持の為にも定期的にS660のような異色の車を企画して販売して欲しいものである。
というか…宝くじとか当たらないかなぁ。
そうすれば私もS660を購入するんだが(爆)