謎のCPU「4700S」でPS5を超えるミニPCは作れるのか?
AMDの謎CPU
MINISFORUMから、AMDの謎CPUである「4700S」を搭載したミニPC「EliteMini CR50」が発表された。
価格は、メモリが16GBでストレージ非搭載のモデルが78,390円、256GB SSD搭載モデルが84,390円、512GB SSD搭載モデルが88,390円となっている。出荷開始は12月から。
この謎のAMD 4700SというCPUは、今年の4月に中国に突如完成品システムが登場した事で話題になり、その後AMDから正式発表された。
特徴はメインメモリはGDDR6を採用しているという事。それでいてGPUを内蔵していないCPUで、8コアのZen2アーキテクチャを採用したものだ、という事である。
要するに、PlayStation5やXbox Series X/Sに採用されたCPU部分のみ、という構成になっているという事である。
おそらくGPU部分のパターンもダイには乗っていると思われるが、何かしらが原因でGPUが無効化されたもの、と考えるとわかりやすい。
おそらく、歩留りの関係でGPU部分が使えなかった同CPUを救済する目的で販売されたものかもしれない。
「EliteMini CR50」は8コア/16スレッド、最大4GHzで動作し、ディスクリートGPUのRadeon RX 550が搭載されている。
他、インターフェースはUSB3.1×3、USB3.0、USB2.0×4、HDMI出力、DVI-D出力、Gigabit Ethernet、音声入出力が搭載されている。
体よく、dGPUが搭載されているが、もしこれをもっと高性能なGPUに置き換える事ができたなら、メインメモリはGDDR6を利用した高速メモリアクセスPCになる、といえるのだろうか?
ストレージがちょっと弱いか?
この「EliteMini CR50」だが、メインメモリはたしかにGDDR6なので高速アクセスできるメモリと言えるが、問題はPCIe4.0接続のM.2 SSDが搭載できるのか?というところ。現時点では出来る様な感じではないようなので、ストレージ速度はあきらかにPS5よりは遅いかもしれない。
また、ライザーカードで接続されているdGPUにしても、1スロット製品なので、筐体内にdGPUを収めようと思ったら、高速なGPUの搭載は無理かもしれない。
この「EliteMini CR50」は、外装カバーを外してより高速なGPUを搭載して、性能が伸びるのかをぜひテストしてみたい製品である。
…そんな事を考えるのは私だけかも知れないが。
MINISFORUMといえば
先日、MINISFORUM製品として「EliteMini X500」を当Blogで紹介したが、あちらはZen3アーキテクチャのAPUである「Ryzen7 5700G」を搭載した小型PCで、こちらはGPUがAPUレベルのものとして作られているかわりに、CPUがZen3アーキテクチャのものとして、高性能機という位置付けだった。
今回の「EliteMini CR50」は、前述したようにCPU部分はZen2アーキテクチャだとしても、8コア/16スレッドと性能的には高く、メインメモリもより高速なGDDR6を搭載している。
ストレージのアクセス速度としてM.2 SSDが使えないデメリットはあるものの、ストレージ以外ではその速度は通常のCPUよりは高速アクセスできる。
実に面白い製品がラインナップされたな、と思うのだが、実際問題「EliteMini X500」と「EliteMini CR50」で、性能がどれぐらい違いがでるのかは非常に興味深いところである。
「EliteMini CR50」は、アジア市場限定販売モデルとなっていて、数量は限られているという。入手は結構難しいのかもしれない。
もしどうしても欲しい、というなら、急いで購入した方がよいだろう。
EliteMini CR50
https://store.minisforum.jp/collections/all-product/products/minisforum-elitemini-cr50
(現在リンク切れ)