いつの間にかシェア率がガタ落ちのAMDだが、今後挽回できるのか?
Intelの半分以下
BNCが調査した結果によると、国内においてAMD CPUの販売シェア数が低下しており、2022年1月の販売実績はIntelの半分以下になっているという。
昨年、AMDは低迷するIntelを横目に大きく売上を伸ばし、一次Intelを大幅に上回るという状況となっていた。2019年1月の全CPUの販売実績を1とした指数では、直近の2022年1月はIntelが0.74だったのに対し、AMDはわずか0.25という数値に収まってしまった。
Zenアーキテクチャが初めて登場した時に、AMDは大きくIntelとの差詰めたが、Zen2、Zen3とアーキテクチャを改善してきた事で、AMDのシェア率は大きく上昇、Intelを追い落とす勢いだとばかり思っていたが、内側を見てみると、ハイエンド製品では確かにそのような動きは見えたものの、全体のボリュームを見た時、AMDはミドルレンジやローエンドといった部分はIntelに追いつくことができておらず、結果、ボリュームゾーンはIntelの方が優位だった状況のようである。
第12世代Core
そしてここにきて、Intelは第12世代CoreのPシリーズとUシリーズを3月より出荷する。
これはメインストリームの薄型軽量ノート向けのプロセッサである。
PコアとEコアというパフォーマンスと省電力で使用するプロセッサを切替える新世代Coreのメインストリーム向けCPUであるため、今後AMDはこの第12世代Coreと戦っていく事になるが、これに対抗するAMDの製品というのが、おそらくはRyzen 6000シリーズになると考えられる。
Ryzen 6000シリーズは、確かに従来よりもワットパフォーマンスが高く、期待できる製品ではあるのだが、残念な事にまだその形が存在しない。
しかも、Ryzen 6000シリーズが比較対象としてきたIntel製品は、あくまでも第11世代Coreであり、第12世代Coreと比較してはいないのである。
もし仮に第12世代CoreがRyzen 6000シリーズと比較した性能で、AMDが破れるような事にでもなると、AMDはミドルレンジ以下のシェアを巻き返す事もできなくなり、一方的にCPUシェア率競争から脱落してしまいかねない状況になる。
Ryzen 6000シリーズは、確かに期待できる製品ではあるが、実際にモノを見てみない事には、その性能は確約できない。
勝負は4月以降
というわけで、少なくとも薄型軽量ノートというメインストリームでの戦いは、4月以降に勃発し、AMDのシェアが今後どのように成っていくのかの一つの指標になるのではないかと考えられる。
AMDとしては、Ryzen 6000シリーズは従来AMDが弱かった部分を強力に押し出す製品になるだろうし、しかもそのボリュームゾーンとしてはとても大きなものになる。
シェアをIntelに奪還された分を再び取り戻すには、どうしてもこのゾーンは避けて通れないだけに、Ryzen 6000シリーズの真の力を示す必要がある。
今はその力がいつシメされるのかを待つターンだと思う。
私は期待したい。