デスクトップ向けAPUであるCezanneの情報が漏れてきた。
Zen3のAPU
海外のサイトにAMDのデスクトップ向けAPU「Cezanne」の情報が掲載された。
「Cezanne」はZen3アーキテクチャを採用したAPUでモバイル向けのものについては既に発表はされているものの、デスクトップ向けとなるものについてはまだ公開されてはいなかった。
Ryzen7 5700Gを頂点に、Ryzen5 5600G、Ryzen3 5300Gの3つのラインナップで、それぞれ8コア16スレッド、6コア12スレッド、4コア8スレッドというマルチコア構成となっている。
なお内包されるGPUはVegaアーキテクチャのもので、Comput Unit(CU)がいくつになるかはまだ情報が出ていない。
ただ、モバイル版の情報で考えると、最近のAMDのAPUはあまりGPUに力が入っていないのか、IntelのXeアーキテクチャにも劣る性能しか搭載されていないので、あまり期待は出来ないかも知れない。おそらくはモバイル版と同じCU構成となり、クロック上昇分のみの性能向上ではないかと予想される。
それに反してCPU部分は結構な性能向上が予想できる。
そもそもアーキテクチャがZen2からZen3に変更されている事で、IPCはさらに上昇している上、クロック周波数も定格、ブースト共に200MHz上昇している。
それに加え、CCXが8コア単位に変更されている事から、L3キャッシュへのアクセスが高速化、しかもその容量は倍化しているので、CPU性能は順当に上昇しているものと思われる。
Zen2アーキテクチャを搭載していた「Renoir」の時も性能は相当によかったイメージだが、それを超えてくる事は間違いないだけに、期待できるコアではないかと思う。
リテール版はない?
ただ、期待できる「Cezanne」ではあるものの、その販売はOEM向けのみになる可能性がある。
「Renoir」の時も基本的にはOEM向けのみが提供され、一部バルク品として自作市場に流れたくらいである。
Ryzen 5000シリーズが発表された時も「Cezanne」はOEM向けという話が出ていた為、順当に考えればRyzen 5000Gシリーズで自作する事は不可能かもしれない。
ただ「Renoir」の時も当初は同じ事が言われていたのも事実なので、「Cezanne」でもバルク品という形で流れてくるかもしれない。
どちらにしても、現時点で内蔵GPUを搭載したPCを自作しようとすると、Intel系になる傾向が強いので、できればAMDでも作れるように配慮されるとありがたいのだが…何とかならないものだろうか?
Fluid Motion
昨日の話ではないが、この「Cezanne」に関してもFluid Motionは利用可能と推測される。
推測と言っているのは、Radeon Settingでは既に選べないため。
ウチのRadeon VIIだと、Radeon SettingでFluid MotionのON/OFFが選べるのだが、どうも最近のAPU等ではこの選択肢が全く出てこないらしい。
ただ、外部ツールである「Bluesky Frame Rate Converter」を利用する事で、実際にはFluid Motionを使う事はできるようなので、今の所アーキテクチャがVegaまでであればFluid Motionは利用出来そうである。
もちろん、確約して出来ると言い切れない側面はあるが、今までと同じ流れなら可能と思われる。そういう意味では、Vegaアーキテクチャを採用したGPUを内蔵するモデルは今回の「Cezanne」が最後になる可能性もあるため、ぜひとも一般販売して欲しいCPUである。
とりあえず、デスクトップ向けAPUもZen3へと進化する事は良い情報である。
もう少し突っ込んだ性能情報が出てきて欲しいところで、PCI Expressは4.0に対応するのか、また外付けGPUと組み合わせた時Smart Access Memory対応になるのか、等の情報がまだ見えないのは残念なところである。
あとは一般販売が何とか可能になれば…
いや、そもそもRyzen 5000シリーズも品薄で入手難が続いているので、もし買えるようになったとしてもまだ等分先の話かもしれない。
今は製品が潤沢になるのを待つしか無いのが残念な所である。